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2005年9月上旬
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●9月1日(木) 9月になりました。 月が変わっても佐藤みどりの話題です。日本でただひとりの佐藤みどり研究家たらんと欲した私は昨日、とりあえず「佐藤みどり 乱歩」で Google 検索を試みてみました。と、ひっかかってきた二十七件中のトップが名張人外境です。 ──でしょうな。でしょうな。そうでなければならんでしょうな。 と気をよくしながら、二番手につけていたページに余裕でアクセスしてさあびっくり。
いやー、まいった。これは負けたかもしれない。佐藤みどりの『女の眼』という本の帯に乱歩の推薦文があることをつきとめている人間が存在するとは。 ──うーむ。ライバル出現。「本陣殺人事件」を読んだときの乱歩の心境はかくもあろうか。 夕暮れに鴉の鳴き声を聞いたような不吉な思いに襲われ、ほとんどパニック状態に陥りながらさらに検索を進めた結果、私はたしかにそれらしいページを見つけることができました。しかしそのページは、私にとってけっして未知のページではなく、つか、これってどう見ても俺のページじゃん。 そのページというのはほかでもありません、当サイト「江戸川乱歩執筆年譜」の「昭和31年●1956」なのでした。11月に佐藤みどりの『女の眼』がちゃんと記されております。
上に引用したブログのブロガーが「帯には乱歩の推薦文があるらしいです」とお書きになっていたのは、まず間違いなくこのページを念頭に置いてのことであったと思われます。 これはいったいどういうことか。つらつら考えてみますに、佐藤みどり率いる佐藤探偵局にもおさおさ引けは取るまじき探偵能力を発揮して、私はどうやら乱歩が昭和31年のものとして録してあったこの一冊──
これが『女の眼』であるということを調べあげていたらしい。だから私はそれを刊本『江戸川乱歩執筆年譜』に記載し、ネット上にもアップロードした。だが私は、それをころっと忘れてしまっておった。見事なまでに忘却してしまっておった。私にはただ、乱歩の手書き目録で初めて佐藤みどりの名に接したときの困惑の記憶、佐藤みどりって誰? こんな作家いた? と頭を抱えたその記憶だけが鮮明なのであった。 さすがというか、莫迦というか。 つまり結論といたしましては、佐藤みどりの昭和30年の著書『情事の部屋』はカバーに乱歩の推薦文、翌31年の『女の眼』は帯に乱歩の推薦文。これが真相であるとご認識ください。 日本でただひとりの佐藤みどり研究家への道は、もしかしたら意外に峻険なのかもしんない。 |
●9月2日(金) いまや軽い佐藤みどりシンドロームと称してもさしたる支障はない感じの私なのですが、そうこうしておりますうちに名張市生活環境部の部長さんからメールを頂戴いたしました。さっそくお知らせいたします。 おっとその前に、怪人19面相君への約束どおり8月29日朝に名張市生活環境部へ送信した私のメール、正確にいえば添付ファイルでお送りしたわけなのですが、それを掲載しておきましょう。
これに対し、名張市生活環境部の部長さんからご多用中さっそくにご返事をたまわったという寸法です。内容は以下のとおり。
で、私の返信。
本日はこんなところです。さて、お次は掲示板「人外境だより」か。 |
●9月3日(土) 生活環境部のお相手ばかりしていては、建設部のご機嫌が悪くなるかもしれません。建設部に事務局が置かれた名張まちなか再生委員会のその後について、すなわち、私の聞き及んでいたところでは委員会の検討内容をどんな形で公表してゆくべきか、それが8月中旬の会合で話し合われたはずなのですが、いまだ公表された形跡は見えません。ですからあれはいったいどうなっておるのか、みたいなことをそろそろメールで問い合わせてみようかなと思いついたのですが、きょうは土曜で名張市役所はお休み。問い合わせは週明けのことといたしましょうか。 名張まちなか再生委員会における検討内容は、むろん私の耳にもあちらこちらから断片的に伝えられてきてはおり、それがまたどうにもあれな内容らしいのですが、そうした伝聞ではなく行政当局から発表された正式な情報に基づいて、申しあげるべきことがあれば申しあげたいと私は考えております。委員会の歴史拠点整備プロジェクトのみなさんから、 「現段階では乱歩に関して外部の人間の話を聴く考えはない」 との見解を示していただいた「名張まちなか再生のための乱歩講座」に関しましても、現在のところ委員会の動き待ちといった状態です。 さて、どうなるのかな。 |
●9月4日(日) きょうはごく短めにお知らせ一件。 本日付朝日新聞読書面の「著者に会いたい」に、上に画像を掲げました『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎)の石塚公昭さんがご登場です。 ではまたあした。 |
●9月5日(月) 首都圏が豪雨に見舞われたそうですが(首都圏にお住まいのみなさん、お見舞い申しあげます)、当地には台風14号がじわじわ接近しつつあります。子供のころにはこんなとき、ただ学校が休みになってくれることのみを念じつづけたものでしたが、いまの私もほぼそんな気分です。 と申しますのも本日、私は三重県立名張高等学校で二学期最初のマスコミ論の教壇に立たねばならんわけなのですが、その教材づくりに朝早くから大わらわ。ちょっと刺戟が強すぎるかな、とか思いながら大阪府で起きた自殺サイト連続殺人事件に関するプリントを泥縄的にまとめているのですが、これがなかなか終わりません。 そのうえ、ついでだからと大サービス。ポプラ社版少年探偵江戸川乱歩全集に収録されている「子供や女性の口が押さえられている挿絵」三点をプリントに添えるためのスキャン作業に突入することをたったいま決定いたしましたので、台風が無理なら火事でもいい、定期試験が近づくと学校が全焼して試験用紙がすべて燃え尽きてしまうことのみを念じたあのころに戻ったような心境にもなっているのですが、幸運なんてそんじょそこらに転がってるものでは全然ありません。泣く泣く作業をつづけるしかないようです。 それではまたあしたお目にかかりましょう。 |
●9月6日(火) 久方ぶりに番犬情報を更新いたしました。台風14号が刻々と近づきつつあるらしい高知県の話題です。関係方面の無事をお祈りしたいと思います。ちなみに当地はと申しますと、現時点では雨もあがり、曇天には明るみさえ掃かれている状態。台風本番はもう少し先のようです。 |
●9月7日(水) 台風14号の影響はいかがでしょうか。 当地は本日午前2時半過ぎ、一時的にかなりの強風に見舞われたのですが、被害と呼ぶべきものはなかったようです。朝になると雨もあがって、三重県伊賀地方にはもう何の警報も注意報も出されていません。このまま日常に復してゆくものと思われます。 |
●9月9日(金) 台風14号もとっくの昔にどこかへ行ってしまいました。被害がもたらされた地域のみなさん、お見舞い申しあげます。 さて、先週の土曜日にこの伝言板に「問い合わせは週明けのことといたしましょうか」と記しました件、台風の影響もあって(台風に何の関係があるのかとお思いかもしれませんが、台風が近づいてきたら対策本部をつくったりなんやかんや、お役所のシフトは非日常的になってしまいます。ですからまあ、そんな時期は避けようかということで)問い合わせることは控えていたのですが、きょうはもう金曜日。なんか面倒だから来週に先送りしてしまいます。 来週の目標。名張市産業部の名張まちなか再生委員会事務局に問い合わせのメールを出す。生活環境部の部長さんに催促のメールを出す。以上ふたつとなっております。こんなことやってても全然面白くないのですが、まあ致し方ありません。 じつは朝っぱらからある作家が自殺したというニュースに接し、私はその作家に興味も関心もさらさらなく、もとより作品を読んだこともないのですが、あちらこちらと関連ページを閲覧しているうちにじつに鬱々とした気分になってしまいました。 ではまたあした。 |
そんなこんなで週明けを待つばかりとなりましたウィークエンド、ここらでひとつ問題を整理しておきたいと思います。早いもので二か月ぶりということになりますが、お役所ハードボイルド「アンパーソンの掟」を登場させましょう。
いやー、問題の整理など少しもできず、ただいたずらにたらたら長くなってしまいました。しかしどんな問題におきましても、その因って来る土壌を考察するのは大切なことでしょう。こうなったらたらたら行くしかないのかもしれません。それではまたあした。たらたらたら。 |
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