本日はぱんぱかぱーん、みんなのあこがれ住民監査請求のおはなしとまいります。
事実関係をふり返ってみますと、あれは4月25日のことでございました。私が名張市役所一階の市民情報相談センターで「公文書公開請求書」三枚を提出いたしましたのは。
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名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの平成17・18両年度議事録のうち、細川邸の整備にかかわりのあるすべての文書 |
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名張まちなか再生委員会の平成17年度予算執行実績のうち「(測試)細川邸実施設計委託料」にかんするすべての文書 |
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名張まちなか再生委員会の平成18年度予算執行実績のうち「(測試)名張まちづくり塾」にかんするすべての文書 |
以上の三件を請求したのでございましたが、担当セクションから電話で連絡が入り、名張市役所に足を運びましたのは5月9日水曜日のこと。「名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの平成17・18両年度議事録のうち、細川邸の整備にかかわりのあるすべての文書」は問題なく議事録のコピーを入手でき、費用は百三十円でございました。つまり議事録は十三枚あって、コピー代が一枚十円という計算でございます。まだ仔細には眼を通していないのでございますが、なにしろ眼光紙背に徹するこの私、近くじっくり読み込むことになりましょう。
残る二件はなんだか大変であるらしく、ぜーんぶコピーするとなると作業がえらいことなんです、と名張まちなか再生委員会事務局スタッフから示されたリストがまずこれ。
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「細川邸実施設計委託(契約先:尾形建築事務所)」に関するすべての文書 |
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1)細川邸改修他工事実施設計業務委託「入札仕様書」 40枚程度 |
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2)細川邸改修他工事実施設計業務委託「参加申請書」 4枚程度 |
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3)細川邸改修他工事実施設計業務委託「落札決定通知書/入札書」 6枚程度 |
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4)細川邸改修他工事実施設計業務委託「契約締結」 45枚程度 |
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5)管理技術者等通知書 1枚 |
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6)監督員通知の提出について 1枚 |
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7)建築士法第24条の5の規定に基づき委託者に交付する書面の書式について 1枚 |
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8)設計業務等完成通知書 1枚 |
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9)検査(検収)調書 1枚 |
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※「成果品」については、改修工事の一般競争入札前であるため公開することができない。 |
以前から記しておりますそのとおり、この実施設計そのものに問題を見いだすことは不可能でしょう。むろん問題はある。おおいにある。細川邸をどういう施設とするのかをいまだに決定できていない迷走ぶりと、にもかかわらず細川邸の実施設計を済ませてしまった跛行ぶり。現在にいたるまでのプロセスには黙視しがたい問題が明らかに存在しており、こんなインチキなやり方で税金の具体的なつかいみちを決められてたまるかってんだべらぼうめ、とは思うのですが、そしてこれは私ひとりの見解ではなくてまっとうな市民感覚というものを想定しそれを基準として考えてみてもてやんでえべらぼうめ、ということになってしまうはずだと思われはするのですが、しかしながらそういったプロセスの問題を住民監査請求という手法で追及することはおそらく無理であろうと判断される。
具体的にどんな公文書があるのか、上のリストを示されてみると、こんな文書をチェックしたところで意味はあるまいとつくづく了解されましたので、合計すれば百枚程度になるこれらの公文書に関しては公開請求を却下してまいった次第です。
つづいて「(測試)名張まちづくり塾」の件です。名張まちづくり塾? これなーに? と思ったのは4月16日、名張まちなか再生委員会事務局にまとめてもらった2006年度の予算執行実績に眼を通したときのことでした。名張まちづくり塾とやらに関して三重大学と契約が結ばれ、百四十九万九千円の税金が支払われておりました。
議事5関連資料:平成18年度(執行実績)
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内容
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契約者
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契約額
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(測試)名張地区既成市街地空間デザイン方針等検討業務委託
・「桝田医院第2病棟」跡地整備実施計画等
・「桝田医院第2病棟」解体除却設計
・公共サイン実施計画等
・まちなか再生事業総括執行管理支援
・季節伝統行事を活かしたまちなか再生事業の企画・検討支援 |
(株)都市環境研究所
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8,001千円
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(測試)名張まちづくり塾 |
国立大学法人三重大学
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1,499千円
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事務費 |
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160千円
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合計
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9.660千円
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まーったくあんな駅弁大学いったいどこがありがたいのか。いや駅弁であろうがコンビニ弁当であろうがそんなことはどうでもいいのだが、とにかくどうして大学というものをここまでありがたがるのか、どうもよくわからんなと思いながら公文書公開を請求したところ、5月9日に示された公文書のリストがこれであった。
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「名張まちづくり塾(契約先:三重大学)」に関するすべての文書 |
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1)「受託研究申込書」の提出について 10枚程度 |
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2)受託研究(三重大学)契約の締結について 5枚程度 |
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3)受託研究完了報告書 70枚程度 |
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4)検査(検収)調書 1枚 |
私はこのうち受託研究完了報告書の公開を請求してまいりました。それ以外の三点は却下ね。
ここでふり返っておきますならば、名張まちなか再生プランが策定されたのは2004年度のことでした。名張地区既成市街地再生計画策定委員会のみなさんにプランをまとめていただいたわけですね。2005年度にはそのプランを具体化するために名張まちなか再生委員会が発足いたしました。細川邸をどうするこうするという協議検討も進められたのですが、2007年度にいたってもその結論は出ておりません。
ちなみに公文書公開請求にもとづいてもらってきた名張まちなか再生委員会の議事録を見てみますと、2005年6月26日に発足したこの委員会、同年7月29日の会合でこんなことを決定しておりました。
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・細川邸は、歴史資料館ではなく“(仮称)初瀬街道からくり館”を基本テーマとする。 |
名張まちなか再生プランにあった歴史資料館構想は弊履のごとく棄てられておる。しっかしからくりかよ。初瀬街道からくり館かよ。正気か。気は確かか。どーしよーもねーなーまったく。
とはいえ名張まちなか再生委員会だけを責めるわけにもまいらぬでしょう。まず責められるべきはプランをまとめた名張地区既成市街地再生計画策定委員会なのであって、展示すべき歴史資料など存在していないにもかかわらず細川邸を歴史資料館にするなどというリフォーム詐欺みたいなプランを策定してんじゃねーぞばーか。しかしだからといってプランを勝手に変更するのはまずかろう。ルールや手続きといったものがここまで踏みにじられていいわけがない。だから私は事務局に対して、プランの目玉である細川邸整備の基本方針を変更するというのであれば名張地区既成市街地再生計画策定委員会を再招集してプランを練り直させろと申し出たのですが、聞き入れられることはありませんでした。
それでこの名張まちづくり塾なのですが、いったいどんな研究をしていただいたのかということは受託研究完了報告書のコピーを頂戴すれば一目瞭然でわかるはずなのですが、5月9日に事務局スタッフから聞かせてもらったところでは、細川邸の実施設計に関するあれこれや細川邸を運営する NPO の結成に関するあれこれを研究していただいたとのことでした。ですから細川邸の実施設計、事務局で確認したところでは2月8日に契約が締結され3月末にはもう完成というなんだか猛スピードで大江健三郎賞はみたいな勢いでしあげられた実施設計には、この名張まちづくり塾の研究成果が盛り込まれているとのことでございましたが、私がどうも変だなと思いますのは、名張地区既成市街地再生計画策定委員会のトップと名張まちづくり塾のトップが、なぜか同一人物でいらっしゃるということなのでございます。これは絶対に変でござんす。そうざんしょ?
つまり名張地区既成市街地再生計画策定委員会のいちばん偉い方と名張まちづくり塾のいちばん偉い方とが、ともに三重大学という駅弁大学のおなじ先生でいらっしゃるわけなのね。なんか変じゃね? 細川邸を歴史資料館にするなどという知的怠惰まるだしのプランをまとめた委員会の、ということはそもそもプランを策定する能力などないのであろうと判断するしかない委員会のトップ、細川邸に関して端的にいってしまえば何の役にも立っていただけなかった委員会のトップの先生にですよ、名張市はまたどうしてわざわざ百四十九万九千円もの税金を支払って名張まちづくり塾なんてものをやっていただかなければならなかったのかしら。どうしてここまで癒着しなければならんのかしら。どうもようわからん。まあ名張まちづくり塾の受託研究完了報告書、コピーが手に入ったらじっくり拝見することにいたしましょう。眼光は紙背に徹するぞ。
といったようなことでございまして、ぱんぱかぱーん、みんなのあこがれ住民監査請求はいったいどうなってしまうのか、私にもとんとわからぬきのうきょうでございました。えー、駅弁いかがですか駅弁。えきべんいかーっすかえきべーん。
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