2007年7月中旬
11日 住民監査請求ことはじめ
12日 住民監査請求四苦八苦
13日 住民監査請求えんやとっと
14日 住民監査請求台風接近
15日 住民監査請求よいとまけ
16日 住民監査請求台風一過
17日 住民監査請求どっちもどっちも
18日 住民監査請求茶番二番勝負
19日 住民監査請求すっとこどっこい
20日 祝『江戸川乱歩小説キーワード辞典』刊行
 ■7月11日(水)
住民監査請求ことはじめ 

 まず、

 ──名張市職員措置請求書

 と書く。そこまではわかる。しかしそのあとがわからない。まるでわからない。

 住民監査請求のおはなしです。名張市役所でもらってきた「住民監査請求の手引き」にしたがって書類を書きはじめてみたのですが、いきなりつまずいてしまいました。

 「名張市職員措置請求書」という標題を書くまではいいのですが、そのあとに「名張市○○○○(職員)に関する措置請求の要旨」なんてのを記さねばなりません。これがわからん。職員って何?

 住民監査請求の主旨や背景経緯その他は大河漫才「僕の住民監査請求」にまとめてありますので、まだの方はぜひお読みいただきたいと思いますが──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 あらためて確認しておきましょう。細川邸整備をめぐる丸投げの流れです。詳細は第三部「猜疑篇」でどうぞ。

 A)名張市

    ↓

 B)名張まちなか再生委員会

    ↓ (役員会で決定)

 C)NPO なばり実行委員会

    ↓ (世話人会で決定)

 D)マネジメント委員会

 まずAからBへ、つまり名張市が名張まちなか再生委員会に対して丸投げしました。委員会の発足は2005年6月26日。この日に丸投げされたと理解しておきましょう。で、この丸投げには問題がなかったということにしておきます。名張市がひとつの委員会を発足させ、細川邸整備に関する検討を委託したわけです。

 つづいて一年後の2006年6月18日、名張まちなか再生委員会の2006年度総会が開かれました。三重大学浦山研究室から提出された受託研究の報告書「歴史・交流拠点としての旧細川邸改修に向けて」にはこうあります。

2005年(2006年の誤り──引用者註)6月のまちなか再生委員会総会において NPO なばり実行委員会の設立が認められ、同役員会において NPO なばり実行委員会に対して旧細川邸の運営および改修案を検討することが付託された。

 これがBからCへの丸投げです。再生委員会の役員会が開催された時期は不明ですが、総会が開かれた6月18日から7月26日までのあいだだと考えられます。7月26日という日付の根拠は再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの議事録です。そこには7月26日の第十一回会合の内容が次のように記録されています。

▼確認・決定事項
(1)平成18年度「細川邸」活動方針について
 ○■■■■■■■■が、細川邸の実施設計予算を平成18年度に繰り越した旨の報告を行い、今年度は 「NPO なばりマネジメント委員会」を設立し、三重大学教授浦山先生を中心に、細川邸の最終設計方針を決め、今年度内に実施設計を完了し、工事発注することを報告・確定した。

 ■で示したのは個人情報保護の目的で黒く塗りつぶされた箇所です。詳細は当サイト「名張まちなか再生プランの真実、ていうかインチキ」でご確認ください。

 このBからCへという丸投げは、名張市には何の関係もないものです。名張まちなか再生委員会の2006年度総会で NPO なばり実行委員会の設立が承認され、そのあとすぐに再生委員会の役員会が開かれて、三重大学浦山研究室の報告書によれば──

NPO なばり実行委員会に対して旧細川邸の運営および改修案を検討することが付託された。

 ということになったわけなのですが、この丸投げには名張市の意志は介在していません。あくまでも名張まちなか再生委員会の役員会が決定したことです。

 ちなみに再生委員会の役員とは、委員会の規約によれば委員長、副委員長、再生整備プロジェクトチーフのことをいい、名張市オフィシャルサイトで公開されている総会資料によれば2006年度役員は次のみなさんでした(敬称略)。当サイト「名張まちなか再生プランの真実、ていうかインチキ」から転載いたします。

委員長
田畑純也
副委員長
亀井喜久雄
浦山益郎
木津義明
再生整備プロジェクトチーフ
北村嘉孝
小野彰則
中森久夫
田畑純也
市橋多聞

 この役員のなかには名張市職員の方がひとりだけいらっしゃいますが、その職員が名張市の全権を担っていたなんてことはありえません。その職員が名張市を代表して丸投げの決定に加わったと見ることは不可能です。再生委員会から NPO なばり実行委員会への丸投げには、名張市の意志はいっさい介在していなかったということをあらためて指摘しておきます。

 そしてCからD。浦山研究室の報告書にはこうあります。

NPO なばり実行委員会の世話人会において、NPO なばり実行委員会の代表者や名張市職員、市民から構成されるマネジメント委員会において具体的な改修計画案を検討することが了承された。

 ここに記された世話人会も開催時期は不明ですが、マネジメント委員会が第一回ワークショップを催した8月2日までに開かれていたことはいうまでもありません。細川邸整備のすべてはこうしてマネジメント委員会に丸投げされたわけです。もとよりこの丸投げにも名張市はまったく関係がありません。誰によって組織されているのかもわからない世話人会によって勝手に決定されたことです。

 ちなみに、名張市オフィシャルサイトに掲載された再生委員会2006年度総会資料の「(仮称)NPO なばり実行委員会設立趣旨書」に設立発起人として名前が列記されているのは次のみなさんでした(敬称略)。当サイト「名張まちなか再生プランの真実、ていうかインチキ」から転載いたします。

北村嘉孝
田畑純也
中森久夫
辻本武久
山口勝義
長川精孝
浦山益郎
木津義明
東川元信
中出文夫
山口伴尚
朝野陽助
深井克治

 こうした丸投げに次ぐ丸投げの結果として、2006年9月26日に名張市と三重大学浦山研究室とのあいだで「歴史的建造物改修に係る基本設計業務ならびに当該建造物を活用した管理運営モデルの開発、運営効果の測定に関する研究及び実践」の受託契約が結ばれ、翌年3月31日にその報告書「歴史・交流拠点としての旧細川邸改修に向けて」が提出されました。つまりは「名張まちづくり塾」などといういかにも市民を瞞着する気満々な事業名のもと、委託研究の対価として名張市から三重大学に百四十九万九千円が支払われたわけです。

 で、名張市がそんな契約を結んだりその対価を支払ったりする必要がどこにあるってんだばーか、というのが私の住民監査請求の主旨なのである。そこらの NPO が勝手に決めたことになんで税金つかってんだこのすっとこどっこい。そんな理屈もわからんのかこのとんちき。あったま腐っとるのかこののーたりん。それならあれか、おれが NPO つくって番じゃ屋敷のツケを回したら名張市が飲み代全部払ってくれるっていうのかよ。冗談じゃねーやこのインチキ自治体。

 ここで冒頭の疑問に戻ります。職員って何? という疑問です。

 名張市の「住民監査請求の手引き」に記されたところをいちいちチェックしてゆきますと、「2 住民監査請求の要件」ではまず、

 ──(1)監査の請求権者

 というのがあって、「名張市の住民であること」と「法律上の行為能力の認められているものであること」が必要なのですが、これは問題ありません。次が、

 ──(2)監査の請求対象者

 この項目はこんなふうに説明されています。

 財務会計上の行為を行った、又は怠っている事実があると請求人が認める職員を対象者とします。

 職員って何? 財務会計上の行為を行ったってのはどういう意味? それが私にはさっぱりわかりません。だから様式にしたがって監査の請求書を書こうと思っても、「名張市職員措置請求書」という標題だけ書いてあとはまだ白紙の状態なんですから困ってしまう。

 いやー、住民監査請求ってとっても難しいものなんですね。


 ■7月12日(木)
住民監査請求四苦八苦 

 いやほんと、住民監査請求ってのもなかなか難しいものです。

 名張市役所でもらってきた「住民監査請求の手引き」の「1 住民監査請求とは」にはこんなふうに書かれてます。

 地方自治法第242条により、市民の方が監査委員に対し、市の財務に関する行為について監査を求め、必要な措置を講じるよう求める制度です。
 制度の目的は、市民の方の請求とこれに基づく監査により、市の財政面における適正な運営の確保と市全体の利益を守ることです。

 細川邸の整備は市財政の「適正な運営」とは呼びがたく、むしろ「市全体の利益」を損なうものであると私の眼には映じておりますので、整備事業そのものを住民監査請求の対象としたいところなのですが、大河漫才「僕の住民監査請求」にも記しましたとおり──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 それはどうやら無理っぽい。

 だったら「名張まちづくり塾」という名目で名張市から三重大学に支払われた百四十九万九千円、これは名張市に対する公文書公開請求によって捜査線上に浮かびあがってきた事業なのですが、この事業を監査の対象にできないかというのが私のもくろみなわけなのね。

 それで私は「名張市職員措置請求書」を書きはじめました。請求書かよ。男の顔は履歴書だけど女の顔は請求書だもんな、とかわけのわかんないこと考えてる暇もないほどあっさりと、

 ──(2)監査の請求対象者

 この項目でつまずいてしまったことはきのう記したとおりです。でもってまーだ悩んでます。要するに──

 財務会計上の行為を行った、又は怠っている事実があると請求人が認める職員を対象者とします。

 とのことなのですが、残念ながら今回のケースでは職員が存在しないわけです。「名張まちづくり塾」によって名張市に財産的損害を発生させた職員がいるのであれば、その職員を「名張市職員措置請求書」の請求対象とすることは可能でしょう。しかしできない。

 なぜかというと、大河漫才でもこの伝言板でもしつこくしつこく主張してきましたから読者諸兄姉にもよくご理解いただけているものと判断する次第なのですが、要するにこれ、そこらの NPO が勝手に決めたことにどうして市民の税金つかってるわけ? という話なんです。だからそこらの NPO が問題なんですけど、住民監査請求という制度ではそこらの NPO を問題にすることはできません。つまり監査対象職員なんて存在しないということになってしまいます。

 あーもうわーけわかんね。だから「住民監査請求の手引き」の様式見本にあるとおり「名張市○○○○(職員)に関する措置請求の要旨」と書いて次に進みます。

 「名張市職員措置請求書」の記述がいよいよ、

 ──1 請求の要旨

 に入ってゆくという寸法です。とりあえずこんな感じでしょうか。

 名張市は平成18年9月26日、三重大学浦山研究室(以下「研究室」という)と「歴史的建造物改修に係る基本設計業務ならびに当該建造物を活用した管理運営モデルの開発、運営効果の測定に関する研究及び実践」の契約を結び、翌19年3月31日に研究室の報告書「歴史・交流拠点としての旧細川邸改修に向けて」(以下「報告書」という)が提出されて契約が履行された。研究の対価として名張市から三重大学に「名張まちづくり塾」事業費の名目で1,499,000円が支払われたが、これは公金の不当な支出であると思量される。以下にその理由を述べる。

 あ。なんかかっけー感じがする。なにしろ思量だぜ。思量しちゃったりなんかしてんだぜ。きょうび思量とかやらかしてる人間なんてめったにいねーぜ。なんかかっけーなおれって。

 それにしてもここまでエンタメ路線一直線の住民監査請求ってのも珍しいのではないかと思量される次第なのですが、とりあえず本日のところはこんなあたりまで。

 いやー、住民監査請求ってほんとに楽しいものなんですね。


 ■7月13日(金)
住民監査請求えんやとっと 

 まずはメールでお知らせいただいた乱歩情報をどうぞ。

 一件目。神奈川近代文学館の閲覧室ミニ展示は6月30日から8月30日まで「日本の怪奇幻想文学」の特集となっております。「日本の怪奇幻想文学の一世紀余をふり返り、選りすぐった名作からその一部を紹介いたします」とのことですが、上田秋成「雨月物語」から澁澤龍彦「ねむり姫」にいたるラインナップには乱歩の「押絵と旅する男」がピックアップされていて、しかしこんなのはいまやごく普通の光景だといえるでしょう。乱歩は、なかんずく「押絵と旅する男」は、一世紀余にわたる本邦怪奇幻想文学史上に不動の地位を占めるにいたっているという寸法です。せめてそれくらいのこと理解してから乱歩文学館がどうのこうのと騒ぎましょうねうわっつらばかのみなさんや。さのよいよい。

 つづいては名古屋。旧川上貞奴邸を移築復元した「文化のみち二葉館」で7月18日から9月9日まで「名古屋の探偵小説展」が開かれます。となると一は不木、二は乱歩、三が岡戸武平で四が井上良夫なのかと思ったら、世にいうとおり三四がなくて五は井沢元彦さんと大沢在昌さんのコンビだがや。下のページの「トピックス」にある「名古屋の探偵小説展」をクリックしてみてちょ。

 上記ふたつはあたりまえといえばあたりまえのネタですが、お次はちょいと仰天もの。手術台のうえでミシンと蝙蝠傘が出会った程度には驚かれぬる展示会、「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展〜アリス、あるいは快楽原則〜」がまだちょっと先なんですけど8月25日から9月12日までラフォーレミュージアム原宿で開催されます。ラフォーレ原宿のオフィシャルサイトによれば──

シュルレアリスムを体現するチェコの鬼才、シュヴァンクマイエル夫妻の大型企画展
これまでに手がけた200点にもおよぶ作品を展示するほか、ヤン・シュヴァンクマイエル待望の新作、
江戸川乱歩「人間椅子」のために描かれたイラスト原画も世界に先駆けて特別公開します

 ってんですから、何がなんだかいまひとつ不明なれどもとにかくお知らせしておく次第です。詳細は下のページから「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展〜アリス、あるいは快楽原則〜」へどうぞ。まだ「coming soon...」のページが多いんですけど。

 それでは神奈川県横浜市中区山手町、愛知県名古屋市東区橦木町、東京都渋谷区神宮前を結んでお送りした乱歩情報三件のあとは、例によって三重県名張市における住民監査請求の話題となります。

 ひきつづき名張市の「住民監査請求の手引き」にもとづいてチェックを進めます。

 ──(2)監査の請求対象者

 この問題は難しいため、とりあえずスルーして「名張市職員措置請求書」を書き進めている次第です。それでこのあとは、

 ──(3)監査請求の対象となる行為

 これは簡単。名張市が三重大学浦山研究室と結んだ契約ということになります。

 ──(4)監査請求の対象となる行為等の特定性・具体性

 これも問題はないでしょう。契約にもとづいて提出された浦山研究室の報告書が特定性と具体性を示しています。

 ──(5)違法性・不当性

 この点についてはこの──

 「名張市職員措置請求書」において、未定稿なれど一応の説明を終えております。

 ──(6)損害の発生

 百四十九万九千円の損害が発生したことも「名張市職員措置請求書」に指摘してあります。

 ──(7)監査請求で求める措置

 いまここ。で、ここでもってまた悩んでるわけです。この項目の説明はこんな感じなのですが──

ア 当該行為を防止又は是正するために必要な措置
イ 当該怠る事実を改めるために必要な行為
ウ 当該行為又は怠る事実によって、当該地方公共団体がこうむった損害を補填するために必要な措置

 あまり呑み込みやすい文章ではありません。住民監査請求という制度をもっと市民に近いものとするために、名張市は「住民監査請求の手引き」を漫才形式にしてしまったりしてはいかがなものか。面白く読み進むうち住民監査請求の知識がぐんぐん身につく驚異の手引き書、なんてのを発表したら名張市は全国の自治体から注目を集めるものと予想されますし、そうなると近い将来われらが名張市は、

 ──人口一万人あたりの住民監査請求件数が日本一の自治体

 なんてものに躍り出るかもしれません。これはいい。とてもいい。すこぶるいい。日本一を目指そうぜ。そのためにも地域住民の立場に立った「住民監査請求の手引き」が切に望まれる次第なのですが、今回の住民監査請求には間に合いません。そこでこのあまり親切ではない手引き書に沿って考えてみることにいたします。

 いきなり「ウ」から行きましょう。名張市は百四十九万九千円の損害をげんにこうむっているわけですから、まずはその補填を考えることが必要でしょう。しかし、名張市が三重大学浦山研究室と結んだ契約はすでに履行され完了しているわけですから、私には契約内容はまったくわからないのですけれど、いまからさかのぼって契約を破棄することは相当に困難なのではないでしょうか。

 しかし名張市はげんに損害をこうむっている。

 どう考えればいいのかな。

 ここで経緯をふり返っておきますと、大河漫才「僕の住民監査請求」にも記しましたとおり──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 NPO なばり実行委員会が三重大学浦山研究室と協力連携することには何の問題もないわけです。第三部「猜疑篇」から引いときましょう。

「つまりNPOなばり実行委員会は三重大学であろうと皇學館大学であろうとマサチューセッツ工科大学であろうと」
「マサチューセッツは遠すぎますやろ」
「いくらでも好きなようにそこらの大学とつるんでくれたらええんです」
「ただしそれはNPOによる判断であって名張市は関係ないゆうことですか」
「NPO独自の判断で生じた支払い義務になんで税金がつかわれなあかんねん」
「でもあくまでも細川邸の整備に関連して生じた支払い義務ですから」
「それやったら再生委員会が三重大学と直接契約したらんかゆう話ですがな」

 まったくこのとおりなのであって(と私には愚考されるのですが)、NPO と研究室の協力連携なんて名張市には毛筋ほどの関係もない話です。ところが、NPO なばり実行委員会と三重大学浦山研究室が人知れず結んだ契約であるはずなのに、その対価をなぜか名張市が支払っているのですからずいぶんとおかしい。そのあたりの経緯は「名張市職員措置請求書」にこう記しておきました。

細川邸の整備については、平成17年6月に発足した「名張まちなか再生委員会」(以下「委員会」という)が、名張市から委託を受けて検討を重ねてきた。委員会の18年度総会で「NPO なばり実行委員会」(以下「NPO」という)の設立が承認され、そののち開かれた委員会の役員会で細川邸に関する検討を NPO に付託することが決定されたが、この付託には合理的な理由を見出すことができない。さらに NPO の世話人会において、新たに「マネジメント委員会」を発足させて研究室とともに細川邸の具体的な改修計画を検討することが決定されたが、この決定にも合理的な必然性は認められない。

 毎度ややこしくって申しわけありませんけど、NPO なばり実行委員会が三重大学浦山研究室とつるむことは「NPO の世話人会において」決められたわけです。この世話人会に名張市の職員が含まれていようといまいと、そんなことは問題ではありません。かりに職員が含まれており、その職員が NPO なばり実行委員会から三重大学浦山研究室に委託された研究の対価は名張市が支払うと確約していたとしても、その職員にそもそもそんな権限はありません。世話人会の決定は名張市には関係のないものであり、だからこそ、

 ──(2)監査の請求対象者

 なんてものが難問として立ちはだかってるわけなのね。

 だからもういい。NPO と研究室がつるんだ時点のことを問題にするのはやめましょう。両者がつるんだその結果、NPO が研究室に支払うべき対価をなぜか名張市が支払ってしまったという結果を問題にしてみます。ならば話は簡単です。名張市と三重大学浦山研究室との契約における名張市側の最高責任者はいうまでもなく名張市長なんですから、

 ──(7)監査請求で求める措置

 の「ウ 当該行為又は怠る事実によって、当該地方公共団体がこうむった損害を補填するために必要な措置」に関しては、

 ──名張市がこうむった損害百四十九万九千円の補填を名張市長に求める。

 ということになるでしょう。経緯の詳細はすべて無視してしまい、名張市長がこの契約のことをどの程度了知していたのかということも関係なしに、ただ事実として表面に現れている結果だけから判断すれば、NPO なばり実行委員会と三重大学浦山研究室との契約に名張市がのこのこ首を突っ込んで、どういう理由からかその契約を自身に引き受けてしまったために百四十九万九千円の損害が生じたわけなのですから、損害を発生させたのが契約における名張市の最高責任者であることは論を俟ちません。すなわち、

 ──名張市がこうむった損害百四十九万九千円の補填を名張市長に求める。

 ということになるはずなんですけど、どっかおかしいかな。


 ■7月14日(土)
住民監査請求台風接近 

 7月最強、とも伝えられる大型台風の今後がおおきに心配される土曜日の朝ぼらけですが、不謹慎な話ながら私は台風のニュースが大好きで、きのうの夜のテレビニュースなんかもわくわくもので見てしまいました。こっち来い台風、こっち来い台風、とテレビ見ながら悪魔でも召喚するような気分になってわくわくしてるわけですからばかっちゃばかなんですけど、台風の猛威によって個人の無力感が普遍化されてしまう快感、みたいなものを識閾下で感じているのかもしれません。げんに台風見物が好きだという人間は、私の知る限りではけっして少なくありません。

 台風に心躍る一夜が明け、きのうの朝からは丸一日が経過したいまの時点でもなお、

 ──名張市がこうむった損害百四十九万九千円の補填を名張市長に求める。

 ということにするしかないのかなやっぱ、という考えしか私には思い浮かびません。この──

 「名張市職員措置請求書」における、

 ──(7)監査請求で求める措置

 の問題です。

 それから補填の問題とは別に、これは措置ということになるのどうか、とにかく名張市と三重大学浦山研究室との契約が不当なものだったわけであり、その契約にもとづいて行われた研究もまた不当なものだったわけですから、つまり「名張市職員措置請求書」から引くならば──

委員会から NPO への付託の不当性と NPO による決定の自立性とに照らして、「名張まちづくり塾」事業費の支払いは公金の不当な支出であると判断される。

 ということであり、さらには──

信頼性と妥当性の双方において、この研究を公金の支出対象とすることに肯んじることはできない。

 ということだったわけなんですから、この契約ならびに研究にもとづいて行われた細川邸の実施設計は当然ながら無効ということになります。尾形建築事務所が四百六十九万七千円で行った実施設計のことです。

 するとどうなるのか。名張市と尾形建築事務所との契約もすでに履行され、実施設計は終了しているわけですから、三重大学との契約同様この契約もさかのぼって破棄することは困難でしょう。しかしこの設計が無効なものである以上、この設計にもとづいて細川邸の改修工事を行うことはできないということになります。そうなるはずだと私には思われるのですが、実際のところはどうなのかしら。つまり、

 ──(7)監査請求で求める措置

 としては、8月に予定されているという細川邸改修工事入札の延期を求める、といったことになるのでしょうか。ならないのかな。なるのかな。やっぱならないのかな。あんまよくわかんねーや。

 ついでにもう一点、きのうの夕方ある方と電話で話していて、談たまたま住民監査請求の件にもおよんだ次第だったのですが、そのとき思いついたことがあります。三重大学浦山研究室の報告書の件です。報告書によれば名張市と研究室が正式に契約を結ぶ以前に研究室をまじえたワークショップが開始されていたわけなのですが、その事実はこの伝言板ではお知らせいたしましたものの、大河漫才「僕の住民監査請求」にはいっさい記しませんでした。

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第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 下書きの段階では「労働もしないのにワークなんです」とか「ものも売らないのにショップなんです」とかワークショップのこともネタにしてはいたのですが、紙幅の都合ですべて割愛してしまいました次第。

 しかし「名張市職員措置請求書」ではそのあたりの事情にもふれておいたほうがいいのではないかと思いあたりましたので──

なお、「名張まちなか再生プラン」を策定した名張地区既成市街地再生計画策定委員会の委員長、および平成18年度の委員会副委員長に任命されたのがともに研究室の主宰者であり、その研究室が NPO から研究を委託されていたという一連の事実には、公平性の見地から納得しがたいものがあることを付記しておく。

 このあたりに追記することにいたしました。

 それにしてもけさは考えがまとまらねーなと思って自分をよくふり返ってみたならば、なーんか結構二日酔いじゃん。そんなこんなでまたあした。


 ■7月15日(日)
住民監査請求よいとまけ 

 台風いかがっすか。うちはまだです。雨も降ってなければ風も吹いてない朝を迎えております。ていうか、当地名張は台風からも見放されたのか、7月最強の台風四号は昨夜予想されていたよりもちょいと南に進路を取っているようです。三重県民の頼もしい味方「防災みえ.jp」によりますと、われらが伊賀地方のきょうのお天気はくもり一時雨、暴風警報と大雨注意報と洪水注意報が出されてはいるのですが、県内他地域はよっつもいつつも各種警報の椀飯振舞だっていうのにどうよこの伊賀のていたらくは。伊賀に県政なしとはこのことか(古ッ)。それはそれとして、現在ただいま県庁をはじめとして県内十四市十五町にそれぞれ災害対策本部が設置されておりますので、待機中で暇だからってんで2ちゃんねるの「三重県庁職員集まれ!13」に投稿するくらいのことはまあいいとしても、関係各位はふらふらゴルフにお出かけになったりなさいませんように。

 さて、台風にも見放されてしまったのであればおれが人間台風になるしかないなとか、誰が人間台風ドン・レオ・ジョナサンだばーかとか、いろんなこと考えながら住民監査請求の準備を進めることにいたします。

 名張市の「住民監査請求の手引き」に記された「2 住民監査請求の要件」にしたがってチェックをつづけてまいった次第ですが、これまでのところ、

 ──(2)監査の請求対象者

 それから、

 ──(7)監査請求で求める措置

 この二点にはいささか疑問も残りますものの、とりあえず最後まで行ってしまいます。お次は、

 ──(8)請求の期限

 これにはまったく問題ありません。

 違法、不当な行為があった日又は終わった日から1年を経過したときは、住民監査請求をすることができません。

 とのことなのですが、三重大学浦山研究所の報告書の奥付には2007年3月31日という日付が記載されていますから、時間的にはまだまだ余裕。

 ──(9)事実証明書の添付

 これが簡単なんだか難問なんだかよくわかんない。「住民監査請求の手引き」によれば──

 監査請求をするときは、違法、不当な財務会計上の行為又は怠る事実を証明するための証拠書類の添付が必要となります。

 だから簡単といえばとても簡単。証拠書類は二点あれば OK です。

 一点目は名張まちなか再生委員会事務局に提出してもらったこの書類。


 これがどういう書類かというと、毎度おなじみの大河漫才「僕の住民監査請求」にちゃんと記してありますけれど──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 第二部「惑乱篇」から引きましょう。

「二〇〇六年度が終わりまして今年四月のことでした」
「新年度が始まってどないなりました」
「僕は名張市役所の一階にある市民情報センターを訪れました」
「いよいよ情報公開の請求ですか」
「そのセンターで公文書公開請求書ゆうのを書いて提出したらええんですけど」
「なんですねん」
「公開してもらおうにもどんな公文書があるのかようわかりません」
「なんや頼りない話になってますがな」
「そこで名張まちなか再生委員会の事務局に依頼して二〇〇五年度と二〇〇六年度に委員会がどんなことで予算をつかったのかリストにまとめてもらいました」
「君もほんまに世話の焼ける男で」

 「二〇〇五年度と二〇〇六年度に委員会がどんなことで予算をつかったのか」がわかるのがこの書類です。2006年度分にはきっちりと、「名張まちづくり塾」という事業のために国立大学法人三重大学と契約し、その契約金額は百四十九万九千円であったことが記されています。

 証拠書類二点目は、いうまでもなく三重大学浦山研究室の報告書です。私の手許には名張市に対する公文書公開請求で入手した A4サイズ百三十七ページ分のコピーがあります。表紙がこれ。

 6月5日付伝言に引いた奥付を再度引用しておきましょう。

歴史・交流拠点としての旧細川邸改修に向けて
名張市・三重大学浦山研究室 受託研究「歴史的建造物改修に係る基本設計業務ならびに当該建造物を活用した管理運営モデルの開発、運営効果の測定に関する研究及び実践」報告書
2007年3月31日発行
編集・製作 三重大学大学院工学研究科建築学専攻 都市計画・浦山研究室
 (住所と電話番号は略)
製本 合資会社黒川印刷
 (住所と電話番号は略)

 このコピーをすべてそっくりそのまま証拠書類として提出することになります。

 これでいい。

 これでいいのだ。

 これでいいはずなのだ。

 一点目の証拠書類では名張市が契約にしたがって三重大学に百四十九万九千円を支払ったということがわかります。そして二点目の証拠書類をつぶさに読めば──

委員会から NPO への付託の不当性と NPO による決定の自立性とに照らして、「名張まちづくり塾」事業費の支払いは公金の不当な支出であると判断される。

 ということも、そして──

信頼性と妥当性の双方において、この研究を公金の支出対象とすることに肯んじることはできない。

 ということもよくわかります。報告書がすべてを物語ってくれているわけです。報告書さえしっかり読めば、すべての問題点は白日のもとにさらされてきます。

 しかし、読めるのか。

 しっかり読めるのか。

 しっかり読み取れるのか。

 なんか偉そうなこといいますけど、普通の人間が(「普通」ってのも曖昧な表現ですけど)普通に読んでも(だから「普通」って何よ)、この報告書から矛盾や問題点を剔出して住民監査請求に結びつけることは無理なのではないかしら。だからほんとに偉そうなこといってるんですけど、多少なりとも眼光が紙背に徹したりなんかする必要があるわけなのねこの場合。でもって普通の人が普通に読んでもあまり眼光は紙背に徹しませんから、だからこそ普通の人に理解していただくための一助として大河漫才「僕の住民監査請求」を参考資料として提出することにしてるわけなんですけど、しかし大丈夫かなあ。

 ポイントはただ一点。大河漫才第三部「猜疑篇」から引くならば──

「NPO独自の判断で生じた支払い義務になんで税金がつかわれなあかんねん」

 これだけです。で、別の角度から補強しておく意味で、第四部「零落篇」にありますとおり──

「けどほんまにええかげんなんですからこの三重大学の報告書」

 という点も問題にしておいたわけであって、このふたつ衝いとけばほぼ完璧なはずなんだけど、しかしわかってもらえるかなあ。なんか不安だなあ。

 ともあれこれで、「住民監査請求の手引き」にある「2 住民監査請求の要件」の要件九点はすべてチェックを終えたことになります。

 さーあ。こっち来い台風。こっち来い台風。

 末筆ながら、台風四号の被害に遭った地域にお住まいのみなさんにお見舞いを申しあげます。


 ■7月16日(月)
住民監査請求台風一過 

 台風四号による被害はいかがだったでしょうか。当地は全然でした。きのうは雨らしい雨も降らず、午後4時前には晴れ間ものぞいて、それでも夕刻にはやや強い風が台風通過の余波みたいなものを感じさせはしたのですが、まったくどこが台風だばーか。

 台風といえば、この大河漫才「僕の住民監査請求」には──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 台風、河島英五、名張市教育委員会教育次長、という三題噺みたいなネタも料理しておいたのですが、紙幅の都合で割愛する結果となってしまいました。寝かしといていつかつかおっと。

 しかし寝かしといてということになると、いったいいつのことになるのやら。たとえば第三部「猜疑篇」に出てきました──

「だいたいNPOみたいなもんは君」
「NPOがどうしたんですか」
「もちろん僕もすべてのNPOを頭から否定するわけではないんですけど」
「君はNPOが嫌いなんですか」
「やっぱりNPOやからゆうて意味もなく熱うなってる連中を見たらこいつら完全にあほやろなと思いますからね」
「そんなことありますかいな」
「でもたかがNPOのことで頭に血ィのぼってる人間がいるんですから実際」
「それだけ熱心やゆうことですがな」
「恥ずかしいことないんですかね」
「NPOのどこが恥ずかしいんですか」
「けどNPOで頭に血ィですよ」
「ええやないですか」
「ほな君いっぺんNPOという字の頭にチという文字をのせてみなさい」
「それがどないしたんですか」
「それ声に出して読めますか」
「チNPO」
「君そんなんもう完全に男性性器の俗称になってしもてますからね」
「なんでそないなるねん」

 この NPO ネタなんて八年も前に思いついたものなのですが、披露するのは今回がはじめてです。定期的に漫才やる場を確保したほうがいいのかなあ。名張市の「広報なばり」あたりが毎号一ページでいいいから、私の漫才を連載してくれたりしたらありがたいのだがなあ。無理なのであろうなあ。

 そんなこんなで住民監査請求めざして鋭意へろへろ執筆中の「名張市職員措置請求書」、書き直し書き直ししてだいたいこんなところまで進みました。

 ほんともうへろへろになっちゃう。なにしろはじめてのことだものなあ。


 ■7月17日(火)
住民監査請求どっちもどっちも 

 台風のあとに地震がつづきました。まずはお見舞いを、なんていってみてもしらじらしいかぎりですけど。

 それにしてもほんとにさんざんです。とくに新潟県中越沖地震の惨状をテレビのニュース番組で眼にしたりいたしますと、2004年10月の新潟県中越地震のときにも感じたことなのですが、これはもう御霊信仰の文脈で語られるべき事態であろうと、つまり田中角栄の御霊のしわざであろうと、自民党をぶっ壊すとかいわれて三年前に祟りをなし、いったんは鎮まっていた角栄の御霊がいままたふたたび、戦後レジームからの脱却だの美しい国だのといわれておとなしくしていられなくなったのであろうと、そんなふうに思われてきてなりません。

 御霊といえばそろそろ京都じゃ祇園祭だし、なんてこと考えてたらきのうの夕方、当地名張市も弱い地震に見舞われました。震源地は奈良県。当地の震度は二と報じられましたが、ご心配いただかねばならぬようなことは何もありません。なにしろ奈良のことですから御霊なんてさぞやてんこ盛り状態になってるのだろうなと想像される次第ですけど、今回の地震は御霊には関係がなさそうです。

 さて、ほんとにさんざんだった連休が明けましたところで、なんとか今週中には住民監査請求の手続きを済ませてしまいたいというのが私の念願です。いつかもお約束しましたとおり手のうちはすべてさらして、つまり情報開示ってやつですか、未定稿の「名張市職員措置請求書」もこれこのとおり──

 すべてオープンにして準備を進めている次第なのですが、正式に請求する前に名張市役所の監査委員・公平委員会事務局で請求書や提出書類についてアドバイスを仰いでこなければならんだろうな。とくにこの大河漫才「僕の住民監査請求」に関しては──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 こんなふざけた書類を受け付けることはできません、とか門前払いくらったらどうしよう。それはたしかにふざけているように見えるかもしれん。いやげんにふざけているわけなのであって、なにしろいきなり、

 「ぱんぱかぱーん。ぱぱぱ。ぱんぱかぱーん」

 などというギャグではじまる文章がふざけていないわけがない。

 しかしこれはとても重要な文書なんですから、とくに名張市役所のみなさんにはプリントアウトして回し読みをしていただきたいくらいのものである。私の住民監査請求は大きくいえば名張まちなか再生プラン全体にレッドカードをつきつけるものなのですが(レッドカードってのも比喩としては死語ですけど)、具体的な局面としては「名張まちづくり塾」とやらのたかだか百四十九万九千円の事業費を問題にしていて、そんなの重箱のすみをつっついてるだけの話じゃんとか思っているそこのあなた、名張市役所のあなた、けっしてそうではありません。

 この具体的な局面である「名張まちづくり塾」の問題には行政と NPO、あるいは行政と名張市名物なんたら委員会やかんたら協議会との関係性というたいへん重要なテーマが内包されていて、協働がどうのこうのというのであればこのあたりをきっちり押さえとかなくちゃいけないわけなんですけど、いまの名張市はこのあたりがとてもきつい。きついというかルーズというか。要するになあなあであったりずぶずぶであったり、まるで赤ちゃんのごとく自他未分離なわけなのね。戦後レジームどころか前近代レジームとも呼ぶべき馴れあいもたれ合いからそろそろ脱却してくれんかね。

 大河漫才第四部「零落篇」から引くならば──

「つまり名張市は委員会とかいろいろつくってますけど最終的には委員会の主体性なんか認めないゆうことでしょうね」

 こういうことになるわけです。いやちょっとちがうか。認めるとか認めないとかいった明確な意志は存在しておらぬか。ただひたすら赤ちゃんのごとく自他未分離な状態なんですから、ここはちょっとばっか斧鉞を加えて──

「名張市はいろいろ委員会とかつくってますけど組織の主体性や自立性というものが全然わかってないみたいですね」

 みたいなことにいたしましょう。大河漫才の決定稿はいずれまとめて掲載いたしますけど、ここは上記のとおり訂正することになります。

 さてそれでこの住民監査請求はいったいどういう流れをたどるのか。「住民監査請求の手引き」の「3 住民監査請求の手続」にもとづいてチェックしてみますと、

 ──(1)職員措置請求書

 とか、

 ──(2)事実証明書

 とかの問題はクリアできたということにして、そのあとには、

 ──(3)受付

 というハードルが待ってます。

ア 住民監査請求をするときは、職員措置請求書と事実証明書を監査委員事務局に提出してください。
イ 事務局では、職員措置請求書と事実証明書の受付を行う際に、形式要件に明らかな誤りなどがある場合は、補正を求めることがあります。

 つまりまず事務局のチェックが入るわけです。つづいて、

 ──(4)受理又は却下の決定

 ここで監査委員によるチェックが行われます。

 監査委員は、職員措置請求書と事実証明書の形式や内容が住民監査請求制度の要件に合っているかどうかの審査を行い、必要な要件が整っていると判断したときは、監査請求を受理します。
 また、監査委員は、必要な要件が整っていないと判断したときは、監査請求を却下し、監査を行いません。
 なお、監査委員は、受理又は却下の決定を行った際に、請求人にその旨を文書で通知します。

 ということになるわけですから、最悪の流れとしては請求の却下が想定されます。ただし、

 ──(5)補正

 てな感じで、事務局とおなじく監査委員から補正が求められる場合もあります。

 監査委員は、職員措置請求書の形式や内容に不備があるとき、又は事実証明書が不足しているときなどは、適宜必要に応じて請求書の修正や証明書の追加提出などの補正を求めることになります。
 なお、請求人が補正に応じない場合は、監査請求が却下されることがありますので、注意してください。

 たとえ補正を求められても、それがクリアされれば請求書が受理されることになります。

 ──(6)請求人の証拠の提出及び陳述

 これはどういうことか。

 監査請求が受理されますと、新たな証拠の提出の機会と陳述の場が設けられますが、これを行うかどうかについては、請求人の選択に委ねられています。

 請求人である私は、いまのところ「新たな証拠の提出の機会と陳述の場」を求める必要はあるまいと考えております。7月15日付伝言でお知らせした証拠書類二点を事実証明書として提出しておけば充分でしょう。とくにこの──

 三重大学浦山研究所の報告書をつぶさにお読みいただければいいわけなのですが、先日も記したとおりつぶさにお読みいただけるのかしら。お読みいただいて問題点を剔出していただけるのかしら。住民の立場に立って正当に判断をくだしていただけるのかしら。それがどうにも不安です。

 つまり今回の住民監査請求は住民の立場から監査委員の監査能力をチェックする機会ともなるわけなのですが、はたして請求が受理されるのか却下されるのか、私にはそれさえ見当がつきません。名張市役所のみなさんにおかれましては受理か却下か、丁半いずれと出るかの庁内賭博をご開帳いただくのも一興ではないかと存じます。私の場合は当然ながら受理に百ガバス、倍率どん、さらに倍。

 さあどっちもどっちも。


 ■7月18日(水)
住民監査請求茶番二番勝負 

 名張市のオフィシャルサイトに「広報なばり」7月三週号が掲載されました。せっかくですからお知らせしておきましょう。6月定例会一般質問の概要がこんな感じで伝えられてます。

 一部引用。

▼乱歩館の整備は
 答弁 建設は断念
<Q>市長は乱歩館の整備を公約に掲げている。しかし、先般のまちなか再生の総会席上で、突然、建設を断念するとの関係部局からの説明があった。今後はどのように考えているのか。また、まちなか再生への取組みは。
<A>乱歩館の整備は、あの場所〔桝田医院跡〕に建設することは、総合的に考えて好ましくないと考える。ランニングコストなどを勘案したときも難しいと判断した。今後は、建物を解体してモニュメントなどを置いて広場として整備したい。

 乱歩文学館のことが名張市議会の本会議でとりあげられたのはこれがはじめてなのではないかしら。はじめてなのにいきなり断念ってんですから名張市のいい加減さがよくわかります。

 何度もしつこく指摘しますけど、そもそも名張まちなか再生プランと乱歩文学館たらいう妄想が何の関係もないものだということは、たとえばこのページをご閲覧いただければ一目瞭然。

 むろん大河漫才「僕の住民監査請求」にもはっきりと書いてあって──

大河漫才「僕の住民監査請求」未定稿 PDFファイル
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 第一部「迷走篇」(未発表決定稿)から引用してみます。

「ほかにもまずいことがあるんです」
「どこにありますねん」
「桝田医院第二病棟」
「あそこがなんぞしたんですか」
「あそこは何もしませんけど名張まちなか再生委員会がまた勝手な真似をね」
「何をしました」
「名張まちなか再生プランにはひとことも記されていない桝田医院第二病棟の整備について協議を始めたんです」
「いつのことですねん」
「委員会の議事録によりますと二〇〇五年の七月に《桝田医院別館第2病棟の利活用にあたっては江戸川乱歩をテーマとする必要がある》みたいなことがしゃあしゃあと検討されてましてね」
「それこそ詐欺みたいな話ですがな」
「僕がパブリックコメントで桝田医院第二病棟のことをプランに盛り込めと指摘したのを無視したあげくこのざまです」
「たしかに指摘しましたからね」
「指摘したのに無視する。無視したのに協議検討の対象にする。こんなもんインチキとしかいいようがありません」

 第四部「零落篇」(未発表決定稿)からもいっときましょう。

「乱歩文学館について検討していたのは名張まちなか再生委員会なんです。むろんインチキな話ではあるんですけど」
「でも二〇〇六年度の総会で乱歩文学館を建てることになったそうですから」
「再生委員会と名張市がプランを勝手に変更できる『時点更新』とかゆうインチキ制度をでっちあげただけなんです」
「それでOKゆうことにしたんですか」
「身内で決めただけで市民のコンセンサスなんかどこにもありません」

 このあたりをもう少しフォローしておきましょうか。名張市オフィシャルサイトに掲載されたこの PDF ファイルをお読みいただければ一目瞭然です。

 いや一目瞭然ではありませんでした。とりあえず引用。

□名張まちなか再生プランの時点更新(再生プロジェクト更新調書)について

 「名張まちなか再生プラン(以下「プラン」という。)」は、名張地区既成市街地(以降「名張地区」という。)のまちづくりを進めるうえで、市民、事業者、各種団体、市など、多様な主体の共通するまちづくり指針として重要な役割を担っており、さまざまな主体の参加と協働によってはじめて成果が得られます。
 このような中、名張地区の再生を多様な主体の協働により推進していくことを目的として名張まちなか再生委員会(以下「委員会」という。)を設置し、早期実現可能なものから検討、具体化に努め、実現化に向けた課題が大きいものに関しては、ある程度長期的な視点にたって、必要な調査、調整を行い着実に実現に向けた取り組みを進めています。
 委員会は、プランの実現を目指し、役員会を設置し、プラン全体の執行管理に関すること、再生整備プロジェクト全体の事業調整及び推進を図るともに、再生整備プロジェクトを設置し、プランに掲げたプロジェクト事業の企画、計画の立案、実施、運営管理、合意形成を行っています。
 これにより、プラン実現のためのより実効性のある事業を現在も展開しているところですが、プランは、市民と行政が共に尊重し、共に育む計画として位置づけているため、名張市としては、委員会が担う機能により育まれるプランの内容を対象として、1つの単位を1年と定め(委員会総会の単位)、育まれたプランや組織の内容を“再生プロジェクト更新調書”として補完し、より市民にわかりやすい状態で管理する必要があると考えているところです。

 こんな意味のわかりにくい日本語が連ねられていてとても一目瞭然とはいいがたいのですが、要するに委員会の都合で名張まちなか再生プランをいくらでも勝手に変えていいことにしちゃったもんということです。なーにが「市民と行政が共に尊重し、共に育む計画として位置づけている」だこのインチキ自治体。こんなプランのどこに市民がいるってんだばーか。

 ですから大河漫才に記しましたとおり、

 「身内で決めただけで市民のコンセンサスなんかどこにもありません」

 というしかないわけで、ここまでインチキ自治体の名をほしいままにして嬉しいのかこら名張市。いつまでも市民無視して好き勝手なことやってんじゃねーぞこのとんちき。

 ついでですから「時点更新」とかいうインチキの実態を確認しておくことにして、まずは名張まちなか再生プラン(名張市オフィシャルサイトのこのページ)から引用。図は省略いたします。

【2】 歴史資料館の整備事業 (重要度:◎)
 名張のまちにひろがりとまとまりが感じられるように、北の名張藤堂家邸に対して南にもうひとつの歴史拠点を整備します。
 初瀬街道沿いの最もまとまりのある町並みの中にある細川邸を改修して歴史資料館とします。細川邸は円滑な賃貸契約が見込めるほか、平成16年11月の芭蕉生誕360年祭において旧家の風情を活かした魅力的な歴史資料館になりうること、適切な企画によって集客力が期待できることなどが確認できたので、歴史資料館にふさわしい建築物と考えます。
 老朽化した部分を除却し、町屋の風情を大切にして母屋と蔵を改修します。また、来街する市民の便に配慮して、駐車場、公衆トイレと喫茶コーナーを設置します。歴史資料館の主用途は資料の展示ですが、多様な市民ニーズに応えるために物販や飲食などを含む複合的な利用も可能なものとします。なお、歴史資料館の管理運営は民間が担う公設民営方式とします。

図 細川邸の改修イメージ(省略──引用者註)

 市民に何ども足を運んでもらえる歴史資料館とするために、江戸時代の名張城下絵図や江戸川乱歩など名張地区に関係の深い資料を常設展示するほか、市民が関われる利用方法を工夫します。たとえば、芭蕉生誕360年祭のからくりコンテストのようなイベントで展示した作品、市民文化祭や市の美術展の出品作、個人や文化サークルなどが作成した作品(例:能面、絵画)を展示したり、小波田地区の「子供狂言」などを招致したり、名張地区以外の市民も参加できる方法が考えられます。また、庭に面した風格ある和室を冠婚葬祭や茶会など、市民も利用できる方法を検討します。市民が関わることのできる場と機会を提供することによって、主催者としてあるいは参加者としてさまざまな市民の来館が期待できます。
 管理運営を担う民間組織には、リピーターが確保できるような企画運営能力をもつことが期待されます。歴史資料館の立ち上がり期には、地元組織やまちづくり協議会が企画展示や施設管理に協力して、円滑な歴史資料館の管理運営に取り組みます。

 これが「時点更新」とやらによってどんなぐあいに変更されたのか。上記 PDF ファイルから引用してみましょう。青い色の文字は変更された箇所なのですが、引用に際しては名張まちなか再生プランにあった変更以前の文言を〔 〕で補っておくことにいたします。図は省略。

【2】 初瀬ものがたり交流館の整備事業(重要度:◎)
 名張のまちにひろがりとまとまりが感じられるように、北の名張藤堂家邸に対して南にもうひとつの拠点〔歴史拠点〕を整備します。
 初瀬街道沿いの最もまとまりのある町並みの中にある細川邸を改修して『初瀬ものがたり交流館』〔歴史資料館〕とします。細川邸は円滑な賃貸契約が見込めるほか、平成16年11月の芭蕉生誕360年祭において旧家の風情を活かした魅力的な施設〔歴史資料館〕になりうること、適切な企画によって集客力が期待できることなどが確認できたので、これ〔歴史資料館〕にふさわしい建築物と考えます。
 老朽化した部分を除却し、町屋の風情を大切にして母屋と蔵を改修します。また、来街する市民の便に配慮して、駐車場、公衆トイレと喫茶コーナーを設置します。当該施設〔歴史資料館〕の主用途は資料の展示ですが、多様な市民ニーズに応えるために物販や飲食などを含む複合的な利用も可能なものとします。なお、当該施設〔歴史資料館〕の管理運営は民間が担う公設民営方式とします。

図 細川邸の改修のイメージ(省略──引用者註)

 市民に何ども足を運んでもらえる『初瀬ものがたり交流館』〔歴史資料館〕とするために、江戸時代の名張城下絵図など名張地区に関係の深い資料を展示するほか〔江戸時代の名張城下絵図や江戸川乱歩など名張地区に関係の深い資料を常設展示するほか〕、市民が関われる利用方法を工夫します。たとえば、芭蕉生誕360年祭のからくりコンテストのようなイベントで展示した作品、市民文化祭や市の美術展の出品作、個人や文化サークルなどが作成した作品(例:能面、絵画)を展示したり、小波田地区の「子供狂言」などを招致したり、名張地区以外の市民も参加できる方法が考えられます。また、庭に面した風格ある和室を冠婚葬祭や茶会など、市民も利用できる方法を検討します。市民が関わることのできる場と機会を提供することによって、主催者としてあるいは参加者としてさまざまな市民の来館が期待できます。
 管理運営を担う民間組織には、リピーターが確保できるような企画運営能力をもつことが期待されます。『初瀬ものがたり交流館』〔歴史資料館〕の立ち上がり期には、(仮称)NPOなばり(実行委員会)が中心となって、円滑な施設〔地元組織やまちづくり協議会が企画展示や施設管理に協力して、円滑な歴史資料館〕の管理運営に取り組みます。
また所有者より寄贈のあった乱歩生誕地碑に隣接する桝田医院第2病棟は、江戸川乱歩関連施設として整備を行い、『初瀬ものがたり交流館』との相乗効果を図ります。(この段落は時点更新とやらで追加されたものです。段落冒頭の一字下げがないのは原文のまま──引用者註)

 まったくまあここまでインチキかまして恥ずかしくないのかあほのみなさんや。大河漫才第四部「零落篇」(未発表決定稿)に──

「あほのみなさんが人のゆうことにいっさい耳をふさいでまちがったほうへまちがったほうへ突っ走ってくれまして」

 と書かれてるあほのみなさんや。

 おーい。あほのみなさーん。

 おーい。

 呼べど答えず。

 まあいいか。ていうか横道にそれすぎたか。とにかく名張市議会一般質問の話題です。くだんの質問で、

 「先般のまちなか再生の総会席上で、突然、建設を断念するとの関係部局からの説明があった」

 と指摘されていた事実はいったいどんなものなのか。

 じつは名張市のオフィシャルサイトに名張まちなか再生委員会2007年度総会のページがいつのまにかこっそり掲載されていて──

 「議事概要」という項目をクリックするとこんな PDF ファイルが開かれます。

 関連箇所引用。

議案第4号 平成19年度事業計画(案)について
 ※総会資料P10について、各プロジェクト・専門部会の代表者及び事務局より説明。

(議長からの確認)
○乱歩関連施設整備事業検討委員会(仮称)委員長の役員としての位置付けについて
 →(回答)委員長を受けますことに異論はございませんが、平成19年度の事業内容については、全く関与しておりませんので、事務局から御説明頂きまして、確認というかたちの流れにして頂きたいと思います。

(各委員からの意見・質問)
○乱歩文学館整備が、昨年度総会で確認・承認済みのため、平成19年度事業計画(案)では具体的な計画内容に文言を変更して頂きたいと思います。
○乱歩に関する整備事業の予算額、また、全体事業予算の中で、どのようなかたちになっているのでしょうか。
 →(回答)第1回目の乱歩関連施設整備事業検討委員会(H.19.2.1)を開催させて頂きましたが、結論には至っておらず、今日にきております。今後は、検討委員会とも協議をさせて頂きながら、市の方針も踏まえ、役員会にも諮っていき、色々論議もいたしまして、平成19年度に解体除却工事と跡地整備の実施設計ができるように取り組んでいきたいと考えております。また、予算関係でございますけど、乱歩に関する事業予算といたしましては、工事関係費なども合わせまして、全体で3,400万円の計画予算枠となっています。

○昨年度総会で承認され、乱歩文学館整備が、まず前提にあり、その規模・維持運営・予算の検討を行なう委員会という趣旨で設置されていますので、回答の論点が違っていると思います。
 →(回答)昨年度総会では、施設整備という承認を受けての検討委員会でございましたが、承認後、諸条件等ございまして、当初計画の見直しを余儀なくされたというところもございます。そのようなことから、承認時点での検討委員会という内容と、少し変わってきているのではないかということでございます。

(議長)
 乱歩関連施設整備事業検討委員会にかかる平成19年度事業計画(案)につきましては、質問と回答が、噛み合わないということになっております。この問題は、再生委員会の役員に委ね、役員間で、再度、詰めて頂き、要すれば、市長とも懇談を重ねて頂いて、結論を見い出して頂くということにさせて頂きたいと思います。

 うーん。あほ?

 いやまああほであることにはまちがいないんですけど、このあほのみなさんが、

 「乱歩文学館整備が、昨年度総会で確認・承認済みのため」

 なんて勝手なことおっしゃってるその根拠はいったい何なのかといいますと、さきほど来ご紹介申しあげてまいりました「時点更新」という眼もくらむほどのインチキであるわけです。ていうか、インチキでしかないわけです。

 それでそのインチキを根拠にして6月2日の名張まちなか再生委員会2007年度総会で茶番が演じられ、さらにその茶番にもとづいて6月13日の名張市議会定例会一般質問でも茶番が演じられたというわけで、月に二回もいったい何ばかなことをやっておるのか。

 どいつもこいつもあったま腐っとるのか。

 いやまあいいか。当面の目標は住民監査請求である。この未定稿の「名張市職員措置請求書」を書きあげて提出しなければならんのである。

 さて、きょうの午後にでも名張市役所へ行ってくるか。


 ■7月19日(木)
住民監査請求すっとこどっこい 

 朝から大騒ぎしてしまいました。パソコンのキーボード(ワイヤレスです)の調子が悪く、とうとう反応しなくなったので乾電池を交換しました(ワイヤレスですから)。ところがそれでも反応しません。大騒ぎしまくったあげくふと気がついてみれば、交換した四本の乾電池のうち一本だけプラスとマイナスが逆になっておりました。わずか電池一本のことで世界の意味が一変してしまうという稀有な経験をした朝でした。

 そんなようなことに時間を取られましたのであとは手短に済ませますと、きのう18日の午後、地域の名門三重県立名張高等学校でちょこっと用事を済ませてから地域のすっとこどっこい名張市役所を訪れました。名張市役所なんていまの私にとってはいつどこから石が飛んできてもふしぎではない危険地帯であるわけなのですが(いやもうかなり以前からそうだったわけですけど)、顔面に意味不明の絆創膏を貼っつけなくちゃならなくなるような事態に遭遇することもなく、三階にある監査委員・公平委員会事務局で住民監査請求に関するアドバイスを仰いできました。

 まず請求書の標題ですが、「住民監査請求の手引き」に様式として示されていた「名張市職員措置請求書」というのは一例にすぎず、そのまま踏襲する必要は少しもないとのことでした。ですから今回の場合は、

 ──名張市長に対する住民監査請求書

 みたいな感じでいいそうです。請求書の内容についてもひととおり説明を聞いてもらったのですが、結局は未定稿の請求書を事務局に預け、記されている数字や文言や事実関係などをチェックしてもらうことになりました。その作業にいささかの時間を要しますので、今週中に請求を行うことは不可能。事務局からは週明けに連絡が入ることになってますから、あとの流れはその連絡内容によって決まります。

 ほかに請求の証拠書類二点も事務局に預けてきましたし、大河漫才「僕の住民監査請求」を参考資料として提出することも可能だとのことでしたから、喜び勇んで四部作の未発表決定稿をすべて置いてきました。つまり提出を予定している文書のたぐいをみんな事務局に預けてきたわけで、きのうのところはすっとこどっこい名張市役所からすっからかんになって帰ってきたという次第です。

 以上、手短ながら報告終了。


 ■7月20日(金)
祝『江戸川乱歩小説キーワード辞典』刊行 

 てめーこら乱歩はどうしたんだこのやろー、とかいったお叱りのメールをあなたこなたから頂戴しないでもない昨今なのですが、住民監査請求にかまけて乱歩のことがほったらかしになっております。うーん。ごめんあそばせ。

 掲示板「人外境だより」で大熊宏俊さんに教えていただいた堀晃さんのブログ「マッドサイエンティストの手帳」で紹介されていた佐藤清彦さんのエッセイ「江戸川乱歩は二人いる」が掲載された「ジャーロ」2007年冬号もブックスアルデ名張本店に取り寄せを依頼してあったのがきのう届いたのですけれど、酔っ払って眼を通したら内容が結構複雑でよく理解できませんでした。しらふのときに読み直さなければなりません。ていうか、調査にかなりの手間をかけたとおぼしいこういう作品に編集部はもう少し紙幅の余裕を提供すべきではないのか。机上の空論をころっころころっころ転がしてるだけみたいなミステリ評論にとんと興味をもてない私はそう思います。まあミステリ小説にだってあんまり興味はねーんだけどよー。あれ。まだ酔ってるのかな。うーん。ごめんあそばせ。

 いっぽうこちらはどんなに酔っ払ってても圧倒されてしまうに相違ない大冊、平山雄一さんの『江戸川乱歩小説キーワード辞典』がついに出版されました。監修は新保博久さんと山前譲さん。とりあえず版元の紹介ページをごらんください。

 おめでたいところで本文が七百七十七ページ、きりのいいところで索引が百ページという文字どおりの大冊で、乱歩作品に登場する人名地名はいうにおよばずごく普通の一般名詞まで、手当たり次第に立項して解説を加えたうえそれがどの作品に出てくるのかを示した労作です。乱歩名彙の誕生を心から嬉しく喜ばしく思う次第です。

 つづきはまたあした。どうもごめんあそばせ。