RAMPO Entry 2009
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2009年4月29日(水)

書籍
宮野村子探偵小説選 I 論創ミステリ叢書38 宮野村子
3月30日初版第一刷 論創社
A5変型判 カバー 456ページ 本体3000円
著:宮野村子 叢書監修:横井司
解題 日下三蔵
解説 p445−456

 いまだに全容を窺い知ることのできない論創社の「論創ミステリ叢書」、三か月のインターバルのあと宮野村子の巻が出ました。巻末解説にはむろん、乱歩の名前が登場します。
 
解題

日下三蔵  

 江戸川乱歩が無名の新人・高木彬光の本格長篇『刺青殺人事件』を発表するために、雑誌と同じスタイルの「宝石選書」を発刊したのが四八年五月。表紙に著者名がなく、ただ「監修・江戸川乱歩」とのみ記されたトリツク的出版だったが、これは直ちに版を重ねるほどの好評をもって迎えられた。
 「鯉沼家の悲劇」はこのシリーズの第三弾に予定されていたようだが、乱歩の想定していた第二の本格長篇が現れず、結局、用紙事情の好転した『宝石』に発表されることとなった。四月号には高木彬光『能面殺人事件』、五月号には島田一男『婦鬼系図』(『錦絵殺人事件』)と続く長篇一挙掲載企画のトップを任されたのだから、先輩作家たちの宮野に寄せる期待には並々ならぬものがあったと思われる。

 
 この「解題」には、宮野叢子「鯉沼家の悲劇」を掲載した「宝石」昭和24年3月号に発表された乱歩の「『鯉沼家の悲劇』を推す」が全文引用されています。そして帯にはその抜粋。
 
 
 オンライン書店ビーケーワン:宮野村子探偵小説選 1
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