RAMPO Entry 2009
名張人外境 Home > RAMPO Entry File 2009 > 04-10
2009年6月19日(金)

書籍
文豪おもしろ豆事典 塩澤実信
4月10日初版 北辰堂出版
B6判 カバー 217ページ 本体1400円
著:塩澤実信
ひとり歩きした乱歩伝説
小文豪編 >
ガイド p124−125

 ごくわずかに欧米作家の名も見えますが、おおむね近現代の日本人作家を俎上に載せ、「大文豪」「小文豪」「文豪候補」の三種類に格付けして、見開き二ページでエピソードを紹介した一冊。総勢二百五十四人が登場し、乱歩は小文豪の扱い、エピソードはファンにはおなじみのものばかりです。冒頭を二段落ばかり引用。
 
ひとり歩きした乱歩伝説

塩澤実信  

 日本におけるミステリー小説の鼻祖・江戸川乱歩は、この極東の島国に推理文学をひろめ定着させた草分けであった。筆名は、アメリカのエドガー・アラン・ポーにあやかっていて、本名はまったく平凡な平井太郎だった。
 文豪夏目漱石の本名・夏目金之助と双璧をなすありふれた本名といえるが、この二人は後進を育て、斯界のレベルを高めた恩人だった。漱石は五十そこそこで死去したため、乱歩に較べると功績はやや劣るが、乱歩は、日本に探偵小説を拓き、海外のミステリーを紹介、基金を提供して自らの名前を冠した推理作家の新人賞を創設した。

 
 著者の略歴は『ベストセラー作家 その運命を決めた一冊』のエントリでどうぞ。
 
 北辰堂オンライン:文豪おもしろ豆事典
 名張人外境:RAMPO Entry File > ベストセラー作家 その運命を決めた一冊