茶臼山 東北尾根
右又出合  それって、何?と聞かれると、うーん、やっぱり言葉に詰まる。名張から北を眺めると、茶臼山からなだらかな尾根が東北の方向へ向かって続き、「梅が丘団地」に続いている。この尾根の事だ。
 里山の尾根、薮だらけ。たしかに私もそう、バカにしていた。その尾根で、私は方向を失った。今でもまさかと思うのだが、たしかに迷ったのであり、混乱させられたのだ。
 迷いはじめて30分、行きつ戻りつの挙げ句に、ようやく茶臼山への踏み跡を見つけた時には、緊張が一気にほぐれた。思わぬ拾い物をしたような、春の一日の出来事だ。
梅が丘団地の西南端から尾根がはじまる
右又出合  名張の盆地へ抜ける峠から、小さな社の脇を通り、竹やぶのなかを登ると、やや尾根はなだらかになり、送電線の鉄塔で視界がパッと開ける。この先は猛烈な薮で、尾根通しには進めないので、右手の古い踏み跡をとる。踏み跡は沢状となったところで途切れてしまい、再び左の尾根へ出る。このあたり、植林されている。
 尾根が細くなると、倒木が多くなり、じつに歩きにくい。
名張の町がよくみえるが、尾根が急になると、薮が濃くなり、位置確認がしにくくなる。傾斜が弱くなると、尾根は広くなって、右から支尾根が合し、ケモノ道が錯綜して、方向までわからなくなった。この地点で、すべての踏み跡のチェックをさせられ、茶臼への方向を見い出すのに、30分ほど迷ってしまった
右又出合 :尾根右側斜面には昔の仕事道らしい踏み跡があったが、沢状のところで突然なくなる
:ようやく茶臼山の表登山道起点、黒田の無動寺へ降り立つ。桜が満開であった