水 2 ---谷ごとの水の味
山の水の味にもかたい、柔らかいってのがある、というのは誰でも知っている。しかし、同じ山の谷の支流ごとに微妙な違いがあるということは、私なぞ凡庸人には理解を越えている。
が、それがあるんだな。これは信頼できる三重県飯高町近くの酒の蔵元の人から聞いた話。酒の水の選定をしているヒトが台高・蓮の宮の谷に入った時、高滝、風折の出合で大略つぎのようにのたまったそうだ。
「高滝の水はあまい、風折の水はかたい(またはその逆)」
ブラインドテストをしても実証できたそうだ。上流の落ち葉の溜まり具合や林相の微妙な違いが、水の味の違いを生むらしい。さすが水のプロ。(アマゴはどちらの味を好むんだろうか?)