山の貧民生活落穂集

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ラーメン話 1 -- または、一流と二流の違いについての考察

 学生時代、ある冬山前の季節、山の食糧計画をしていた時、こんな話が出た。(私は直接目撃していない)K大が2週間ほど黒部の壁(丸山東壁だったっけ?)に入るのだけど連中の食糧は、何と、でっかいビニール袋に入った「チキンラーメン(の砕いたやつ)」だけだったよ!
 私、思いました。うーん、面白いルートへ行く時はそれでも我慢できるけど、俺達みたいに、新人訓練みたいな冬山だと、それでは「ヤル気」なくなるよなあ。
 ふりかえって考えてみれば、行動計画そっちのけで、食糧計画が重要な(ウエイトの)山ばっかり登ってきたような気が....。

 ラーメン話 2 --棒ラーメンとモチベーション...

 食料のカサを少なくするには、ちぢれた袋麺より、棒ラーメンが便利だ。しかし、単にカサが低いだけ、味は別の話。食事のことを考えながら山を登っていると、モチベーションはもり下がる一方だ。目的地まで歩き通す気力が萎えてしまうのだ。それでもなおかつ、カサ低い方がよいのだ、という方には、マルタイ棒ラーメンがお勧めです。
(晩ゴハンを目標に山を歩くのは私の習い性なのだ。)

 
鋸岳貧尿事件

 ある年の冬山で、現役部員に食糧計画を任せた。
で、鋸岳のとあるルンゼ(熊穴沢左又支流だったか....)でビバーク中、出てくるラーメンがえらくネバついて、水分が少ない、というかほとんどない!。おいおい、なんでこんなスープが少ないねん?
新人いわく、装備の軽量化が課題でしたので、燃料も節約しました。したがって、これ以上雪を溶かす燃料はありません!

 冬山は朝晩の水分補給が大事だ、たっぷり水分を取らないといけないんだ、という常識は、我が部には引き継がれていなかったわけです。これもOBの責任。自らの不徳のいたすトコロ。
 翌日、年寄りから順番に貧尿状態に陥ったのは、言うまでもありません。

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高所でビールはご法度です! ---高山病にならないためにね

 スイスアルプスの山小屋(てことはスイス山岳会運営)に着いてからの愉しみは、なんたってワインとビールですね....と、つい最近まで思っていました。寝床を確保したらまっ先に、キッチンにむかって「バイスビール!」とか「リベラ、シトロン!」とか叫ぶのが快感でした。しかし、ビールは高度障害の原因なんですね。知らなかった。3000mをこえる山小屋のビールは、慢性頭痛持ち(高山病)にはダメなのね。がっかり。正確に言えば、炭酸ガスが入った飲料が悪いのですが。ある人から忠告されました、「あんた、体内に取り込んだ炭酸を中和するのに、どんどん酸素と水をショーヒするんですよ!そんなのジョーシキ!」。

 しかし、標高の高い所では、なぜガス入り飲料が欲しくなるのかな、麻薬みたいなものなのかな?
すぐ頭痛を起こしてパートナーにバカにされる私としては、3000m以上では、これからはワイン一筋にしなくちゃね。

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水 1 ---ガス入りはお好き?

 日本の山なら、上流にヒトが住んでいないかぎり、ほぼ山の水が飲料に使えるので今まで気にした事もなかったんですが、アルプスでは水を買わなくちゃいけません。水は一応タダの国、日本人としてはつらいものがあります。
 で、現地でよくやる失敗はガス入りのミネラルを買ってしまうこと。山の上で気が付いても後のまつり。高所では体に良くないばかりか、気が抜けてぬるくなったガス入りミネラルは涙がでるくらいまずいんだな、これが。MIGROS(スイス型生協組織)の飲料担当様にお願いです、ラベルに大きな字でガス入りって書いてちょーだい。

 
水 2 ---谷ごとの水の味

 山の水の味にもかたい、柔らかいってのがある、というのは誰でも知っている。しかし、同じ山の谷の支流ごとに微妙な違いがあるということは、私なぞ凡庸人には理解を越えている。

 が、それがあるんだな。これは信頼できる三重県飯高町近くの酒の蔵元の人から聞いた話。酒の水の選定をしているヒトが台高・蓮の宮の谷に入った時、高滝、風折の出合で大略つぎのようにのたまったそうだ。

 「高滝の水はあまい、風折の水はかたい(またはその逆)」

 ブラインドテストをしても実証できたそうだ。上流の落ち葉の溜まり具合や林相の微妙な違いが、水の味の違いを生むらしい。さすが水のプロ。(アマゴはどちらの味を好むんだろうか?)

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