大平谷本流 F4まで
大平谷は、高見北面で最も興味あるルートを提供してくれる。しかし、ただの薮沢だとなめてかかると手酷く思い知らされることだろう。危険な高巻きもあるので必ず複数で入りたい。単独行は禁物。氷が好きな人は、冬に入っても遊べるだろう。(ただし気温による)

*注意:大平谷は三軒屋、垣内地区の水源地となっている。汚物、ごみ等を遺棄したり、水源を汚染する行為は他の谷にも増して厳に慎むべきである。

大平谷入口の橋  中垣内と上流の上三軒屋の間に、平野川左岸から大平谷が合流している。出合いすぐ下流に立派な橋がかかっている。橋を渡ったところで、左の林道をとる。20分ほどで左に林道のある支流を分ける。分岐からは10分たらずで地区の浄水施設があり、ここから植林道になる。

大平谷入口の橋

浄水場先の山道  しばらく左岸ぞいに進み、谷を飛び石で渡り、右岸の山腹をイバラをかき分け捲き気味に進むと、谷はまた二分する。

浄水場をすぎ、山道に入ってしばらくで流れを渡り、右岸の山腹を行く

F1  左支流は北尾根へせりあがっているようだが、薮の多い凡流。ここはF1、4m滝がかかり、水流の多い右をとる。滝の右岸のブッシュに、急な捲き道があるので、これを利用して越える。谷はやや傾斜を増すが、まだまだ平凡な流れ。あたりは依然、植林帯の中だ。左岸の細いふみ跡をたどり、再度谷は2分する。左の谷は北尾根分岐付近に突き上げている。ここは消えかかった踏み跡を拾って右の谷へ入る。しばらくで、谷は急に狭まりだし、踏み跡は沢の中に消えてしまう。飛び石で谷中を遡ってゆくと、徐々にあたりは自然を取り戻してくるが、人が入らなくなって久しいのか、朽ちた倒木が散在して、大変歩きにくい。

大平谷本流F1。左手にかすかな巻き道がある。

F2  しばらくで前方が急に狭まると、二股の滝F2、6mに阻まれ、中央のシャクナゲの生えた岩尾根をブッシュ登りで越える。

F3 つぎに、再度ゴルジュ状となり、奥に10mの狭いF3、ネジレ滝がかかっている。直登もできそうだが、濡れるのを嫌い、ここはゴルジュ手前の右岸ブッシュ壁を念のためにロープを出して高捲く。左岸は捲かない方がよい、かなり奥まで高捲きさせられる可能性が大きい。掴むブッシュがことごとく腐っていてポロポロ折れるのにはまいった。だましだまし、30m登ると、古い水平の捲き道あとらしいところに出る。これをたどり、ゴルジュ帯をやりすごすが、途中で踏み跡は崩壊しており、いやな横断をさせられる。ゴルジュを越えた地点で、沢芯に戻ることができた。右に小沢が分岐しているところだ。この支沢については後述する。

大平谷本流F3。直登も可能に見えるが濡れるのを嫌って右岸を大きく巻く。ブッシュの岩場は脆いので要注意。

F4ゴルジュ入口  この先、本流は炭焼き釜跡をすぎると、かすかな踏み跡は不意になくなり、前方は水量はないが再度ゴルジュとなって奥がよく見えないF4に阻まれる。右岸からも急なルンゼが落ちてきている。

大平谷本流F4。ゴルジュ状となって急に傾斜を増す。ここで左へ支沢を分ける。本流をあくまでたどるなら左岸を大きく巻く必要があるが、悪い。

F4ゴルジュ 大平谷本流F4どんづまりの様子。両岸ゴルジュとなっている。

ここまで、初めてなら早い人でも1時間半はかかるだろう。