1997.
12.27 伊勢湾のザトウクジラ〜ヒトの種の保存
超水族館HPの水族館日記でも、報告しましたが、ここ2週間ほど、伊勢湾にザトウクジラが入ってきています。
ザトウクジラを知らない人は、友人の中村庸夫氏の写真集「クジラThe Gentle Giant」(平凡社)を是非ご覧下さい。世界中で読まれている本です。
ザトウクジラは、長いヒレと、迫力のあるブリーチング(ジャンプ)で、有名なクジラで、日本近海にもけっこういるのですが、10メートル級の巨大なクジラが、伊勢湾のような内湾に入ってくることは異常といっていいほど稀なことです。
以前に大型のクジラが伊勢湾に来たのは、今から15年も前のことで、コククジラが鳥羽湾に現れ大騒ぎになりました。
初めて聞くブホーッという潮吹きの音に、興奮したのを覚えています。
ザトウクジラといえば、スタートレック4で、未来の地球を救ってくれたのが彼らでした。
確か、過去に飛び立った宇宙人探査機が、中に収録されていたクジラの声を頼りに戻ってきて、クジラの絶滅している未来の地球を攻撃しようとしているのを、タイムマシンとなった宇宙船エンタープライズ号が、現代から未来へとザトウクジラを運び、事なきを得るというようなシナリオだったと思います。
未来にはクジラたちは絶滅しているんでしょうか?本当だったら嫌ですね。
しかし、クジラとヒトがまともに共存するのは、たいへん難しいことかもしれません。
私は個人的見解としては、管理さえされていれば商業捕鯨にはそれほど問題があるとは思っていないのですが、ヒトもクジラも自由にはびこったとき、海の資源は食い尽くされてしまうのではないかと感じるのです。そうなったら、ヒトとのエサの奪い合いからクジラが先に絶滅するでしょう。
ほとんど全ての動物は、他の生命の命を奪うことなく生きていくことはできません。
いくら相手に知能があろうとなかろうと、そのことに疑問を持ったら、ヒトは生命としての基本を失うことになるでしょう。
しかしながら、地球に限界があることもまた、忘れてはならないことです。
そう考えたら、今のように、ヒトという大型動物が異常に増え、しかも健康で長生きできるようになったことは、ある意味で不幸の種を作り出しているとも言えることです。
クジラとの共存を少し考えてみただけで、さまざまな生命との共存、最終的にはヒトという自らの種の保存が、英知を絞って考えなければならないことだと気付きます。
時々思うのですが、こんなに医学の発達した現代ですから、健康に長生きという術もさることながら、いかにエネルギーの消費量が少なくて済むヒトになることができるかなんて研究に、国際プロジェクトとしてまともに取り組んでもいいんじゃないでしょうか。
今の100分の1のエネルギーで暮らせたら、飢餓もエネルギー資源枯渇もほとんど問題ないでしょ。
でも、経済の発展が・・・とか言い出すと、そんな研究にお金出すところはないのでしょうね。
(写真できてきたら、貼り付けます)