AQ秘話97年12月分
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1997.12.28 28日行くよ (ともちゃん)

元のおじさん元気ですか
誕生日プレゼントの鳥羽水族館つあーがいよいよ明日になりました。
今度のTSAはスナメリさんがいっぱいでてて、感激でした。
この前のフォーカスも見たよ。
スナメリさんの食事の時間を篠原さんに教えてもらったよ。ありがと!
明日わくわく、どきどきしています。
スナメリの水槽の前で待っててね。
明日会いましょう。ゆうきちゃん、まどかちゃん、じいさん、ろむくん・・・・


Re>28日行くよ。
ともちゃん、ひさしぶりの鳥羽水族館はいかがでしたか?
スナメリは、ガラスごしに、人とにらめっこするのが好きだけど、たくさんの人が来てくれる日には、だんだんあきてきて、午後になると、あまりガラスのところに来てくれません。
ともちゃんが見に来てくれたときはどうでしたか?

 (地球流民)



1997.12.27 伊勢湾のザトウクジラ〜ヒトの種の保存

超水族館HPの
水族館日記でも、報告しましたが、ここ2週間ほど、伊勢湾にザトウクジラが入ってきています。
ザトウクジラを知らない人は、友人の中村庸夫氏の写真集「クジラThe Gentle Giant」(平凡社)を是非ご覧下さい。世界中で読まれている本です。
ザトウクジラは、長いヒレと、迫力のあるブリーチング(ジャンプ)で、有名なクジラで、日本近海にもけっこういるのですが、10メートル級の巨大なクジラが、伊勢湾のような内湾に入ってくることは異常といっていいほど稀なことです。
以前に大型のクジラが伊勢湾に来たのは、今から15年も前のことで、コククジラが鳥羽湾に現れ大騒ぎになりました。
初めて聞くブホーッという潮吹きの音に、興奮したのを覚えています。

ザトウクジラといえば、スタートレック4で、未来の地球を救ってくれたのが彼らでした。
確か、過去に飛び立った宇宙人探査機が、中に収録されていたクジラの声を頼りに戻ってきて、クジラの絶滅している未来の地球を攻撃しようとしているのを、タイムマシンとなった宇宙船エンタープライズ号が、現代から未来へとザトウクジラを運び、事なきを得るというようなシナリオだったと思います。
未来にはクジラたちは絶滅しているんでしょうか?本当だったら嫌ですね。

しかし、クジラとヒトがまともに共存するのは、たいへん難しいことかもしれません。
私は個人的見解としては、管理さえされていれば商業捕鯨にはそれほど問題があるとは思っていないのですが、ヒトもクジラも自由にはびこったとき、海の資源は食い尽くされてしまうのではないかと感じるのです。そうなったら、ヒトとのエサの奪い合いからクジラが先に絶滅するでしょう。
ほとんど全ての動物は、他の生命の命を奪うことなく生きていくことはできません。
いくら相手に知能があろうとなかろうと、そのことに疑問を持ったら、ヒトは生命としての基本を失うことになるでしょう。
しかしながら、地球に限界があることもまた、忘れてはならないことです。
そう考えたら、今のように、ヒトという大型動物が異常に増え、しかも健康で長生きできるようになったことは、ある意味で不幸の種を作り出しているとも言えることです。
クジラとの共存を少し考えてみただけで、さまざまな生命との共存、最終的にはヒトという自らの種の保存が、英知を絞って考えなければならないことだと気付きます。

時々思うのですが、こんなに医学の発達した現代ですから、健康に長生きという術もさることながら、いかにエネルギーの消費量が少なくて済むヒトになることができるかなんて研究に、国際プロジェクトとしてまともに取り組んでもいいんじゃないでしょうか。
今の100分の1のエネルギーで暮らせたら、飢餓もエネルギー資源枯渇もほとんど問題ないでしょ。
でも、経済の発展が・・・とか言い出すと、そんな研究にお金出すところはないのでしょうね。
(写真できてきたら、貼り付けます)

 (地球流民)



1997.12.24 構造を見抜く力 (いがらしさん)

(・・・前略)ということで、飽きちゃいましたので、サーフィンをしていました。
あっそうだ。地球流民のサイトをきちんと見てなかったなあ、ということで、どっぷり浸からせて頂きました。
いいですね。すなめりの声?
合体の部分にも痺れましたが、水族館NPOの話と、水槽を作らせながらの学習の話には、どきっとしました。
いつも頭では「こうあるべき」とか思っているだけの自分がいやになります。
「構造を見抜く力」は10歳まででだいたい完結する、とかずーっと言われていたのを実感しながらも、うまい伝え方がないなあ、などと言っている自分と、コミュニケーションを通して「構造」を子供たちに教えている地球流民さんがいるわけ。
現在、東北芸術工科大学で、端山教授のお手伝いをしています。授業もときどき教えます。
入ってきたときには、「あんまり優秀じゃない」学生たちが、情報デザインというコンピューターを道具として使う学習を進めるにつれて、頭の中に「階層」をつくってくるのです。

つりでも行こうか
えっどこに
そりゃー川だよ
どうして川なの
水がないとお魚もいないじゃない。だから川なんだよ。
川のどこ
石のうらさ
どうして
そこに魚が潜んでいるのだよ。

こういった何気ない会話をきちんと親子でしていると、こどもの頭の中に「階層意識」「全体の構造をみる力」が育つんだそうです。
(いがらしさん)



Re>構造を見抜く力>生涯学習は哲学 (地球流民)

学問って、実は「自分の存在」とか「生きること」とかを探求するために始まったもので、それが「哲学」ってやつだと思うのですよ。
そして哲学を極めるために、物理、数学、科学、歴史、文学なんて学問が開発されたのでしょう。
いがらしさんのおっしゃる、「全体の構造をみる力」っていうのは、まさしくその哲学のことではないかと感じました。
ところが存在や生命を探求する学問と、今の学校で学ぶ教科はまったく別物で、枝葉末節を覚えることに時間をつぶしています。
さらに、哲学という学問を学ぶのに、プラトンだとかアリストテレスだとかの生きていた年代を覚えてもしょうがないわけで、それよりも常に「何故?」「どうして?」と考えて、生きることに本当に必要なことを発見することこそが、本来であるだろうと思うのです。

そんな意味では、決まり切った答えを覚えればすむような受験教育よりも、自らの存在を探求できる生涯学習の方が、日々の学問としては大切なのではないか、なんて私は思いこんでいるわけです。
だから学習塾に使う、お金と時間の半分は、ぜひ鳥羽水族館へ使いましょう!(笑)

(地球流民)



1997.12.14 残酷な食事(it's磯ップ物語より)

超水族館HPの
水族館日記で紹介した、私が書いている「磯ップ物語」を掲載します。
「残酷な食事」

地球流民

 二人のラッコが、テレビでアマゾンの特集を見ていました。
たくさんのピラニアが、川を流れてきた動物の死体に群がっています。みるみるうちに動物は白骨化してしまいました。
「うわー!残酷な食べ方ね。私たち、アマゾンに住んでいなくてよかったわね。」女の子のラッコが言いました。

 次に紹介されたのは、ヘビがカワウソを食べるシーンでした。アマゾンにいるヘビはみんな毒蛇ですから、狙われたカワウソは咬まれたらひとたまりもありません。
 ヘビに体をぐるぐる巻きに絞められ、毒牙でとどめをさされて、カワウソはぴくぴくと息絶えます。ヘビはそれを頭から丸飲みするのでした。
「ひゃー!こっちの方が残酷だよ。ぼくらの仲間が、ヘビなんかに丸飲みにされるなんて見ちゃいられない。なんて残酷な食事なんだ」
 男の子のラッコが両手で目を覆って叫びました。

 番組が終わったので、ラッコたちは食事の時間にすることにしました。
 今日は美味しそうなカニが捕れたようです。
「私はね、カニに鼻を挟まれるのが嫌だから、まずハサミをもいじゃうのよ。」
「ぼくはね、お腹の上から逃げだそうとするから、まず足をもいじゃうよ」
 ラッコたちのお腹の上で、ハサミをもがれたカニと、足をもがれたカニは、まだ生きたまま、食べられるのを待っています。
「さっきのテレビ、残酷だったね」
「うん、ピラニアもヘビも大嫌いよ。」
 ラッコたちは、残酷な食事の話しに夢中になりながら、哀れなカニに食らいつきました。

 (地球流民)



1997.12.13 バックヤードツアー(三重大生)

なんと2週間も更新していませんでした。
もう、みなさんから見捨てられているかもしれませんが・・・。

今日はバックヤードツアー(水族館の裏方見学ですな)なんてのをしました。
普通これは飼育係のメンバーがやってくれるのですが、今日は私が講師をしている三重大学人文学部の学生たちだったので、いっちょやってみるかと相成ったわけです。

最近バックヤードツアーには、ツアー客の耳にインストラクターの声を無線で直接届ける新兵器を導入していて、騒音の中でも多くの人を案内できるようになっているのですが、今回は41人もの参加。
思ったよりもしんどかった。(普通は25人が限界なのです)

特にヘビのように長くつながる後ろの人が、迷路のようなバックヤードではぐれると、1週間ぐらい出て来れないかもしれないし、マイナス25度の冷凍室に一人くらい閉じこめ忘れてきたのではないかと心配したり、やっぱりバックヤードというのは飼育スタッフの仕事場なのだと今更ながら実感したのでした。

また、動物がいたり、エサをつくる場所は、すべて足を消毒液につけなくては入れないのですが、それをひとり一人やっていると、まあ時間のかかること。
それでも、さすがにみんな入試を終えたばかりの1年生で、しかも学割とはいえ1200円の入館料を払って、校外実習にも来ようかという学生たち。
けっこう熱心に見学してくれたのは嬉しいものでした。

 (地球流民)



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