2004年1月
●1月1日(木)

 どちらさまもご健勝にて新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。

 去年今年貫く棒の如きものとして、例の掲示板で新年のご挨拶を申しあげてまいりました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/01(Thu) 10:22 No.105
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:謹賀新年

 あけましておめでとうございます。ボブ・サップ対曙の世紀の凡戦も終わりを告げ、とうとう2004年が始まってしまいました。芭蕉さんは行けるのか。伊賀の蔵は開かれるのか。今年はいったいどんな年になるのでしょうか。

 さて、新年早々あれな話題で恐縮ですが、私の昨日付投稿に関するお詫びと訂正を投稿いたします。私はきのう、──

 ●金様

 いきなり金様と記しながらいったいどこの金さんなんだか私にもよくわからぬのですが、とにかく金さんが私に会いたいとおっしゃっている由を承りました。しかし金さん、人を介して私に会おうなどと、そんなまあ何ですか日本の田舎の、たとえば二〇〇四伊賀びと委員会の莫迦が考えそうなことはなさらぬのが賢明でしょう。私に用事がおありでしたら、私のサイトからメールを送信していただくか、それとも電話帳で調べて私にお電話をいただくか、とにかく直接ご連絡ください。いくらでもお会いいたします。

 ──と記したのですが、昨日さっそく金さんからお電話を頂戴し、私が金さんのことを誤解していたという事実が判明しました。その点のお詫びを以下に記します。

 昨日の投稿からもおわかりいただけるとおり、私は誰か人に会うに際して別の人間の仲介を恃みにするような態度を好ましいものとは考えておりません。ところが二〇〇四伊賀びと委員会の関係者からはこれまでに、誰々さんが中さんに会いたいといってますよ、みたいなことを耳打ちめいて伝えられることが一再ならずありましたので、いい加減辟易しておりました。会いたいというのなら電話一本かけてくれば済む話ではないか。それをこそこそこそこそおまえらいったいどういう了見だ。そんないじいじうじうじしたことばかりやってる連中が何が官民合同だ、何が全国発信だみたいなことを日ごろから思っていたところへ、金さんのことをお知らせいただいたという次第です。

 おかしいな、と私は感じました。金さんとおっしゃるからにはたぶん中国の人なんだろうと推測されましたが、中国の人がどうしてこんなムラ社会めいた手順を踏んで(きのうの投稿にある「そんなまあ何ですか日本の田舎の」うんぬんというあたりにはムラ社会めく手続きへの批判と、何より二〇〇四伊賀びと委員会が色濃く帯びているムラ社会性への揶揄がこめられております)私に会おうとされるのか、という点に少しく不審の念を抱いたのですが、まあいいや、とも思いました。相手がどなたであろうとも、会いたいといってくださるのであればいくらでもお会いしますし、喧嘩を売りたいとおっしゃるのであればいくらだってお相手するだけの話です。

 なんてこと考えて投稿いたしましたところ、その日のうちに金さんからお電話をいただき、私はたいへん嬉しく思いました。二〇〇四伊賀びと委員会の関係者からはこれまで、私の批判や提案あるいは揶揄や挑発に対してこんなに素早く反応していただけたことは一度もありません。二〇〇四伊賀びと委員会が死人のように無反応な組織であるということはこの掲示板にも如実に示されていますからこれ以上喋々することはいたしませんが、こうした無反応ぶりはひとり二〇〇四伊賀びと委員会のみならず、三重県庁の知事室、県議会事務局、生活部あたりにも共通しているものであるということだけは、みずからの経験から得た現時点での結論としてここに記しておきたいと思います。

 さて、金さんから電話でお聞きしたところでは、私に会って話がしてみたいと発言されたことはおありだそうですが、人を介して私に会いたいなどとは、金さんはいっさい口にしていらっしゃらないとのことです。それはそうだろうなと私は納得いたしました。先にも記しましたとおり、私は中国の人とムラ社会性との齟齬を最初から感じておりましたし、また電話でお話をしただけで、金さんがムラ社会性とは無縁な方だということがよく了解されました。私に会ってみたいとおっしゃった金さんのご発言が、二〇〇四伊賀びと委員会というムラ社会の住人たちによる伝言ゲームの過程でムラ社会的に歪められていったというのが実際のところでしょう。

 といった次第ですから、私のきのうの投稿のなかに金さんのお人柄に関して閲覧者の誤解を招く文言があったことを認め、それが事実ではなかったことを明記したうえで、あの投稿によって不快な思いをなさったであろう金さんに心からお詫びを申しあげる次第です。確たる裏づけもなく伝言ゲームの伝言を鵜呑みにしてしまった私が莫迦でした。ご閲覧の各位にもお詫びを申しあげます。

 そんなこんなで金さんは、私にとって2004年最初の新しい知己、近くお会いしてご挨拶を申しあげることになっております。二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはいざ知らず、私にとっては2004年もなんだか面白い年になりそうです。

 以上、お詫びと訂正をメインとして新年のご挨拶を申しあげました。本年もよろしくお願いいたします。

 年末から年始にかけてのお休みは家にひきこもってホームページを更新するのにうってつけの時期なのですが、それにしてはなんだか遅々としております。とりあえず最新情報や番犬情報をご確認いただいて、本年もひきつづきご愛顧をたまわりますようお願い申しあげます。


●1月2日(金)

 最近ではお役所批判サイトだと勘違いしていらっしゃる向きもあるようですが、名張人外境は天下御免の乱歩系サイトです。

乱歩改題考「地獄の饗宴」

 それが証拠に年賀メールで乱歩に関する質問をお寄せくださった方がありました。頂戴したメールから質問の部分を引用いたします。

ところで、
下記アドレスのヤフーオークションに出品されている「別冊 娯楽世界」の目次画像に
「幻想怪奇 地獄の饗宴 (山名文夫画)江戸川乱歩」という項目があるのですが、
この「地獄の饗宴」と題する作品を「名張人外境」をはじめ
あれこれと検索してもデータが見つからないのですが、
これはどういう作品でしょうか?

↓こ ち ら↓
http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b44409831

別に内容が知りたいというわけではないのですが、
いくら検索してみても見つからないというのが少々悔しいので、
よろしければ収録書名などをご教示下さい。
新年早々、こんなお願いで申し訳ありません。
お手隙の折にでもお願いいたします。

このメールをご覧になった時にはオークションが終了しているかもしれないので、
目次の画像を添付いたしました。

 なんのなんの。年の始めのためしとて、乱歩系サイトさっそくばりばりと稼働いたします。

 とりあえず画像をご覧いただくことにして、これが表紙、これが目次。いずれもオークションのページから無断転載したしろものですが、昭和24年に発行された「別冊娯楽世界」第一集《大衆花形傑作小説十一人選》という雑誌のものだそうです。

 インターネットで「娯楽世界」を検索してみると、天下無双の「横溝正史エンサイクロペディア」のこのページで、昭和24年発行の「娯楽世界」二巻一号に横溝正史が「お高祖頭巾の女」という作品を発表していることが知られます。しかし不明にしてこれまで耳にしたこともない雑誌ではあり、発行所もまた不明です。

 ともあれ「別冊娯楽世界」第一集、そのラインナップはと見てみると、吉屋信子、邦枝完二、竹田敏彦、野村胡堂、田村泰次郎、西川満、野口百介、鹿島孝二、それからなんと神田伯竜、三角寛と来て、さてどん尻に控えているのが江戸川乱歩の「地獄の饗宴」という寸法。

 結論から申しあげますと、この「地獄の饗宴」は乱歩の旧作を改題して収録したものだと推測されます。

 似たようなケースとして昭和27年、「花形倶楽部」という雑誌に「お勢登場」が「不倫の芝居」と改題されて掲載された例が確認されており、詳細は本サイト「人外境奇談」(このコンテンツも更新が滞っておるわけですが)第十一話「不倫の芝居 江戸川乱歩執筆年譜補遺(その四)」にまとめてありますので、お暇でしたらご覧ください。

 とにかく乱歩が「地獄の饗宴」という小説を執筆した事実はないはずで、むろん代作ないしは偽作という可能性もないではないのですが、やはり旧作の改題と見るのがもっとも自然ではないかと思われます。

 だとすれば、原題は何か。

 「地獄の饗宴」というタイトルだけに基づいてごくいい加減に推測いたしますと、たぶん「踊る一寸法師」あたりだろうなと目星は簡単につくのですが、現物を見てみないことにはこれ以上のことは申しあげられません。

 オークションのページでこの「別冊娯楽世界」を注文すればいいようなものなのですが、どうすればいいのか勝手がわからず手をこまねいてしまいました。まあ私は、こんなオークションの作法には通暁したくないなとも思っている次第なのですが。こんなこといってていいのかしらとも思う次第ではあるのですが。


●1月3日(土)

 新年も三日目を迎えました。休養日といたします。それではまたあした。


●1月4日(日)

 きのう会った知人から、「東さんが幻想掲示板に乱歩の著書目録のことを書いてくれてましたよ」と伝えられました。東さんというのはもちろん、編集者にしてアンソロジストの東雅夫さんのことですが、さっそく閲覧してみるとこんな具合で紹介していただいておりました。

 「例によって、徹底したデータ調査と周到を極める索引類、検索に便利な二色刷りの本文レイアウトによって、さまざまなクロス・レファレンスが可能な乱歩研究必携ツールに仕上がっております」というのはたいへんありがたいお言葉で、さっそくお礼の投稿をと思ったのですが、二日酔いのせいか精神的水位がおおきに低下しており、「幻想的掲示板2」に投稿するだけの勇気が奮い起こせません。いやまいったな。ここでお礼を申しあげておきます。どうもありがとうございました。

 思いついて、検索エンジン Google で「江戸川乱歩著書目録 名張市立図書館」を検索してみるとこんな具合で、鷲田小彌太さんの Web 日記「読書日日」を拝読してびっくり。「贈呈されたのか、なにも書かれてはいない」とありました。送付状を同封せずに『江戸川乱歩著書目録』をお送りしてしまったようです。いやまいったな。お正月が明けたら鷲田さんにメールでお詫びを申しあげることにいたします。

 さあ、きょうもぼんやり休養しようっと。


●1月5日(月)

 あっというまにお正月が終わってしまいました。何もできませんでした。たぶん2004年もまたあっというまに終わってしまい、何もできませんでしたと振り返ることになるのだろうと思います。いやまいったな実際。


●1月6日(火)

 2日付伝言に記した「地獄の饗宴」の素性が判明しました。ある方からメールでお知らせいただきましたので、ご教示に深謝しながら関連部分を引用いたします。

手元にあるメモを見てみますと、「地獄の饗宴」は、やはり旧作の改題であり、原題は「鏡地獄」のようです。その他にも改題されたものには、探偵実話(昭和29年新春特大号)の「黄金狂」(何者)や傑作倶楽部(昭和29年3月号)の「屋根裏の道化者」(屋根裏の散歩者)などもあるようです。

 地獄という言葉が使用されていますから「鏡地獄」かなと考えないでもなかったのですが、饗宴という言葉に引きずられて「踊る一寸法師」だろうと踏んでしまい、とんだ赤っ恥をかいてしまいました。まだまだ修行が足りません。

 さて、名張市立図書館はきょう6日から平常どおり業務を行いますが、私はあすの夜に七草粥を食してようやく体調が平常どおりとなる見込みです。本日も軽く流して失礼いたします。


●1月7日(水)

 新年も7日となりました。

いい加減にしろ山猿ども

 例の掲示板に下記のとおり投稿してまいりました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/07(Wed) 08:27 No.108
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:いい加減にしろ山猿ども(仮題)

 ●二〇〇四伊賀びと委員会の皆様

 どんなお正月をお過ごしだったでしょうか。私は今夜、伝統の七草粥を食することによって、心身ともにへろへろになったお正月モードから日常モードへの復帰を果たす予定です。永遠に復帰してくるなとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、本年もよろしくお願いいたします。

 さて、昨年末にお知らせいたしましたとおり、地域雑誌「伊賀百筆」の誌面において「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の批判をフルスロットルで展開いたすべく、同誌編集兼発行人の北出楯夫さんにきのう電話であれこれお訊きしてみました。北出さんによると、次号の発行は3月を予定しており、私が事業批判を寄稿しても何ら差し支えはないとのことでした。ありがたやありがたや。

 ついでですから、「伊賀百筆」でこの事業を特集してはどうかと差し出がましい提案をお伝えしてみたところ、編集部サイドでは特集を企画しており、二〇〇四伊賀びと委員会にもそうした意向を伝えてあるのだが、委員会サイドがまったく無反応なので企画がいっこうに前進しない状態であるとの由でした。困ったものだと思っております。

 まあ特集が実現してもしなくても、私の原稿は掲載していただけるはずです。タイトルは「いい加減にしろ山猿ども」にしようかなと考えております。困ったものだとお思いでしょうか。

 ●芭蕉さんのファン様

 ご無沙汰いたしました。年が改まっても体質は改まらず、2004年にもこの掲示板では死人のごとき無反応がつづきそうな塩梅です。困ったものだと思っております。

 お尋ねの「草いろいろおのおの花の手柄かな」の件、検索エンジン Google で「芭蕉 レーガン」を検索してみると、大変態の誉れも高い山崎拓先生のページが一番先にひっかかってきて、ロナルド・レーガン氏が1985年に来日し、国会で演説したときの舞台裏をそのページで知ることができます。ただし山崎先生はこの句と民主主義を結びつけるというなんとも無謀な解釈をしておいでですから、真に受けぬようご注意ください。アドレスは下記のとおりです。

http://www.taku.net/voice/show_text.php3?ID=6LAzW

 しかしほんとに七草粥ごときで日常モードに復帰できるのでしょうか。


●1月8日(木)

 さーて、お正月気分から脱却して日常モードに復帰しました。

 とはいえやってることにはたいして変わりがないみたいで、例の掲示板は本日こんな感じです。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/08(Thu) 08:45 No.111
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:人間は妄想する葦である

 ●管理人様

 どうもご苦労さまです。ご厄介をおかけしております。投稿を削除していただくのはこれが二度目ですが、削除三度で投稿禁止、みたいなルールを設定されてはいかがでしょうか。呵々。ともあれ、お手数をおかけして恐縮しております。

 以下、妄想に入ります。

 ……また削除されてしまった。しかしどうも解せんな。「伊賀びと委員以外の第3者に対する不適切な表現が含まれていました」というのが削除の理由だそうだが、それなら「大変態の誉れも高い山崎拓先生」と書いたきのうの投稿も同じく不適切な表現ではないか……これが削除されないということは、山崎拓先生は二〇〇四伊賀びと委員会公認の変態であるということか。公認というと選挙みたいだが……そうか。選挙か。山崎先生は去年の衆院選で一敗地に塗れ、次の衆院選まで待てないから参議院に鞍替えしたいとの意向を漏らされたとも伝えられるが、あの話はいったいどうなったのだろう。もしも今夏の参院選に山崎先生が出馬されるのであれば、二〇〇四伊賀びと委員会が公認してさしあげてはどうか……二〇〇四伊賀びと委員会公認、山崎拓。よーし。二〇〇四伊賀びと委員会の知名度もこれで一気に全国区だ……いや。いかんいかん。うっかり忘れておったが、われらが伊賀には参議院議員の斎藤十朗先生がいらっしゃるではないか。参議院議長もお務めになった斎藤先生のことだ。衆議院から参議院へ安易に鞍替えするような態度には、おそらく難色をお示しになるだろう。参議院はなんといっても良識の府なのだからな……良識の……

 ……それにしても不可解なのは削除のタイミングだ。104番は12月31日の、105番は1月1日のいずれも朝のうちに投稿したものだが、それが削除されたのは7日午前11時ごろのことだ……年末年始の休み期間中は掲示板管理者が管理に携われない状態であったとしても、仕事始めの5日朝には削除が行われて当然ではないか。年始の業務開始から丸二日以上経過してから削除がなされたというこのタイムラグは、いったい何を意味しているのか……可能性はいくつか考えられるが、7日午前に誰かから事務局に対して削除の依頼があったと考えるのが自然ではないか。だとすればそれはいったい誰か……金さんか。たしかに104番と105番には俺が金さんにあてて書いた同文の投稿が掲載されていたのだから、金さんから削除依頼があったと見るのが合理的なのかもしれない……だが、それはおかしいのだ。先日金さんにお目にかかって三時間ほどお話ししたとき、金さんは削除のことなどひとこともおっしゃってなかったのだからな……しかしあれだな。俺と金さんが三時間ほど「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業のことを喋っていたと教えてやったら、二〇〇四伊賀びと委員会の連中はいったいどんな顔をするのかな……それにあれだぞ。金さんだって「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の関係者でいらっしゃるのだから、完全な第三者とは呼べないはずだぞ……

 ……別の可能性を探ってみよう。ともに金さんへの呼びかけが書き込まれた104番と105番が削除されたのだから、削除の原因はほかならぬ金さんへの呼びかけだろうと普通は考える。だが、本当の原因は別にあるのではないか……端的にいえば、削除依頼があったのは104番だけで、105番はカモフラージュのために削除されたのではないか。なにしろ105番で俺は、金さんにあてた104番の書き込みを再掲載し、金さんに関する事実誤認を認めたうえで、金さんに対する謝罪を記しているのだ。もしも104番だけが削除され、105番がそのまま残っていたとしたら、金さんへの呼びかけが原因で削除されたのではないことが誰の目にも明らかになってしまう。その結果、削除の原因が104番の投稿のなかでかなり絞り込まれてくるではないか……絞り込まれてはまずい。削除の原因を曖昧にしたい。閲覧者の眼を眩ましたい。そう考えたあげくの苦肉の策が、105番もいっしょに削除してしまうことだったのではないか……

 ……掲示板管理者が誤って106番の投稿まで削除し、のちに再掲載していることも見逃せない。これは単なるミスだろうか。それとも掲示板管理者の動揺を示すものだろうか……かりに心の動揺がもたらした不手際だったのであれば、掲示板管理者が経験したのは削除の依頼や要請といった生やさしいものではなく、きわめて高圧的な削除命令であったと考えるべきではないか……だとすれば削除を命令したのは……いやまさか……まさかそんなはずは……

 以上、妄想でした。私の灰色の脳細胞が紡ぎ出した根も葉もない妄想ですから、お気になさいませんように。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、日常モードに復帰したんだから、去年一枚もかけなかった(というか、2日にメールで発注して6日に印刷屋さんから届けてもらった)年賀状、そろそろ書き始めようかな。


●1月9日(金)

 新年早々なんだかばたばたしております。

 例の掲示板はこうなっております。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/09(Fri) 09:12 No.113
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:妄想だと申しあげましたのに

 ●管理人様

 どうもお世話さまです。

 いやそれにしてもまいったな。当方の妄想にここまでおつきあいいただけるとは思っておりませんでしたし、だいたいが私は管理人の方への質問を投稿したわけでもありません。妄想を文章化した内的独白に出てきたのは質問ではなくあくまでも疑問であり、そんなに律儀に(それは実際、当方の妄想が過たず正鵠を射ていたのかと勘違いしてしまうほどの律儀さなのですが)お答えいただかねばならぬ筋合いのものでは全然ありません。質問するならするで、これまでにもそうしてきたとおり、箇条書きにしたうえで、イエスかノーかに類するようなできるだけ回答しやすい形の質問を投稿するのが私の作法です。

 それから、これもまたいまさら喋々する要もないことながら、私は自分の投稿が削除されたことに異議を申し立てているわけではありません。以前にも記しましたが、削除その他に関する管理人の方のご判断は尊重いたします(ただし、盲従いたします、と申しあげているわけではありません)。それが投稿者の義務だと思っております。どうぞご安心ください。それにしても余計な気をつかわせて、おおきにお手数をおかけしてしまいました。今度お酒でもおごりますから、きょうのところはどうぞご勘弁ください。

 ところで、私はなぜ妄想を投稿したのか。妄想という言葉が大袈裟すぎるなら、推測という言葉に置き換えましょう。私の推測を要約すれば、年末から年始にかけてこの掲示板に示された事実(この場合の「事実」には、掲示された文面以外に投稿および削除の日付や時刻も含まれます)に基づいて判断すると誰かから強力な削除命令がなされた可能性が浮かびあがってくる、といったことになります。もちろん単なる可能性です。投稿から削除までのタイムラグや私の投稿内容などの要素を恣意的に、というよりは作為的に結びつけてゆくと、1月7日午前に削除命令が伝えられたというひとつのストーリーを組み立てることが可能です。むろん邪推といえば邪推、ダイアナ妃謀殺説みたいな話に過ぎませんから、私はその可能性を妄想と呼んだ次第です。

 ただし可能性に過ぎないとはいえ、私の投稿の削除を命じた人間が存在している可能性が少しでもあるのなら、ここはひとつ軽くかましておいてやらねばならんな、と私は考えました。おまえら陰でこそこそ小細工したってすべてお見通しだ、文句があるなら直接俺にいってこい、みたいなことをさりげなく伝えるために、私は敢えて妄想を記したわけです。こういうのを世間では独り相撲と表現しているようですが。

 それならばなぜ私は、この掲示板に圧力をかけてくる人間(そんな人間が存在しているとすればの話ですが)への示威に踏み切ったのか。答えはいたって簡単です。私はまあ、名張市立図書館のカリスマだの伊賀地域を代表する知性だの三重県最後の良心だの、世間からいろんなふうに呼ばれておりますが、ことこの掲示板に関しては、というよりはこと今回の事業に関していえば、私こそ「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の守護神にほかなりません。守護神なんですから、この掲示板を不正な圧力から護るのは私にとって当然の責務です。

 ところで三重県職員のみなさん。われらが野呂昭彦知事は5日の年頭挨拶で何とおっしゃいましたか。中日新聞オフィシャルサイトに掲載された紙山直泰記者の記事によれば──

 野呂昭彦知事は五日、県庁での年頭あいさつで、今年は熊野古道の世界遺産登録や松尾芭蕉の生誕三百六十年記念に当たることから、歴史や文化にちなんだ新観光施策を展開する考えを示した。

 県民が主役の県政を掲げる知事は、幹部職員約八百人を前に「しっかりと県民の方を向いて仕事をしてほしい」と、住民サイドに立った施策の実行を職員に呼び掛けた。県政への県民参加の促進に向け、知事が唱える県政の理念「新しい公」を実現するために、職員に意識改革の必要性も促した。

http://www.chunichi.co.jp/00/mie/20040106/lcl_____mie_____004.shtml

 ──とのことです。

 伊勢新聞オフィシャルサイトの記事によれば──

 県庁仕事始めの五日、野呂昭彦知事は年頭あいさつに臨み、「前例踏襲にならず批判眼を持ち、県民にしっかり顔を向けた県政を進めてほしい」と呼び掛けた。

http://www.isenp.co.jp/news/_2004/0106/news02.htm

 ──とのことです。

 毎日新聞オフィシャルサイトの記事によれば、野呂知事は──

 1月にシャープ亀山工場が操業開始するなど、今年はいろいろな取り組みが花を咲かせるだろう。県政を取り巻く状況は大変困難な課題が山積している。県庁は優秀な職員がたくさんいるが、仕事ぶりを見ていると、私の一言一句に気を回しすぎて一体どっちを向いているのかと感じる。県民にしっかり顔を向けていってほしい。

http://www.mainichi.co.jp/area/mie/news/20040106k0000c024003000c.html

 ──とおっしゃいました。ほんまにみなさん、あんたらどっち向いてんの?

 県職員が県民にしっかり顔を向けることを知事はお望みです。そしてそれは、私が「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に関して、それはもう口が酸っぱくなるほど指摘してきたことでもあります。逆にいえば、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんは終始一貫して地域住民にお尻を向け、県民局なんだか県庁なんだか知りませんが、いずれにしてもお役所にばかり顔を向けて尻尾を振っていらっしゃるとしか見えません。

 おまえらいったいどの口でこれは官民合同事業でございますなどとほざけるのだ山猿ども、と私は思い、なんとか地域住民のほうに顔を向けてもらいたいものだと考えて、二〇〇四伊賀びと委員会に対して批判や提案や叱咤激励や悪口雑言や罵詈讒謗を思いきり投げかけてきたわけですが、これもまた守護神の務めにほかなりません。

 ところが二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんと来た日には、この守護神を徹底的に無視していったい何を考えてんだか。守護神いまや開いた口がふさがらぬ状態なのですが、しかしまあいいでしょう。心配するな山猿ども、おまえらには俺がついてる、と申しあげておきましょう。それが一番心配でんにゃわ、とお猿さんたちはいうのかな。

 そういえば、じつはこの守護神は野呂知事からも無視されており、いやまあただの雑音としては認識していただいているらしく、……とひきつづき知事へのお説教を記す段とはなったのですが、あいにく時間がなくなってしまいました。つづきはあしたということにいたします。

 それではまたあした。


●1月10日(土)

 まず嬉しいお知らせを一件。

 文源庫発行の月刊誌「遊歩人」1月号で、芦辺拓さんに名張市立図書館の江戸川乱歩リファレンスブック3『江戸川乱歩著書目録』をご紹介いただきました。

 ただの紹介ではありません。「特集・2003年 厳選“この逸品”」にとりあげていただきました。ある意味去年のベストワンということだと勝手に解釈して、こいつは春からと大喜びしております。芦辺さんにはこの場でお礼を申しあげます。どうもありがとうございました。

君は新しい公を動かせるか

 例の掲示板には本日も守護神が降臨しました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/10(Sat) 09:29 No.115
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:守護神でございます

 守護神は本日も降臨いたします。

 さっそくですがきのうのつづき、野呂知事へのお説教です。知事へのお説教は「伊賀百筆」で全面展開する予定なのですが、新聞で報道された知事の年頭のご挨拶にひとかたならぬ興味を覚えましたので、いささかを記すことにした次第です。

 報道によれば知事は次のようにおっしゃいました。

 「しっかりと県民の方を向いて仕事をしてほしい」

 「前例踏襲にならず批判眼を持ち、県民にしっかり顔を向けた県政を進めてほしい」

 「県庁は優秀な職員がたくさんいるが、仕事ぶりを見ていると、私の一言一句に気を回しすぎて一体どっちを向いているのかと感じる。県民にしっかり顔を向けていってほしい」

 知事が唱える県政の理念「新しい公」を実現するために、職員に意識改革の必要性も促した、とも報じられております。「新しい公」のことなら、昨年12月25日の「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業推進委員会の席上、知事の口から私も直接お聞きしました。その報告を私は、自分のホームページに──

 知事はまず、三重県が策定を進めている「県民しあわせプラン」という総合計画に触れ、このプランでは多様な主体性をもった人たちが協働して市町村や県を担ってゆく「新しい公」という考え方を示しているが、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業はそうした「新しい公」のモデルケースになるものと期待している、とおっしゃいました。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/DE/dengon-200312.html

 ──と記しました。「新しい公」という知事のお考えは、私なりに認識できているつもりでおります。住民との協働で「新しい公」を実現するためには県職員がしっかり県民に顔を向ける必要がある、と知事はお考えであり、それゆえ年頭のご挨拶でもその点を強調されたのであろうと理解しております。

 さてそのあと、私はホームページの報告に──

 知事はつづいて、事業推進委員会に関して「組織のあるべき姿としてこれがいいと判断している」との見解をお示しになり、事業に関しては「どのような『新しい公』の担い方があるのかを探るモデルケースとして、市民の主体性を活かし、力を充分に活かしていただくことを期待している。いろいろな考え方があるなかで、このイベントを通じて『伊賀はひとつ』という全体としての姿を見せていただきたい」と述べられました。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/DE/dengon-200312.html

 ──と記してあります。

 と引用して、私は目の前が真っ白になるのを覚えました。

 顔から一気に火が噴き出すような感覚に襲われました。

 ない。

 がーん。

 あれがない。

 がーん。がーん。

 あれがないではないか。

 がーん。がーん。がーん。

 大事な言葉がないではないか。

 がーん。がーん。がーん。がーん。

 ご閲覧各位は私が何をタイポグラフィックに周章狼狽しているのかと首を傾げておいででしょうが、私はとんでもないミスを犯しておりました。そのことにいま気がつきました。

 じつは私は、いま引用した文章のなかの「組織のあるべき姿としてこれがいいと判断している」という知事のお言葉を、「これまでの経験に立って、組織のあるべき姿としてこれがいいと判断している」だと思い込んでいた次第です。「これまでの経験に立って」というのはむろん知事のお言葉そのままではないでしょうが、とにかくそういう意味のことを知事がおっしゃったと思い込んでおりました。思い込んでいたというよりも、げんにそのように記憶しております。

 ですから私は、「新しい公」のモデルケースとなるべき事業の組織がおおむね経験則にのみ依拠して結成され運営されるのはいかがなものか、「新しい公」を実現するのであれば組織そのものも過去の事例以外の観点から見直されてしかるべきではないか、「前例踏襲にならず批判眼を持ち」という知事のお言葉はそのままこの組織に当て嵌められるべきなのではないか、などといった批判を蛇のごとくねちねちと展開し、歌の文句じゃないけれど、「新しい公」をいま動かせるのは、古い水夫じゃないだろう、さのよいよい、みたいなことを書いてやろうと手ぐすね引いていたのですが、批判の論拠にしようと思っていた文言が実際には存在していなかったという次第です。

 あーまいった。

 まいったまいった。

 心の底からまいってしまった。

 どうして知事のあのお言葉を報告にきちんと記しておかなかったのか。案じますにおそらく、初めて耳にした「新しい公」という言葉と前例墨守や経験則などとの関係性が、私の頭にその時点ではピンと来なかったということなのでしょう。なんたる不覚か。まだまだ修行が足りません。横山ホットブラザーズを範として、おーまーえーはーあーほーかー、とみずからを戒めたいと思います。

 そんなこんなでとんだ大恥をかく仕儀となりましたが、まさか自分の記憶にある知事のお言葉をいまごろ引っ張り出してきて批判の根拠とするわけにはまいりません。そんなアンフェアなことは守護神にはできません。守護神の魂が許しません。知事へのお説教を記しますという前言を撤回し、この話題はこれまでといたします。記憶のみに基づいて要らざる言葉の数々を並べ立てましたこと、野呂昭彦知事をはじめとした関係各位に心からお詫び申しあげます。どうも相済みません。

 ところで、県民に顔を向けるという知事のお言葉は6日行われた知事の定例会見でも話題になったようで、三重県オフィシャルサイトにはそのやりとりが──

(質)昨日の職員への年頭挨拶の中で、県職員は優秀だが、ややもすると知事の顔を向き過ぎるきらいがあると、県民に顔を向けてくれということなんですけども、具体的な事例、なんかエピソードはないですか、知事に顔を向いて仕事をしている事例。

(答)具体的にというよりも、8カ月以上経ってまいりましたから、その間に県庁の職員の皆さん、私がこういう記者会見の時に申し上げていたり、あるいはいろんなところでご挨拶したり、あるいは講演したりというようなことがありますが、そういったことまで含めて、かなり気を遣って、それをこれからの県政のいろんな形を作っていくときに、盛り込んだりしてくれておりますね。そういう意味で非常にいろいろ優秀であるし、いろいろ気を遣ってくれているなということも感じます。しかし、そんなことよりも、やはりそれぞれ優秀なんでありますから、それぞれが持てる能力で一所懸命考えてもらって、仮に私と違う意見があったって、それは大いに議論をすればいいと、こう思っております。そういう意味では、必ずしも私に合わせてほしいなど思っているわけではありません。しかし、私としては見過ごすことのできないことはそれはストップをさせたり、方向を変えるということは、しなければならないときは、これは口出しをいたします。しかし、ぜひ知事に顔を向けて仕事をやるんではなくて、県民に向けて仕事をやってほしいということ、そのことを昨日はやや強調してああいう形で表現して申し上げたということです。

http://www.pref.mie.jp/KOHO/gyousei/teirei/040106.htm

 ──と記録されています。

 知事は「私としては見過ごすことのできないことはそれはストップをさせたり、方向を変えるということは、しなければならないときは、これは口出しをいたします」と述べていらっしゃいますが、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に必要だったのは、北川県政によってレールが敷かれたこの事業を無批判にそのまま継承することではなく、まさに「ストップをさせたり、方向を変える」ことも念頭に置いて見直すことだったはずであると、私にはあらためて思い返される次第です。

 みたいな批判は「伊賀百筆」で全面展開する予定なのですが、ひたすら知事に顔を向け、いやいや、ありていにいってしまえばご機嫌を損じないようひたすら知事の顔色をうかがいつづけ、知事にあてた私の手紙やメールをおそらくは闇から闇へと葬り去ってくれた県庁知事室のみなさんにはまことに申し訳のないことながら、みなさんが私の言を素直に受け入れて(つまり私という県民にしっかり顔を向けて、ということです)、たとえば私が知事に会いたいとお願いしたときにその機会を設けてくれてさえいれば、知事も「伊賀百筆」でこっぴどく叩かれることにはならなかったでしょう。

 知事は「仮に私と違う意見があったって、それは大いに議論をすればいい」とお考えなんですから、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に関する私の意見をお聞きいただき、そのうえで私と「大いに議論」していただくことは、僭越ながら知事にとってもきわめて有益ではなかったかと思われる次第です。いまから申しあげても詮方ないことですが、いやそれにしても惜しまれますなあ。

 ●管理人様

 やりましょうやりましょう。新年会をやりましょう。仰せのとおり割り勘で、上野でやることにいたしましょう。どこか行きつけのお店はおありでしょうか。ごく少人数で、むろん鬱陶しい上司なんかには内緒にして、ただし県民局のお姉さんたちにはできるだけお運びいただいて、ぜひ新年会をやりましょう。これ決定。私はたぶんいつでもかまいませんので、日程と会場を適当に段取りしていただければ幸甚です。

 それから第三回伊賀の蔵びらきクイズのお知らせ、どうもありがとうございました。とはいえ私は、昨年秋に伊賀学講座の講師を相務めましたおり、三重県の俳句募集事業をとりあげて、賞品の伊勢エビ目当てに俳句送ってくるような連中を相手にする必要があるのか、みたいな疑義を呈した記憶がありますので、青蓮寺いちご目当てにクイズに応募することはできません。守護神の魂が許しません。それに、どうせ俺が応募したってみんなで寄ってたかって当選させないくせに、とも思われますし。クイズのことは当方のホームページでも告知しておきますので、よろしくご了解いただきますようお願いいたします。

 そういった次第ですから、左の人外告知板に第三回伊賀の蔵びらきクイズの告知を掲げました。乱歩ファンはクイズを解いて青蓮寺いちごをゲットしよう。

 応募に際しては、「伊賀の蔵びらき楽しみにしてます」ですとか、「あんな名張のバカになんか負けないで。応援してまーす」ですとか、「名和さんのファンです。芭蕉さんの着ぐるみ姿はいつ見てもうっとりします」ですとか、ちょっとしたメッセージを添えていただくと当選確率が高くなるかもしれません。間違っても「いつも中さんにお世話になっております」などとはお書きになりませんように。


●1月11日(日)

 乱歩原作のテレビドラマ「乱歩R」は乱歩ファンに喜びと不安を与えながらあす12日に放送が始まりますが、初回のみ午後10時30分からの放映となります。きのう「乱歩R」のスポットCMを見ていて気がつきましたのでお知らせする次第。二回目以降は午後10時からの放送です。

 さて、新年も本日で十一日目となりましたが、年が明けても景気のいい話はいっこうに聞こえてまいりません。市制施行五十周年の輝かしかるべき年を迎えた名張市も、やっぱりぱっといたしません。

 9日金曜には名張市長の新春記者会見が開かれたのですが、日刊紙地方版で報道されたのは市職員の削減という暗い話題だったりいたしました。

 中日新聞オフィシャルサイトから伊東浩一記者の記事を引きましょう。

名張市、新規採用見合わせ

6年間で職員100人の削減目指す

 名張市の亀井利克市長は、九日開いた新春会見で、市の厳しい財政状況を乗り切るために、新年度から六年間、一般職の新規採用を基本的に見合わせる考えを明らかにした。定年退職者などによる減員と合わせ、六年間で百人の大幅な職員削減を目指すとしている。

 市は昨年度の普通決算で、財政が借金返済によって脅かされている度合いを示す公債費比率が19・5%と、県内十三市の中で最も悪いなど財政硬直化が深刻。厳しい財政状況の中で、今後、消防庁舎やごみ焼却場建設などの新規事業に取り組むには、思い切った人件費削減が必要としている。

 市の職員総数は現在、約八百五十人。新年度からは六年間で九十四人の定年退職予定者がいる。これに途中退職者が出ることも加味して、百人の職員削減目標を設定。

 亀井市長は「退職者不補充による自然減で、目標は達成できる」とし、退職者が出ても新規採用者で補充しないことによって、この間に約七億五千万円の人件費削減が図れるという。

http://www.chunichi.co.jp/00/mie/20040110/lcl_____mie_____001.shtml

 何が税金の無駄づかいだといって無能きわまりないお役人衆の人件費に勝る税金の無駄づかいはないのではないかと思われる次第で、私は昨年秋に上野市内の会場で伊賀学講座の講師を相務めましたおりにも、憲法を改正するより先に公務員制度を改正しなければこの国に未来はない、みたいなことを申しあげたのですが、よく考えてみたらば公務員制度を改正するより先に全国で自治体破綻が相次ぎそうな雲行きです。

 ほんとに暗い話題ですな実際。

 強いて明るい話題を探しますと、これも市長の年頭会見で正式にアナウンスされたことですが、豊島区と名張市が乱歩の縁で文化交流都市提携を結ぶことになり、3月31日の名張市制五十周年記念式典で調印式が行われます。

 豊島区と名張市のゆかりは一昨年の「探偵講談、乱歩を読む。」池袋公演に始まるもので、文化交流都市提携なんてものが実現するのも探偵講談を公演してくださった旭堂南湖さんと南湖さんのことを教えてくださった芦辺拓さんのおかげであり、名張市もこのお二方にはそれなりのことをしなければならんだろうなと私は思うのですが、名張市役所のお役人衆はいったいどのようにお考えなのかな。


●1月12日(月)

 地域雑誌「伊賀百筆」に「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)と題した「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業批判を寄稿するべく、と申しましても一から原稿を書くわけではなく、これまでに事業事務局とやりとりしたメールやこの伝言板と例の掲示板に発表した文章などをコラージュして昨年6月から12月までの波瀾万丈のゆくたてを一本の記事にまとめるつもりでいるのですが、順を追ってコラージュしてみると6月と7月だけで百二十枚(こうした場合の一枚は四百字詰原稿用紙で一枚ということですが)を突破してしまいました。

 これはいかん。二か月で百二十枚なら12月までの七か月で四百二十枚になる計算です。いくらなんでも長きに過ぎますし、それに「伊賀百筆」への寄稿には掲載料が必要で、規定には「投稿される方は、四百字詰原稿用紙一枚につき七〇〇円(但しワープロ原稿FD持込の場合は四百字詰に換算して一枚につき五〇〇円、写真は一枚につき一〇〇円)をご負担ください」とありますから、四百二十枚ならフロッピーディスクその他でテキストデータを提供しても二十一万円になってしまいます。

 むろん私とて、名張市立図書館のカリスマとしての、あるいは伊賀地域を代表する知性としての、さらには三重県最後の良心としての社会的責務は重々弁えており、だからこそごみ大爆発の三重県と合併大分裂の伊賀七市町村が深い考えもなくなあなあのご町内感覚でくりひろげるなんちゃってイベント「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に天誅とも呼ぶべき批判を加えている次第なのですが、それにしたって二十一万円も支払うのはさすがにあほらしく、当初はまあ百枚くらいの見当でいいかと考えておりましたので、かなり絞り込んで百枚すなわち掲載料五万円程度の線で抑えることにしたいと思います。

 さーあ。天誅じゃ筆誅じゃ誅罰じゃ。天に代わりて二〇〇四伊賀びと委員会の不義を討つのじゃ。野呂昭彦知事の耳に思いきり雑音を叩き込んでやるのじゃ。「第13号の原稿締切りは平成16年1月31日到着分までとさせていただきます」そうじゃから、さっそく作業にかかるのじゃ。


●1月13日(火)

 「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業をテーマとして地域雑誌「伊賀百筆」に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)は、やはりかなり切り詰めないことにはとても百枚に収まらぬことが判明しました。

 本筋には無縁なことながら話に彩りを添えるために盛り込むつもりだったエピソード、すなわち新宿は花園神社横のスナックで四十六歳子持ちバツイチのお姉さんに振られた話とか雨の京都で女子高生四人組と仲良くなった話とかは涙を呑んで割愛し、犬と散歩しながら練ったあれこれのネタもすべて泣く泣く捨て去って、ただただ事実関係の説明に追われて枚数を消化しております。とても芸人の書いた文章とは思えません。やれ困った。

伊賀びと委員会の真実に迫れ

 例の掲示板ではこんなお願いをしてきました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/13(Tue) 08:27 No.116
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:守護神のお願いです

 ●管理人様

 お世話さまです。地域雑誌「伊賀百筆」第十三号に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)を鋭意執筆中の守護神です。「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)では二〇〇四伊賀びと委員会のみなさん全員のお名前をご紹介申しあげたいと考えておりますので、このサイトの「伊賀びと委員会の紹介」に基づいて委員五十七人と参与二人、計五十九人の名簿を下記のとおりつくってみました。

【上野市】池澤基善、田中愛一郎、辻村勝則、中村伊英、中盛汀、堀光一、本城善昭、増田雄、光岡亜希子

【名張市】岡中恵、勝田俊昭、菊山賢二、北村嘉孝、玉置治郎、中孝、長川精孝、的場敏訓

【伊賀町】冨山善夫、中川甫、山下典子

【島ヶ原村】岩佐絹枝、南出ゆかり

【阿山町】植松恵子、藤林峰夫

【大山田村】上田操、桃井隆子

【青山町】大田節子、下猶茂樹、萩原雅也

【鈴鹿市】南部美智代

【津市】安保雅司、中山恵里子、松田克彦

【松阪市】山口高弘

【伊勢市】高橋徹、中川勝博

【白山町】庄山徹

【小俣町】新開祐史

【紀伊長島町】中井孝佳

【兼事務局】木戸博、安藝政比古、浅生孝彦、上田富和、大西雅士、木村月美、三枝澄生、信田信行、杉野京太、豆本圭基、峠美晴、名和健治、服部亮子、廣まき、藤原恵、古川明郎、山下敦志、米倉卓

【参与】高杉勲、山本仁

 掲載にあたってはこの名簿に民間委員、三重県職員、伊賀地域七市町村職員の別を明示いたしたく、ご多用中まことに恐縮ですが、委員の方それぞれに関して三者のうちいずれなのかをお知らせいただきたく存じます。

 また、「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)では事業推進委員会のみなさんもあわせてご紹介申しあげたいと考えておりますので、委員全員のお名前と役職とをお教えいただきますようお願いいたします。

 ご教示は、この掲示板にご投稿いただいても私宛にメールをお送りいただいても、あるいは新年会の席上で直接お知らせいただいても、ご都合に適った手段をお選びいただければと思います。よろしくお願い申しあげます。

 さあ天誅じゃ天誅じゃ。天誅組はきょうも行くのじゃ。


●1月14日(水)

 「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)は削っても削っても長くなります。人外境主人伝言録の記事を四百字詰原稿用紙のフォーマットに流し込んでみると毎日結構な分量の駄文をこの伝言板に書きつけてきたことがあらためて認識され、こんなことばかりやっておっていいのかと疑問に思いつつ例の掲示板ではこんな質問をしてまいりました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/14(Wed) 07:33 No.118
[53.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:守護神の質問です

 ●管理人様

 お忙しいところ早速のご教示をたまわり、ありがとうございました。質問や要望に速攻でお応えいただくのはじつに気持ちのいいもので、生きる希望が湧いてくるようです。

 さて民間委員の件ですが、官民合同事業を手がける委員会における民間委員とは、その事業に民の視点、民の感覚、民の発想、民の手法といったものを盛り込むことを期待された民間の人たちを指すのが一般的で、お役所にお勤めの人たちは民間委員にはなり得ないと私は理解しております。「三重県はじめ自治体職員の方」でありながら二〇〇四伊賀びと委員会で民間委員を務めていらっしゃるみなさんに、民の立場からの事業参画はとても望めないのではないでしょうか。それでは民間委員とは呼べないように思います。

 「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に関係する組織はじつに複雑な様相を呈しており、まあ組織を複雑にすることで責任の所在を曖昧にしてしまうのはお役所の常套なのですが、それにしてもまことに複雑でわかりづらく、そのうえ二〇〇四伊賀びと委員会の内部においては公務員を民間委員と称するような詐欺まがいの行為が平然と行われていると来ては、この事業はますます地域住民の共感を得られないものになり果ててしまうでしょう。いやこれはまあ余談なのですが。

 余談ついでに附記しておきますと、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんにはちゃんと謝金が出るにもかかわらず一般の事業提案者はまったくの手弁当でそれぞれの事業に参画しなければならない、という点を批判していらっしゃる方も世間にはあるようです。これはむろん事業提案者にも謝金を出せという趣旨の批判ではなく、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはいったい何様なの、謝金もらえる立場かよおまえら、といった批判なのであろうと推測される次第です。いやどうも余談ばかりで申し訳ありません。

 話を本筋に戻して、別の角度から質問いたします。民間委員は公募によって選ばれたと記憶しておりますが、下記の民間委員のみなさんのうち公募を経て委員に就かれた方はどなたでしょうか。それともうひとつ、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に業務として携わっているかどうかは別にして、下記のみなさんのうち県および市町村職員の方はどなたなのでしょうか。

【上野市】池澤基善、田中愛一郎、辻村勝則、中村伊英、中盛汀、堀光一、本城善昭、増田雄、光岡亜希子

【名張市】岡中恵、勝田俊昭、菊山賢二、北村嘉孝、玉置治郎、中孝、長川精孝、的場敏訓

【伊賀町】冨山善夫、中川甫、山下典子

【島ヶ原村】岩佐絹枝、南出ゆかり

【阿山町】植松恵子、藤林峰夫

【大山田村】上田操、桃井隆子

【青山町】大田節子、下猶茂樹、萩原雅也

【鈴鹿市】南部美智代

【津市】安保雅司、中山恵里子、松田克彦

【松阪市】山口高弘

【伊勢市】高橋徹、中川勝博

【白山町】庄山徹

【小俣町】新開祐史

【紀伊長島町】中井孝佳

 また余談を記しますと、私は別に排他的なことを申しあげるつもりはないのですが、二〇〇四伊賀びと委員会の民間委員として鈴鹿市、津市、松阪市、伊勢市、白山町、小俣町、紀伊長島町の方が十人も名を連ねていらっしゃるのは、一般住民の目にはやや不自然なことに映るのではないかと思われる次第です。

 二〇〇四伊賀びと委員会に関してはほかにもお訊きしたいことがあるのですが、本日はとりあえずこのへんで失礼いたします。よろしくお願い申しあげます。

 天誅ってやつもなかなか大変みたいです。


●1月15日(木)

 衝撃の(というほどでもありませんが)事実が判明いたしました。

乱歩代作考「疑問の戦死者」

 まずは『新青年』研究会の谷口基さんからいただいたメール全文を、ご本人のご了解をいただいてご紹介申しあげます。

中相作先生

 あけましておめでとうございます。『新青年』研究会の谷口でございます。旧年中は何かと御指導を賜りありがとうございました。

 年あけ早々から『乱歩百物語』を楽しませて戴いておりましたところ、「疑問の戦死者」という魅惑的なタイトルにブチあたり、ほくほくしておりました。小生、「戦争と××」という文学テーマは大好きなので一心不乱に読み耽っていたのですが、中盤にさしかかったところで、「これは牧逸馬が『生きている戦死者』というタイトルで紹介したハンガリーの犯罪実話ぢやないか」と思い当たりました。巻末の解説によると、これは乱歩名義の代作であるとのこと。これにも仰天いたしました。小生の狭隘な知識では、井上勝喜なる人物がその代作者であるか否かの判断はかないませんが、この「実話」が牧逸馬が『世界怪奇実話』中の一編として発表した「ベラ・キス」の事件(戦後は黒沼健先生が『驚異物語』といういかがわしい御本の中で触れていらっしゃいましたね)を日本を舞台に翻案(?)したものであることは確実かと存じます。もっとも中先生は、そのことはとっくにご存じかと思われますが、年頭のご挨拶に代えて、恥を忍んでメールを差し上げます。既知の情報でございましたら、ゲストブックにはお載せ下さいませんよう、伏してお願い申し上げます。

 それでは本年も宜しく御指導、御鞭撻の程をお願い申し上げます。

 谷口さんのご指摘は「乱歩百物語」第十七話「疑問の戦死者」に関するもので、これは牧逸馬の「生きている戦死者」に基づいて執筆された作品に相違ないとのことなのですが、中相作先生はそんなことちっとも知りませんでした。まったく頼りにならぬ先生です。

 そういえば、と思って手に取ったのが、昨年12月に出た光文社文庫『牧逸馬の世界怪奇実話』。島田荘司さんの編になる「世界怪奇実話」傑作選です。買ったままろくに眼も通していなかったのですが、ぱらぱらひもといてみると「生きている戦死者」が「ブダペストの大量女殺し──生きている戦死者」と改題されて収録されているのがわかりました。

 あわてて走り読みしてみた結果、たしかに「生きている戦死者」は「疑問の戦死者」の元ネタであったにちがいないと了解されました。思いついてインターネットで検索してみたところ、毎度おなじみ「宮澤の探偵小説頁」のこのページで「生きている戦死者」の発表年が1930年、すなわち昭和5年であることも判明しました。

 「疑問の戦死者」は「実話雑誌」の昭和6年6月号に掲載されていますから、年代的にも矛盾なく符合します。乱歩名義で発表された「疑問の戦死者」の代作者は「生きている戦死者」が掲載された「中央公論」を横に置き、せっせとペンを走らせていたのではないかと推測される次第です。といった事実は「乱歩百物語」に近く追記しておくことにいたします。

 わざわざお知らせいただいた谷口さんにあらためてお礼を申しあげます。ちなみに附記しておきますと、『新青年』研究会の浜田雄介さんが2002年9月16日の日本経済新聞に発表された「誌面に薫る昭和モダン」、誌面のコピーをファクスでお送りくださった方があり、遅ればせながらきのう拝読いたしました。『新青年』研究会の軽やかにして粘り強いご活動に期待しております。

 さて私はと申しますと、名張市立図書館のカリスマでありながら「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の守護神でもあるという二面性を日々生きており、こうなったらいっそ伊賀盆地の両面宿儺の名をほしいままにしてやろうかとも愚考しているのですが、例の掲示板は本日こんな塩梅で。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/15(Thu) 08:50 No.121
[170.44.112.219.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:みなさんどうぞいらっしゃい

 ●管理人様

 どうもお世話さまです。おかげで面白くなってまいりました。掲示板にはこういった応酬があってしかるべきだと思います。ご多用中、何かとお手数をおかけして心苦しいかぎりですが、今後ともよろしくお願いいたします。

 しかしそうですか。やはり二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはこの掲示板をご覧になっていらっしゃいましたか。ご覧になってないはずがないとは踏んでいたのですが、この掲示板で初めて委員の方の声に(むろん管理人の方を介してですが)接することができました。まことにありがたいことだと思っております。

 振り返りますれば昨年10月の開設以来、この掲示板に「伊賀びと」の姿が現れることは絶えてありませんでした。強いて申せば昨年12月に「マイ食器での参画どう思いますか?」を投稿された「04伊賀びと委員 ひなたぼっこ」さんが、この掲示板に登場された唯一の「伊賀びと」でいらっしゃったでしょうか。ほかの閲覧者の方からもさまざまに呼びかけや提案の投稿があったのですが、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはそれを目にしながらずーっと黙っていらっしゃったのね。へーえ。へーえ。へーえ。

 そしてそれらの委員の方のなかには「自分の時間を費やして参画しているのであるにもかかわらず、職業が公務員であるという理由で個人名をあげて掲示板や伊賀百筆上で中傷を受けるおそれがある」とおっしゃる方がいらっしゃるそうで、この掲示板で初めて接した委員の方の声が図らずも私から中傷を受けることへの懸念であったとは、当方の不徳の致すところにしてじつにどうも恐縮至極ではあるのですが、問うに落ちず語るに落ちるとはこのことでしょうか。

 なんとも情けないと申しあげるしかない懸念を胸にこっそりご閲覧の二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんには、どうぞご心配なく、と申しあげておきましょう。私がみなさんを中傷することなど絶対にありません。

 そもそも中傷っていうのは「根拠のない悪口を言い、他人の名誉を傷つけること」(大辞林第二版)なんです。私はこれまで二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんに対して、質問や批判や提案や罵倒は幾度となく重ねてまいりましたが、根拠のない悪口なんぞ申しあげた憶えはありません。私の批判には、いや罵倒にさえ、ちゃんとした根拠が存在しております。それに二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんに、果たして名誉なんてものがあるのかな。いやいや、言葉尻をとらえるようなこといっちゃってどうもすいませんですね。

 それから、「プライベートで一生活者として参加しているこれらの方々に対し、公務員であるから民間委員とは呼べない、というご意見には私は同意いたしかねます」との仰せですが、あんまり甘ったれたことはおっしゃらぬが賢明。こうした官民合同組織において公務員でありながら民間委員を務めるのがどれだけ大変な行為か、もう一度よくお考えいただければと思います。おわかりでしょうか。官民合同組織の内部で官と民とが鋭く対立した場合、公務員でありながら最後まで民の立場を貫ける方がいったいどれだけいらっしゃるのか。

 みたいなことをもう少し具体的に、当事者の方にお訊きしてみましょうか。

 ●三重県職員であると同時にプライベートで一生活者として二〇〇四伊賀びと委員会の委員をお務めの皆様

 「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業推進委員会を例に挙げて、具体的にお訊きします。私はこんな委員会、まったく不要なものだと思っております。単なる形骸に過ぎないと見ております。昨年12月25日の事業推進委員会を傍聴して、自分の考えに間違いはないと確信するに至っております。こんな組織を存続させるのは税金の無駄づかいにほかなりませんし、二〇〇四伊賀びと委員会の自立性や主体性が大きく損なわれつづけることにもなります。事業の趣旨にも歪みがもたらされるでしょうし、行政のスリム化や権限移譲なんて絵に描いた餅だということを三重県がみずから明言しているような組織だとも判断されます。

 さてここで質問です。

 「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業推進委員会は必要だとお考えでしょうか。それとも不必要だとお考えでしょうか。

 どうぞお答えください。

 そして、必要だとお考えの方は、その理由をお教えください。どうか私を納得させていただきたい。もしもご説明が首肯しうるものであれば、私にはいつでも自説を訂正する用意があります。

 不必要だとお考えの方は、さあいったいどうなさいますか。不必要な組織は存続させておくべきではありません。すみやかに解散させるべきでしょう。そのために何をなさいますか。私ならまず事務局に解散へ向けての働きかけを要請します。それでも埒があかないようだったら、事業推進委員会の会長である知事に働きかけます。みなさんはどうなさいますか。

 いかがですかみなさん。そこまでおやりになるとおっしゃるのであれば、つまり一介の三重県職員の身で知事に意見を具申することも辞さないとおっしゃるのであれば、みなさんは公務員でありながら立派に民間委員の立場を貫いたということになると思います。しかしみなさん、知事にばかり顔を向けてちゃ駄目じゃないのとほかならぬ知事からお叱りを受けていらっしゃるみなさんに、そんな真似ができるのかな。そこまで根性据えて委員をお務めなのかな。私にはとてもそんなふうには見えないわけなんですが。

 と申しますか、みなさん要するにご町内の親睦行事に一枚噛むような軽い気持ちで事業に参画なさっているだけで、事業の本質に眼を向けたこともなければ官と民との対立なんてものにもまったく無関心、公務員にして民間委員であるという鋭い対立を孕んだみずからの立場を深くお考えになったこともないように私には見受けられる次第で、あげくの果ては自分が三重県職員であるというのは職業に関わる個人情報だから公表されては困るんですうー、といらっしゃいましたか。どいつもこいつも気はたしかか、と思わざるを得ません。

 とにかくまあ、問うに落ちず語るに落ちてこの掲示板をご閲覧であることが明らかになった三重県職員であると同時にプライベートで一生活者として二〇〇四伊賀びと委員会の委員をお務めのみなさんには、上記の質問にお答えいただくことを要望いたします。さあどうするどうする。みなさんに名誉なんてものがかけらでもあるのなら、一度くらいはご投稿をどうぞ。

 ここで附記しておきますと、私が「伊賀百筆」に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)では、二〇〇四伊賀びと委員会と事業推進委員会の双方の委員全員のお名前をご紹介申しあげるつもりでおります。よろしくどうぞー。

 ●管理人様

 質問ばかりで申し訳ないのですが、また教えていただきたいことが出てきました。私は二〇〇四伊賀びと委員会の民間委員はすべて公募で決定されたと思い込んでいたのですが、そうではないのでしょうか。二〇〇四伊賀びと委員会の発足が2002年8月だということは事業事務局長から教えていただいているのですが、私はこの発足を控えて公募が行われ、委員が選ばれたものだと思っておりました。

 ところがきのうのご教示では、たとえば上野市と名張市を例にとって話を進めますと、

【上野市】中盛汀、堀光一、本城善昭、増田雄

【名張市】岡中恵、中孝、長川精孝

 上記の方が公募による委員とのことで、そうしますとそれ以外の民間委員の方、

【上野市】池澤基善、田中愛一郎、辻村勝則、中村伊英

【名張市】勝田俊昭、菊山賢二、北村嘉孝、玉置治郎、的場敏訓

 この方々はどういった経緯で二〇〇四伊賀びと委員に就任されたのでしょうか。いまごろになってこんなことをお訊きするのはみずからの不明を公言するようなものでお恥ずかしいかぎりなのですが、よろしくお願いいたします。

 さーて。何がさーてなんだかよくわかりませんが、とにかくさーて、といったところです。


●1月16日(金)

 光文社文庫『牧逸馬の世界怪奇実話』に収められた「ローモン街の自殺ホテル」について記そうかと考えていたのですが、時間がなくなったのでやめときます。乱歩ファンはぜひお読みください。乱歩のある短篇とのちょっとした符合にお気づきになるはずで、その先は自由に妄想していただければと思います。

 さて、きょうもきょうとて例の掲示板にてご挨拶。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/16(Fri) 09:07 No.126
[106.1.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:二〇〇四伊賀びと委員会の真実に迫る

 ●管理人様

 お答えありがとうございました。

 ここで整理しておきますと、二〇〇四伊賀びと委員会における民間委員の内訳は下記のごとくになります。

 ▽A──公募による委員(十五人)

【上野市】中盛汀、堀光一、本城善昭、増田雄

【名張市】岡中恵、中孝、長川精孝

【伊賀町】冨山善夫、山下典子

【島ヶ原村】南出ゆかり

【阿山町】植松恵子

【大山田村】上田操

【青山町】下猶茂樹、萩原雅也

【津市】安保雅司

 ▽B──県および市町村が委嘱した委員(二十四人)

【上野市】池澤基善、田中愛一郎、辻村勝則、中村伊英、光岡亜希子

【名張市】勝田俊昭、菊山賢二、北村嘉孝、玉置治郎、的場敏訓

【伊賀町】中川甫

【島ヶ原村】岩佐絹枝

【阿山町】藤林峰夫

【大山田村】桃井隆子

【青山町】大田節子

【鈴鹿市】南部美智代

【津市】中山恵里子、松田克彦

【松阪市】山口高弘

【伊勢市】高橋徹、中川勝博

【白山町】庄山徹

【小俣町】新開祐史

【紀伊長島町】中井孝佳

 なお、きのうの投稿で例に挙げた上野市の委員名から光岡亜希子さんのお名前が脱落しておりました。お詫びいたします。光岡さんごめんね。

 さて、県および市町村が上記Bの方々に委員を委嘱するにあたって、いったいどんな選出基準が設けられていたのでしょうか。「市民活動などいろいろな分野でご活躍されている方々」は伊賀地域にもたくさんいらっしゃいますから、それを二十四人に絞り込むのはさぞや大変な作業であっただろうと思われます。しかも二十四人中九人までが伊賀地域以外にお住まいの方ですから、この九人の方々は伊賀地域でご活躍のみなさんも及ばないような実績や成果を残していらっしゃるのであろうと想像され、伊賀地域住民の一人としてまことに心強く思う次第です。なーんか嫌みったらしいですけど。

 ところで閲覧者諸兄姉は、私がいまごろ二〇〇四伊賀びと委員会の発足にまで遡って何を重箱の隅つついているんだとお思いかもしれません。たしかにそのとおりで、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業は5月16日の開幕へ向けて着々と準備が進められており、われらが名張市では一昨日夜、名張市役所に名張市関連事業関係者が一堂に集まって会議が開催されたみたいです(みたいです、と申しますのは要するに私はお招きいただかなかったので出席しなかったということなのですが)。つまり予算が最終的に確定したみたいです。あとは3月定例会で予算案が承認されるのを待つばかり。名張市関連事業の予算はだいたい四千万円だそうで、その会議で配付された事業の一覧表を見てみましたところ、まーあちまちまちまちまと全国発信にはほぼ何の関係もないような行事が重箱に詰まった田舎のおせち料理みたいな感じで並んでおりまして(予算五百五十万円の『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』刊行事業のみ異彩を放っておりました)、私は思わずくらくらしました。事業に駆り出される市職員諸君のイベント疲れは結構なものになるでしょう。とはいえ準備がここまで進んでいるのですからいまごろ何をいっても手遅れではあるのですが、どうか閲覧者諸兄姉、かく申す私は「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の守護神であると同時に記録者でもあるのだとお思いください。伊賀のヘロドトスとお呼びいただければ幸甚。伊賀のヘロドトスが記録に正確を期するための情報収集に勤しんでいるのだとご理解ください。

 そんなような次第で一昨年のことをほじくり返すわけなのですが、以下に質問を二点。

 一) 二〇〇四伊賀びと委員会の委員を委嘱するにあたって(つまり上記Bの委員各位のことなのですが)、その基準は設けられていたのでしょうか。

 二) 委嘱委員の顔ぶれは(これもつまり上記Bの委員各位のことなのですが)、どんな場で、誰によって決定されたのでしょうか。

 毎日質問攻めで申し訳ありませんが、これも公務員としての修業のひとつだと諦めていただいて(たいへん有益な修業のはずなのですが)、よろしくお願いいたします。

 さあお仕事お仕事。


●1月17日(土)

 儂はいつまでこんなことをやっておるのであろうか、と思いながら本日も例の掲示板に世直しの行脚を試みました。ほとんど水戸のご老公みたいな毎日です。人生楽ばかり。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/17(Sat) 09:23 No.128
[106.1.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:二〇〇四伊賀びと委員会の真実に迫れるのかな

 いやー、ぽんぽん快調にお答えいただけるものですからつい調子に乗ってしまい、管理人の方にご回答いただくのは無理だろうと思われる質問まで投稿してしまいました。きのう質問いたしました二〇〇四伊賀びと委員会発足当時のことを、管理人の方はまったくご存じないであろうと拝察いたします。回答不能なら回答不能で結構ですと、管理人の方にはお伝えしておきます。

 ただし、きのうの質問二点に関して事務局もまた回答不能だとおっしゃるのであれば、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の記録者としてはちょっと困ってしまいます。二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員がどういった基準に基づいてどんな場で誰によって決定されたのか、事務局にはきちんと説明がおできになるはずです。そんなこともできなくて何のための事務局か。ですからきのうの質問二点を、当掲示板管理者ではなく二〇〇四伊賀びと委員会事務局長への質問として、再度掲げることにいたします。

 一) 二〇〇四伊賀びと委員会の委員を委嘱するにあたって、その基準は設けられていたのでしょうか。

 二) 委嘱委員の顔ぶれは、どんな場で、誰によって決定されたのでしょうか。

 ここで念のために記しておきますと、と申しますのも世の中には私から「中傷」されるかもしれないなどという被害妄想めいた懸念を抱いていらっしゃる方もあるようですから敢えて念を押しておくわけなのですが、私は委嘱委員個々の資質や能力を問題にしているわけではありません。委嘱委員の選出方法はどうであったのか、それをお訊きしているだけです。

 それにまた、この掲示板をご閲覧の方のなかにも、とくに何らかの形で「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に関わっていらっしゃる方のなかには、私がきのうの質問を投稿するはるか以前から委嘱委員の選出方法について疑問を抱いていらっしゃった方も少なくないのではないかと想像される次第です。事務局はこの際、そうした方々への説明責任を果たすべきではないのかと申しあげておきましょう。

 ただまあこれまでの経験に立って考えますと、事務局から明快な回答はいただけないような気がいたします。とはいうもののありがたいことに、今回の質問に関してはほかにもひとつ手があって、それは、

【上野市】池澤基善、田中愛一郎、辻村勝則、中村伊英、光岡亜希子

【名張市】勝田俊昭、菊山賢二、北村嘉孝、玉置治郎、的場敏訓

【伊賀町】中川甫

【島ヶ原村】岩佐絹枝

【阿山町】藤林峰夫

【大山田村】桃井隆子

【青山町】大田節子

【鈴鹿市】南部美智代

【津市】中山恵里子、松田克彦

【松阪市】山口高弘

【伊勢市】高橋徹、中川勝博

【白山町】庄山徹

【小俣町】新開祐史

【紀伊長島町】中井孝佳

 上記二十四人の委嘱委員の方にお訊きしてみるという手です。上記の方はたぶんどんな基準で誰によって委嘱の詳細が決められたかをご存じのはずですし、たとえご存じではなくても、それぞれ委嘱を受けられたときのことをお知らせいただければ、それを総合して委嘱の舞台裏をある程度窺い知ることはできるはずです。上記二十四人の方、ご回答をいただければ幸甚です。

 さらに附記しておきますと、委嘱委員のなかには県職員の方もいらっしゃるとのことですから、ごく一般的に考えますと、ただしかなり意地の悪い見方に立って考えますと、これはつまり行政のやることなすこといちいち勘繰ってしまう意地の悪い人間というのは確実に存在しますから念のために意地の悪い見方に立って考えるわけなのですが、委嘱委員のなかに県職員が存在するというそれだけの事実から、三重県が官民合同組織をうまくコントロールするために県職員を民間委員として送り込んだのではないかという疑いを導き出すことは不可能ではありません。ここはひとつ李下の冠に瓜田の履、県職員にして民間委員でいらっしゃるみなさんは委員委嘱にまつわる諸事情をご説明になって身の潔白を証されるのがよろしいのではないかと進言申しあげる次第です。

 いやー、身の潔白だなんて言葉もちだしたりしたらまーた中傷してるとか思われてしまうのかな。

 「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業、5月16日の開幕まであと四か月。


●1月18日(日)

 日曜なので世直し行脚もお休みし、「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)を仕上げにかかりたいところなのですが、原稿は切り詰めても切り詰めても長くなります。困ったものです。

 何百枚になろうがそのまま寄稿すればいいではないかとおっしゃる方もおありでしょうが、なんとか百枚すなわち掲載料五万円程度に収めませんことには、それ以上の出費は莫迦らしいうえ長きに過ぎる原稿は雑誌全体のバランスから考えても好ましくないでしょう。

 さーあ。困った困った。


●1月19日(月)

 もういい。いいんだ。「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)は二百枚書いてやる。やけになってしまいました。仔細は例の掲示板でどうぞ。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/19(Mon) 08:48 No.129
[113.0.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:二〇〇四伊賀びと委員会の真実には迫れないみたい

 いまだどなたからも回答をいただいていないようです。二項目にわたる下記の質問の件ですが。

 一) 二〇〇四伊賀びと委員会の委員を委嘱するにあたって、その基準は設けられていたのでしょうか。

 二) 委嘱委員の顔ぶれは、どんな場で、誰によって決定されたのでしょうか。

 上記二点に類する疑問は去年の夏あたり、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業提案者の方からもよく耳にしました。こうなりますとご閲覧の諸兄姉、伊賀の蔵を開く前に二〇〇四伊賀びと委員会の蔵を開いて闇に包まれた委員会成立事情に光を当てるのが先決ではないかと思われてくるではありませんか。ひきつづき関係各位のお答えをお待ちしたいと思います。しかし待っても無駄かな。

 それから3月発行予定の「伊賀百筆」第十三号に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)の件ですが、私はこれを四百字詰原稿用紙百枚にまとめるつもりでおりました。「伊賀百筆」への寄稿には一枚五百円の掲載料が必要で、百枚の原稿なら五万円を支払わなければなりません。こんな事業のために出費するのはむろん望むところではないのですが、私はなにしろ「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業を記録する伊賀のヘロドトスなんですから、記録を発表する場の確保のためにお金が要るとあればやむを得ません。しかし出せるのはせいぜい五万までだな、とか思って原稿枚数を百枚に設定した次第です。

 ところが無理無理、百枚に収めるのはとても無理だと知れました。「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)は、この事業に関して関係各位とやりとりしたメールやこの掲示板への投稿など、私のホームページで公開している文章をつぎはぎして一本の記事にするものですが、われながら呆れるくらいごちゃごちゃくどくどねちねちといろんなことを書き散らかしておりまして、削っても削っても短くなりません。あったまに来た私は原稿枚数の設定を百枚から二百枚に増やしてしまいました。

 二百枚なら掲載料は十万円です。まいったな実際。なんでわしが十万円も出さにゃならんのや、とほほほほ、とは思いますが、これが記録者の宿命なのだと諦めるしかありません。絶対安全な場所で高みの見物を決め込んでいらっしゃるみなさんにはおわかりいただけないことかもしれませんが、この掲示板で遠慮会釈なく事業を批判することは、しかも匿名ならともかく実名で批判を展開することはやはりそこそこリスキーな行為ではあるわけです。事業関係者をはじめとした閲覧者の反感を買うのは必定ですし、利益や見返りなんて何ひとつありません。いわばハイリスクにしてノーリターン。それでも私がどうしてこんなことやってるのかというと、自分が多摩のために何ができるのかを確認したいからです。多摩に生まれ多摩に育った私という人間が多摩という土地のために……いや違った。私は伊賀の人間でした。ゆうべウイスキー飲みながら大河ドラマ「新選組!」を見てましたもので、ついつい香取慎吾君扮する近藤勇の影響を受けてしまったみたいです。とほほほほ。

 しかしこうなると、と私は思わざるを得ません。あの乱歩連続講座を引き受けといたらよかったんや、とほほほほ。じつは「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業のなかの江戸川乱歩関連事業として、私が乱歩に関する連続講座の講師を相務めるというプランがあり、講師料としてたしか十万円いただけることになっていたのですが、私はなんか恥ずかしいからという理由でお断りしてしまいました。あの話を受けておいて講師料十万円を掲載料に充てればことはすっきり収まってよかったのだがな、といまになって思い返される次第なのですが、どないもこないもなりません。じつに残念なり。とほほほほ。

 さるにても、二〇〇四伊賀びと委員会の蔵を開いて闇に包まれた委員会成立事情に光を当てることは可能なのでしょうか。いまさら成立事情を知ったからとて何がどうなるものでもありませんが、それを記録として公開し、後世に伝えることには少なからぬ意義が認められることでしょう。

 あーこれこれそこの三重県職員の方。私は中傷なんて絶対にいたしませんから、心安んじてご回答いただけませんか。そんなことしたら知事のご勘気に触れてしまいますか。とほほほほ。

 「伊賀百筆」編集兼発行人の北出楯夫さんにお願いして、「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)の掲載料は分割払いにしてもらおうっと。


●1月20日(火)

 昨夜第二回が放映されたテレビドラマ「乱歩R」、お愉しみいただいておりますでしょうか。あんまりお愉しみいただいてないかもしれません。

「乱歩R」はどうッすかあ

 私は昨夜も早々に酔っ払い、いまだ番組をリアルタイムで視聴したことがないのですが、録画した第一回はビデオでちゃんと見ることを得ました。それもまあ、いささか酔っ払ってのことではあったのですが。

 さてその感想はと申しますと、

 ──哀れなる哉、イカルスが幾人も来ては落っこちる。

 と、掲示板「人外境だより」に「乱歩R」第一回の感想をご投稿くださったアレクすてさんに対して捧げた箴言(梶井基次郎の小説から引っ張ってきたものですが)を再度掲げる次第です。

 いやまあ乱歩という太陽にアプローチしたイカルスが何人墜落したところでどうってことはないのですが、どうってことあるのが第一回の録画ビデオです。なぜか番組途中で(終盤、椅子職人の武田鉄矢さんが悪の哲学を語り始めたあたりですが)録画が終わっており、番組の最後に画面に流れたはずの演出家や脚本家の名前が確認できませんでした。

 「RAMPO Up-To-Date」に記録する必要がありますので、第一回のスタッフ名がおわかりの方はご教示いただければ幸甚です。ゆうべの第二回と同じなのかもしれませんが、とにかくお知らせいただきたく。それにしても、ゆうべはちゃんと録画できていたのかしら。

 さて、例の掲示板は本日こうなりました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/20(Tue) 08:15 No.133
[113.0.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:二〇〇四伊賀びと委員会の真実に迫れないこともないのかな

 ●管理人様

 お答えありがとうございます。ご多用中お手数をおかけして恐縮しております。さっそくですが以下、再質問です。

 まず質問一に関してですが、当方は委嘱の基準が設けられていたのかどうかだけをお訊きしているわけですから、イエスかノーかでその点のみにお答えいただけば結構です。こうした場合の回答は必要最小限にとどめておくのが肝要であろうと愚考いたします。

 ここで手の内を明かしておきます。15日付投稿にも記しましたとおり、私は二〇〇四伊賀びと委員会の民間委員はすべて公募で選ばれたものだと思っておりました。しかしそれが私の勘違いであったことはご閲覧各位にもご覧いただいたとおりで、委嘱委員と公募委員の二種類の委員が存在することを知りました。

 それから私は昨日付投稿に、去年の夏あたり二〇〇四伊賀びと委員会の委員選出方法に関する疑問をよく耳にした、といった意味のことを記しました。つまり私は去年の夏の時点では、公募に応じながら委員に採用された人と採用されなかった人とがあり、その採否の基準が曖昧だから選出方法に関する疑問が生じているのだろうなと思い込んでおりました。

 ところが実際はそうではなかったのかもしれません。去年の夏によく耳にした疑問は、公募委員の採否ではなく、委嘱委員の人選に関わるものだったのではないかという気がしてきました。ここで念のために記しておきますと、以前にも同じことを申しあげたのですけれど、私は委嘱委員個々の資質や能力を問題にしているのではありません。あくまでも選出方法について述べているだけです。

 さてこうなると、と私は思います。「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」の事業計画がまったき密室性のなかで決定されたのと同様に、二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員も密室のなかでこそこそ人選が行われたのではあるまいか。基準としては、ふだんからお役所とつきあいがあって気心が知れており間違ってもお役所を批判したりしない人というか批判能力の欠如した人、というのがまず最初にあり、次には委嘱委員にふさわしい何らかの活動に携わっているとかなんとか選出を正当化できる要素を勘案して、要するにお役所にとっていわゆる都合のいい人たちを寄せ集めたのがこの委嘱委員とやらなのではありますまいか皆の衆。

 とはいえ、お役所にとっていわゆる都合のいい人たち、なんて暗黙の基準がかりに存在していたとしても、お役所がそれを公表するわけがありません。ですから私は質問一で基準の有無のみを確認すればよかったわけで、基準はなかったなどという回答はあり得ませんから、基準はありましたという回答を受けてそれならその基準は明文化されていたのかと、そのように質問することにしておりました。

 これは質問二にも関連することなのですが、委嘱委員の人選がいったいどんな場で進められたのか、それを確認したいと私は思っております。たとえば伊賀県民局と伊賀七市町村の関係職員が集まって委嘱委員選考会議みたいなものが開かれたのかどうか、そのあたりを明らかにすることが二〇〇四伊賀びと委員会の蔵を開いて闇に包まれた委員会成立事情に光を当てる作業の端緒になるであろうと考えている次第です。

 ついで質問二に関してですが、委嘱委員は「市民活動などいろいろな分野でご活躍されている方々に県や市町村から委員への就任をお願いしました」と15日付ご投稿でお答えいただいておりますから、「委員就任のお願いをする方は、伊賀県民局と伊賀7市町村で協議して決定しました」ということは当方もよく承知しております。私が知りたかったのは、上にも記しましたとおり、たとえば委嘱委員選考会議みたいものが開かれたのかどうかといったことでした。質問がやや曖昧に過ぎたかもしれません。反省しております。

 それで再質問なのですが、上記のような流れに沿ってたらたらやるのはじれったいとお思いの方もおいでかもしれません。選出基準の明文化みたいなことに関する質問は中止して、次の質問を提出したいと思います。

 一)二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員を選出するために、伊賀県民局および伊賀七市町村職員による何らかの機関は設けられたのか。

 二)二〇〇四伊賀びと委員会の公募委員には応募者全員が採用されたのか。委員に就任できなかった応募者もあるのか。

 このあとの流れはまったく予測できませんが、いま考えている手の内を明かしておきますと、私はいずれ、私みたいに有能な人間が委嘱委員に選ばれなかったのはどうしてなのか、え、どうしてだどうしてだ、え、といったことを質問することになると思います。「委員就任のお願いをする方は、伊賀県民局と伊賀7市町村で協議して決定しました」とのことですから、県や他の市町村職員の方はともかくとして、俺を推さなかった名張市職員はどこのどいつだ、何課の何というやつだ、どいつだどいつだ、みたいなこともお訊きすることになると思います。別に私は委員になりたいなどとこれっぽっちも思っているわけではないのですが、こんなこと質問してみたらさぞや面白いだろうなとはお思いになりませんか皆の衆。

 ところで、せっかくお答えいただきましたのでついでに記しておく次第ですが、委員の選出基準が「伊賀地域内委員についてはそれまでの地域づくりの実績、行動力、おもいなど」との由ですから、要するに選出に際して芭蕉のことには重きが置かれていなかったのだなと私は了解いたしました。と申しますのも、3日付のご投稿で芭蕉さんのファンさんが「委員の皆様は芭蕉さんに熱い思いを持ち手を挙げて参加された方ばかりなので、きっと芭蕉さんについて色々な考え、つまりは、冒頭の“くさ色々”があり、さらには、“おのおの花”つまり、各自の意見考えがあると思います」と記していらっしゃるのですが、お知らせいただいた基準に照らして考えますと委員には芭蕉への「熱い思い」なんてなくてもいいように判断され、そういえば委員のなかには私が存じあげている方が何人もいらっしゃるのですが、芭蕉のばの字にも関係ないという方ばかりではないかとお見受けしている次第です。

 どーですか委員のみなさーんッ、芭蕉さんについてこの掲示板で熱く語りませんかーッ、みたいなこといってもまったく意味がないわけね。

 しかし「RAMPO Up-To-Date」以外にもいろいろ更新が滞っておりまして、いやはや何と申しましょうか。


●1月21日(水)

 きのうお願いいたしました「乱歩R」第一回制作スタッフの件、メールでご教示いただいた方があり、「RAMPO Up-To-Date」に記載することを得ました。

 そのメールの件名が「逆人間椅子」となっていて、これは「人間椅子」を原作とした「乱歩R」の第一回において、椅子の内部に身を潜めた人間ではなくてそうした椅子に坐った人間の感覚に焦点が当てられていたことを意味しているのかとも推測される次第ですが、そういえば私もビデオを見ながら、これでは「人間椅子」じゃなくて「黒蜥蜴」じゃないかと思ったものでした。

 そんなことはともかく、相も変わらずいろんな方のお世話になりながら、今年もひそひそ生きてゆこうと思っております。よろしくお願いいたします。

 で、例の掲示板には飽きもせず足を運んでおりまして。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/21(Wed) 08:23 No.143
[113.0.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:ああ不幸せの尻切れとんぼ

 ●管理人様

 簡潔なお答えありがとうございます。さっそくですが以下二項目、よろしくお願いいたします。

 一) 二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員選出に関わった県および市町村職員は誰であったのか、現在でも特定できるか。

 二) 二〇〇四伊賀びと委員会の公募委員の定員は何人だったのか。

 いやー、「特定」なんて言葉つかうとほとんど犯罪者扱いですが。

 ●伊賀びと様

 わざわざご挨拶をいただき、お礼を申しあげます。

 この掲示板は現在、伊賀地方でもっとも注目を集めている掲示板なのではないかと思われます(インターネットの世界に「伊賀地方」といった場を持ち出すのもおかしな話ですが)。官民合同と銘打った行政の事業に不審な点がいっぱいありますので、どちらさまにも御免を蒙りまして長文の投稿をつづけている次第です。伊賀びとさんもまたお気軽にご投稿ください。私の投稿にうんざりしていらっしゃるはずの管理人の方も、私以外の投稿なら大歓迎してくださることでしょう。

 さてその行政の事業「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」は今年5月に開幕するのですが、伊賀びとさんのような一般住民の方には、仰せのとおりあまり知られていないようです。私が住んでいる名張市では、事業のことはまったくといっていいほど話題になっておりません。上野市だって似たようなものかもしれませんが。

 この事業の予算総額は約三億三千万円で(三分の二を三重県、三分の一を伊賀七市町村が負担します)、うち一億円が広報費として使用されるのですが、開幕まで四か月を切ったいまの時点で伊賀地域における事業の認知度がここまで低いとなりますと、この先どんな広報をくりひろげてもたいした効果は期待できないのではないかと思われます。ましてや全国発信なんてとてもとても。

 それから、オートコンプリート(auto complete)は入力支援機能のことで、過去に入力した文字列を先頭文字の入力だけで候補として示し、文字入力を省力化してくれる機能です。お節介なことながら書き添える次第です。

 ●ご閲覧の皆様

 毎度お目汚しで恐縮しております。地域雑誌「伊賀百筆」第十三号に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)は原稿二百枚を書き終え、推敲作業を残すのみとなりましたが、これを「伊賀百筆」の誌面に流し込んでみると七十七ページ分に相当します。私一人でこんなに幅を利かせていいのかしら、とも思うのですが、とりあえず編集部には二百枚を持ち込んでみることにいたします。

 3月発行予定の第十三号で「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の特集が組まれるのかどうかはわかりませんが、事業はどうやら圧倒的な広報不足の観を呈しておりますから、二〇〇四伊賀びと委員会には「伊賀百筆」をはじめとした地域のメディアを積極的に利用することも必要であろうと申しあげておきたいと思います。

 それともうひとつ、二〇〇四伊賀びと委員会の蔵を開いて闇に包まれた委員会成立事情に光を当てる作業は、上に記しました質問二項目からもおわかりいただけますとおり、いまだ営々孜々として継続中です。ですからこの先何が判明したといたしましても、「伊賀百筆」第十三号の記事には盛り込めないことになりました。原稿枚数の問題以外に今月31日が原稿締切だという事情もあり、なんですか尻切れとんぼな内容になってしまわざるを得ないのですが、あしからずご諒承ください。

 いやもうすっかり飽きてはいるのですが。


●1月22日(木)

立教大学が発表しました

 昨日付読売新聞の都民版に乱歩関連の記事が掲載されておりました。紙面をファクスでお送りいただいた方があり、じつにどうもいろんな方のお世話になっているなとあらためて実感した次第ですが、一部引用しておきます。

乱歩の「幻影城」へ…ようこそ

 江戸川乱歩が一九六五年に他界するまで住んでいた豊島区西池袋の住宅と敷地内の土蔵が、所有する立教大学により、今年八月に初めて一般公開されることが決まった。乱歩はこの土蔵で、膨大な蔵書に囲まれ、執筆の構想を練ったという。蔵書、資料も同時に公開される。

 しかしこれだけではあまりにも愛想というものがありませんから、読売新聞関係各位には大目に見ていただくことにして、ここだけの話もう四段落ほど。

 立大は二〇〇二年三月、乱歩の遺族から土蔵と住宅を購入。住宅に保管していた分も含め、計四万点近くの蔵書、資料も買い取り、現在、内容の研究を進めている。

 立大は土蔵を乱歩の住んでいた当時の姿に近付けるため、昨年八月から修復に着手。壁が全国的にも珍しい灰色の「鼠(ねずみ)漆喰(しっくい)」であることが分かり、同種の壁が残る広島県竹原市まで調査に出向いた。屋根瓦も二度焼きし、光らないように配慮した。修復は三月に完了する。

 公開は、立大の百三十周年記念事業の一つで、蔵書、資料を乱歩の住んでいたころのままに置き、一般に見てもらう。特に重要な資料などについては、池袋駅西口の東武百貨店で、公開に合わせて展示する予定。

 立大は「施設や資料を研究し、広く公開するのが、大学の義務。学生だけでなく、一般の人々にも見てほしい」としている。

 ポイントはふたつ。ひとつは旧乱歩邸の住宅と土蔵が8月に一般公開されるということ。もうひとつは同時期に池袋の東武百貨店で乱歩展が開催されるということ。いずれもいつでしたか、ご遺族からうかがったお話としてこの伝言板でお知らせしたことですが、いよいよマスコミで報じられるようになりました。乱歩ファンは8月までは死ねません。

 なんてこといってるあいだに石井輝男監督作品「盲獣 vs 一寸法師」のロードショー公開が決まりました。詳細は番犬情報でご覧ください。

 なんてこといいながら「江戸川乱歩著書目録 SPECIAL THANKS」を増補いたしました。たくさんの方にご紹介いただいてじつにありがたいことだと思っております。ネットを検索してあちらこちらのサイトを覗いたりなんやかんやいたしました結果、本日の増補分は次のみなさんとなりました。

 フク 北原尚彦 阿部崇 阿部弓子 E・キング 太田忠司 宮澤@探偵小説頁 鷲田小彌太 もぐらもち 石塚公昭 倉阪鬼一郎 佐藤健太 石井春生 須永朝彦 石原藤夫 東雅夫 芦辺拓(敬称略)

 どうもありがとうございます。私信の公開はご本人の許可をいただきましたが、インターネット上に発表されている文章などはすべて無断で引用させていただいております。大乱歩に免じてご海容ください。


●1月23日(金)

 うっとり乱歩の話ばかりもしていられないのが三重県のつらいところです。例の掲示板には下記のようなことを投稿してまいりました。

 それにしてもですね、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業関係者のあいだでは私のことが完全なヒール(悪役を意味するプロレス用語です。対義語はベビーフェイスと申します)として語られていると仄聞し、三重県政を正しい方向に導こうとしている人間のどこが悪役だばーか、と憤っている次第なのですが、これも守護神にして記録者のつらいところでしょうか。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/23(Fri) 08:38 No.150
[209.44.112.219.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:百八十万三重県民を代表して

 ●管理人様

 いつも律儀にお答えいただき、感謝しております。

 さてさっそくですが21日付の質問一に関しまして、えー、私は何も職員名を公表してくれとお願いしているわけではないのですから、そのように切り口上でお答えいただく必要はないように思います。私は単に、二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員選出に関わった人たちをいまでも特定できるのか、それをお尋ねしただけです。

 つまり製造責任ってやつですか。きょうびはそこらで野菜買ったって、これはどこどこの誰々がつくりましたとパッケージに表示され、生産者すなわち製造責任者が明示されたりもしている時代です。それなら二〇〇四伊賀びと委員会の製造責任者は誰なのかな、と私は思うわけです。

 確実に存在はするでしょう。伊賀県民局でだかどこでだかは知りませんが、三重県職員と伊賀七市町村職員が一堂に会し、いや一堂に会することさえなかったのかもしれませんが、とにかく二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員を誰にするべきか、協議して決定した人たちは確実に存在するはずです。

 その人たちのいわば製造責任を問うことは可能なのかな、と私は思っております。と申しますのも、われらが二〇〇四伊賀びと委員会はどうやら官民合同組織としての機能をほとんど失ってしまっているようで、何なんだこの隠蔽性は、当事者意識のなさは、責任回避体質は、これではまったくお役所そのものではないか、ここまでお役所に丸め込まれた組織のどこが官民合同だばーか、こんな委員会いったいどこのどいつがつくったんだばーか、と私には思われる次第で、つまり商品でいえば間違いなく不良品、製造責任を問われて当然のケースであろうと判断されるからです。

 で、「二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員を選出するために、伊賀県民局および伊賀七市町村職員による何らかの機関は設けられたのか」とお訊きしましたところ「設けられませんでした」とのことでしたから、それなら委嘱委員選出に関わった県および市町村職員は特定できるのかな、特定できないとなれば二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員選出に関する責任はいったい誰が担っているのかな、みたいなことを考えて、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業記録者たる私は21日付の質問を行ったわけです。

 それからもうひとつだけ、またじつに説教くさいことを申しあげて恐縮なのですが、ご回答に「組織として動いた件であって、特定の個人名の回答は差し控えさせていただきます」とあります点、こういったことはあまりおっしゃらないほうがよろしいのではないでしょうか。読みようによっては、組織には責任があるがそこに所属する個人には責任がない、みたいな意味合いを汲むことも不可能ではありません。これはアンチお役所派にわざわざツッコミどころを提供するような文章だと思われるのですが、ご一考いただければ幸甚です。

 ついで質問二に関してですが、14日付のご投稿で、公募委員は次のみなさんであったとお知らせいただきました。

【上野市】中盛汀、堀光一、本城善昭、増田雄

【名張市】岡中恵、中孝、長川精孝

【伊賀町】冨山善夫、山下典子

【島ヶ原村】南出ゆかり

【阿山町】植松恵子

【大山田村】上田操

【青山町】下猶茂樹、萩原雅也

【津市】安保雅司

 定員は十七人とのことですが、いくら数え直しても十五人しかいらっしゃいません。定員割れだったのかというとさにあらず、20日付のご回答には「募集定員以上のご応募をいただきましたので、委員に採用されなかった方もいらっしゃいます」と記されております。どうも計算が合いません。どうにも腑に落ちません。なんかおかしいな、裏があるのかな、と勘繰る人が出てきても不思議ではありません。

 さてここで質問です、と申しあげたいところなのですが、あまり気が進みません。なぜか。私がこれから畳みかけようとしている質問は、この掲示板の管理者の方にお答えいただくべき筋合いのものではないからです。私は二〇〇四伊賀びと委員会の成立についてお訊きしたいと思っております。委員会が発足する以前、委員会の事務局も開設されていない当時のことを確認したいと思っております。ですから私の質問には、伊賀県民局の局長さんにお答えいただくべきなのではないかと考えております。

 といったわけでして、管理人の方には、この掲示板で伊賀県民局長のご回答がいただけるのかどうか、その点をお答えいただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。私は管理人の方を軽んじているわけではまったくなく、質問への回答にはそれなりの責任というものが伴いますから、その責任は県民局長が担うべきではないのかと考えているだけの話です。よろしくお願いいたします。

 ●百八十万三重県民の皆様

 ちょっと所用がありましたので、さる電子掲示板にお邪魔して、百八十万三重県民の代表としてご挨拶申しあげてまいりました。県民代表もこれでなかなか大変なのですが、伊賀の何のと小さなこといってないで、これからは機会があれば三重県の宣伝にこれ努めたいと思います。いやー、全国発信全国発信。当該掲示板のアドレスは下記のとおりです。

http://ushigome.bird.to/bbs/gensou.html

 しかしそれにいたしましても、われらが野呂昭彦知事はいったいどうなさったのでしょうか。20日の定例記者会見におけるRDF発電所関連のご発言など拝見いたしますと、県民に顔を向けなければならんのはおまえだろうが、とツッコミを入れたくなってしまう次第なのですが。

 「さる電子掲示板」とは「幻想的掲示板2」のことで、雑魚のととまじりがなんともお恥ずかしいかぎりなのですが、同掲示板で『江戸川乱歩著書目録』をご紹介いただいたお礼の意味もこめまして、左の人外告知板に「Rampomania のための乱歩本フェア」を掲載いたしました。どうぞご覧ください。ちゃんと流通に乗せることさえできていれば、名張市立図書館の金字塔『江戸川乱歩著書目録』もこのフェアで取り扱っていただけたはずなのですが、じつに残念至極なり。


●1月24日(土)

 例の掲示板はこんな感じです。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/24(Sat) 08:08 No.156
[209.44.112.219.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:なんのなんの凄いことなんか全然ありません

 ●管理人様

 お答えありがとうございます。公募委員の人数に関して質問したつもりはなかったのですが、ありがたく承っておきます。さて伊賀県民局長のご回答の件、「回答できる質問の場合もあれば、回答できない質問の場合もあります」というのはじつに当然のことで、そんなことおっしゃられても私は困ってしまいます。

 たとえば、私が県民局長に「定員を超える応募があった公募委員をどういう基準に基づいて十七人に絞り込んだのか」とお訊きして、「その基準はこういったことである」とお答えいただいたとしましょう。また私が「委員募集に応じたにもかかわらず委員に選出されなかった人間は誰なのか」とお訊きして、「個人のプライバシーに関することだから回答できない」とお答えいただいたとしましょう。

 上に記したふたつの質問には、いずれも回答を頂戴したことになります。つまり「こういった理由があるから回答できない」というのも立派な回答なわけです。じつにどうも当たり前のことなんですが。

 といったようなことを局長さんによくご理解いただいたうえで、この掲示板で伊賀県民局長のご回答がいただけるのかどうか、再度お尋ねする次第です。イエスかノーかでお願いいたします。いやどうもしつこくてすいません。

 ● tank 様

 ご質問ありがとうございます。ただしどーやってとかこーやってとかそーゆーことはいっさいありません。誰かから選ばれたり頼まれたりしなくても三重県代表の自負をもつことはいくらだって可能でしょう。要は気概の問題だと申しあげておきます。おわかりでしょうか。おわかりでないかもしれません。もっと懇切丁寧にご説明申しあげてもいいのですが、そうするとたぶんこの投稿が削除対象になってしまいます。管理人の方に余計なお手数をおかけするのは恐縮ですから、本日のところは差し控えておく次第です。ところでもしもよろしかったら、二〇〇四伊賀びと委員会の委嘱委員のみなさんにも「どーやって選ばれたんですか?」とご質問いただけませんか。それでは寒い日がつづきますがどーぞお大事にー。

 ●ビビる大木様

 高得点ならぬ高得へぇー、どうもありがとうございます。しかしそんなに感嘆していただく必要はありません。上にも記したとおりの次第で、要は気概の問題です。ご理解いただけますでしょうか。とにかくこれからも百八十万県民を代表して頑張りたいと決意を新たにしておりますので、なにとぞよろしくお願い申しあげます。それでは寒い日がつづきますがどーぞお大事にー。

 あっちの掲示板にも投稿してまいりました。

 毎日こんなことばかりやってていーんでしょーかー。


●1月25日(日)

 きょうはあっちの掲示板に投稿しただけでおしまいです。いやこっちの掲示板でした。


●1月26日(月)

 きょうはどちらの掲示板にもお邪魔せず、もう2004年になったんだからと久方ぶりで「伊賀の蔵びらき事業紹介001」のページを更新し、2002年1月以来のあれこれを記録にまとめていたのですが、あ、あんなこともあった、あ、こんなこともあった、と愚かしき日々の回想に耽ってしまって時間が足りなくなりました。アップロードはあした以降、ということにいたします。


●1月27日(火)

 「伊賀の蔵びらき事業紹介001」の更新を終えましたので、例の掲示板でお知らせしてきました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/27(Tue) 08:05 No.160
[166.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:なんかご迷惑をおかけしているそうでして

 ● tank 様

 ご忠言多謝。お目汚しですがおめこぼしを。今後もよろしく。平身低頭。短文にて失礼。

 ●芭蕉さんのファン様

 どうもありがとうございます。身にしみて嬉しく思っております。ただまあ私はこういう芸風で一貫しておりますから、反感や無理解にはすでに慣れっこ、いまさらどうのこうのということはありませんので、失礼なことを申しあげますが私へのお気づかいはご放念くださいますよう。ともあれ、今後ともよろしくお願いいたします。

 ● daten 様

 はじめまして。ご投稿ありがとうございます。のっけからこんな失礼なことを申しあげるのはあれなんですが、何やらとんでもない勘違いをしていらっしゃるのではないかとお見受けいたします。もしもお時間がおありでしたら、この掲示板を開設当初から順に閲覧なさってはいかがでしょうか。いやどうも偉そうなことを申しあげまして。今後ともよろしくどうぞ。

 ●ご閲覧の皆様

 なんや知らんえらい怒られようでして。さっぱりわやですがな実際。面目次第も有馬温泉中の坊、なんちゃって。とは申しますものの、実際には自衛隊イラク派遣に対する国民の支持率など目じゃありません、ご閲覧各位の圧倒的なご支持ご支援のもと本日も勇躍出張ってまいった次第です。

 さて、お役所そのもののまったき隠蔽性のなかで準備が進められている官民合同事業「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」に歴然と範を示すべく、当方のサイトに昨年11月新設いたしました「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき事業紹介【001】」のページですが、久方ぶりで本日更新いたしましたのでお知らせ申しあげます。

 事業のプランとして私が提案した『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』(仮題)刊行事業を中心とした一連の経過をクロニクル形式にまとめて掲載いたしましたので、場の流れや空気を読めずに大方の失笑を買っていらっしゃる向きにはとくに重宝していただけるものと自負しております。アドレスは下記のとおりです。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/kurabiraki.html#anchorkura00

 それからついでに末筆ながら、まあ一閲覧者に過ぎぬ私がこんなこと申しあげるのもけったいな話ではあるのですが、ご閲覧各位もどうぞご自由にご投稿ください。二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんにはご投稿いただけないようですが、こういった電子掲示板なんて投稿者がつくりあげてゆくものなんですから、みなさんのご参加を心からお待ち申しあげる次第です。

 本日付中日新聞(といっても当地の統合版ですから、実際にはきのうの夕刊に掲載されたのかもしれません)の「中部の文芸」で、「小説・評論」ご担当の清水信さんに『江戸川乱歩著書目録』をご紹介いただきました。

 「編集・中相作、監修・平井隆太郎、協力六十数氏というスタッフに拍手を送りたい」とお書きいただきましたので、ご協力をたまわったすべてのみなさんにお知らせ申しあげ、あらためて謝意を表する次第です。


●1月28日(水)

 寝過ごしました。大慌てで例の掲示板に投稿してきました。

●投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/28(Wed) 09:02 No.169
[166.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:千客万来千軍万馬、投稿感謝妄言多謝

 どうもありがとうございます。活況を呈してきました。掲示板らしくなってきました。芭蕉さんのファンさんと二人だけで俳諧談義に興じていた日々に比べれば、夢かと疑われるほどのにぎわいです。これからもふるってご投稿ください。二〇〇四伊賀びと委員会になりかわってお願い申しあげます。二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんもどしどし投稿してくださいね。

 ● tank 様

 こちらこそナマを申しつづけております。ふたたびのご忠言、重ねて感謝いたします。マナーなんて強者の習慣に過ぎんのだから俺が強者になってマナーを決めてやるんだ、なんてこと思ってるわけでは決してないのですが、これからも従来どおりのスタイルで投稿したいと思います。どうも申し訳ありません。

 ● daten 様

 偉そうなことを申しあげましてひたすら恐縮しております。これまでの経緯は私のホームページにも記してありますし、3月発行予定の地域雑誌「伊賀百筆」にも一連の騒動を記事にして寄稿することにしておりますので、あわせてお読みいただければ幸甚です。私のホームページのアドレスは下記のとおりです。よろしくどうぞ。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/

 ●∴切磋琢磨∴様

 ご投稿ありがとうございます。いやもうお役人いじめが楽しくて愉しくて、なんてことはまったくなく、三重県政を正しい方向に導こうと日夜努めている次第です。私がこんなこと申しあげるのもあれなんですが、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業へのお力添え、よろしくお願いいたします。「伊賀びと委員会の活動」のページが空っぽだということには、ご指摘によって初めて気がつきました。活動してないからなんでしょうか。

 ●芭蕉さんのファン様

 お怒りはよくわかるような気がいたします。似たような怒りは私もずっと覚えております。ただまあ二〇〇四伊賀びと委員会のメンバーを別にすれば、芭蕉さんのファンさんの真摯なご投稿に先導されるようにして、この掲示板に投稿してくださる方が増えてきたのは嬉しいことです。それこそ「草いろいろおのおの花の手柄かな」で、さまざまな意見が投稿されることによって「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業が地域社会に受け容れられてゆくのだろうと思うのですが、かーんじんの二〇〇四伊賀びと委員会はいったいなーにやってんだッ、と思わざるを得ないのも事実です。今後も私の主張に共鳴していただける点がありましたら、ご支持ご支援をよろしくお願いいたします。

 ●管理人様

 ∴切磋琢磨∴さんが「ここでは管理人さんが一人で応対されてるようですが質問に答えるべき人は彼ではないと思います」とお書きになっていらっしゃいます。

 芭蕉さんのファンさんが「そもそも、中さんが管理人さんに聞かざるを得ない状況は、伊賀びと委員がいこの掲示板に登場してこないことが問題であり、そして、仕方なく聞いているのではないのではありませんか?」とお書きになっていらっしゃいます。

 これはおそらく、この掲示板をある程度継続してご覧になっていらっしゃる方の共通認識ではないかと思われます。したがいまして、それまで律儀にお答えいただいていた管理人の方から「この掲示板で伊賀県民局長のご回答がいただけるのかどうか、再度お尋ねする次第です」という質問への回答をいまだに頂戴できないのをご覧になった閲覧者の多くは、はっはーん、伊賀県民局長があれなんやな、と得心されるのではないでしょうか。さらに心優しい人たちは、管理人の方の立場のつらさに同情をお寄せになることでしょう。

 私はなにしろ「名張の誇るいぢめっこ」、まるでジャイアンみたいな人間ですから、お役人衆が泣こうが喚こうが知ったことではないのですが、県民局長の回答を頂戴するのはやっぱり無理らしいなと、これまでの体験で知っていたはずの事実をあらためて認識いたしましたので、いただけるはずのない回答を待ちつづける愚は避けたいと思います。「この掲示板で伊賀県民局長のご回答がいただけるのかどうか、再度お尋ねする次第です」という質問は却下いたします。ご心労をおかけしたことをお詫びいたします。

 ただしひとことだけ、こら高杉、おまえこのままで済むと思うなよ、と伊賀県民局長にお伝えいただけれぱ嬉しく思います。むろん無理なら結構です。

 みたいな感じで今後ともよろしくお願いいたします。

 ●三重県生活部文化振興チーム様

 朝っぱらからどうもご苦労さまです。ところで昨年12月、私は知事との面談の機会を設けていただくよう県庁知事室チームにメールでお願いいたしました。いっこうにご返事をいただけなかったので知事室に電話してみました。知事との面談の件は生活部にたらい回しにされていて、あらためて生活部からお答えいたしますと知事室職員の方から教えていただきました。いまだにお答えを頂戴できていないのですが、いったいどうなっておりますのでしょうか。ご回答いただければ幸甚です。

 大慌てで失礼いたします。


●1月29日(木)

 いやー、とうとう芭蕉さんになってしまいました。掲示板「人外境だより」で岩堀さんからお知らせいただいた件なのですが。

岩堀   2004年 1月24日(土) 14時41分

本日、彷書月刊の2月号が届きましたが、「ホンの情報」(今月の単行本)欄冒頭で『江戸川乱歩著書目録』が紹介されていて嬉しくなりました。筆者は本多正一さんで、「中相作氏の…人間・乱歩への敬愛、思慕の念に打たれずにはいられない。」と書いておられ、更に「人外境主人は…大乱歩の見果てぬ夢の実現に尽力していただきたい。…すなわち決定版・江戸川乱歩伝の執筆である。」と述べておられます。
まさに今までありそうでなかったもの、それは巨人乱歩の伝記でしょう。そしてそれを完成出来る方は中さんを置いては他にいないと思います。何年でもお待ちしますから是非是非お願いします。

 版元の弘隆社から「彷書月刊」2月号をお送りいただきましたのでさっそく拝読したところ、私はいつのまにか芭蕉さんになっておりました。

われもまた一人の芭蕉さん

 どーだ「伊賀びと」諸君。恐れ入ったか参ったか。

 「ホンの情報」に掲載された本多正一さんの「『江戸川乱歩著書目録』」から謹んで引用いたします。

 そしてこの完結を機に、名張人外境主人はその豊富な学識と人間的魅力を駆使して、いま一度大乱歩の見果てぬ夢の実現に尽力していただきたい。──それは幻影城城主その人に捧げる一冊の供物、すなわち決定版・江戸川乱歩伝の執筆である。中氏が名張の地で周到な準備を重ね、“一人の芭蕉”たらんとしてきたことはすでに誰の眼にも明らかなのだから。

 「一人の芭蕉」って何? とお思いの素人衆のみなさんは、乱歩に「一人の芭蕉の問題」というエッセイがあることを知っておきましょう。

 さあ一人の芭蕉さんが例の掲示板へ行ってこよう、と思ったけどきょうは時間がないからやめておこう。


●1月30日(金)

 一人の芭蕉さんが例の掲示板へ行ってまいりました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/30(Fri) 08:00 No.172
[166.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:ああきょうも長文でみなさんどうもすいません

 おはようございます。一人の芭蕉たらんとしているかなしい偏執者です。何が悲しくて一人の芭蕉になんぞならねばならんのか。それ以前にこんなお調子者の酔っ払いが一人の芭蕉たらんとしていいものかどうか。いやこんなこといってもこの掲示板のご閲覧各位には意味不明なのではないか。いろいろ悩みながら本日もまかり越しました。おつきあいいただければ幸甚です。

 ●∴切磋琢磨∴様

 どうもありがとうございます。ついでですから全国三千万の小酒井不木ファンも加えていただければ幸甚です。

 仰せのとおり議論は必要で、賛否に関わらず地域住民が意見を交換することで「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業が地域社会に受け容れら……あ。こんなことはつい先日も記したばかりか。

 しかし現実には、議論しようにもその材料となるべきものがほとんど存在していないようです。二〇〇四伊賀びと委員会がどんな活動をしているのか、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」で具体的にどんな事業が準備されているのか、そもそもどうしてこんな事業が税金三億も投じて実施されなければならないのか、みたいなことが地域住民にはまったくといっていいほど知らされていないからです。事業そのものがまったき隠蔽性に包まれているからです。

 ですから実際には、たとえば「芭蕉さんのイベントって何ですか」という伊賀びとさんの27日付ご投稿が、一般住民の事業に対する認知度のアベレージではないかと想像されます。それにしても、伊賀びとさんは「芭蕉をkeywordで何かするんですか??」と質問していらっしゃるんですから、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはとっととお答えしてさしあげてはいかがなものか?? 事業の根幹に関わる質問にも答えられないおまえらはいったい何なんだ?? そんなことじゃとても「全国発信」なんて無理なんじゃねーの?? と私は思います。

 ただまあ、事業の根幹、あるいは理念、でなければ本質、といった問題には、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはまったく無頓着でいらっしゃるのかもしれません。委嘱委員の人選に関しましては、掲示板管理人の方から19日付ご投稿で「伊賀地域内委員についてはそれまでの地域づくりの実績、行動力、おもいなど、また伊賀地域外委員については、県域的視点、集客交流ノウハウなどの観点から、あわせましてさまざまな分野における市民活動の実情や見識などからみて委員就任のお願いをしました」とお教えいただいた次第ですが、忌憚なく申しあげてしまいますと、委嘱委員なんて結局はお役所にとって都合のいい人間を寄せ集めた実働部隊に過ぎないのではないか、という印象を私は抱いております。理念や本質にはいっさい顧慮せず、目の前の業務をてきぱき片づけるのが実働部隊の役目なんですから、さあ質問に答えてくれとお願いすることには無理があり過ぎるかもしれません。いや困ったもんだ。

 ここで地域雑誌「伊賀百筆」第十三号に寄稿する「いい加減にしろ山猿ども」(仮題)から一部を引きますと──

「これまでに僕が指摘してきた問題点はふたつありました。ひとつはばらまきの問題ですね」

「せやからばらまきとは決めつけられませんがな」

「あっちで街道フェスタやりましたこっちで東紀州フェスタやりましたほな今度は伊賀地域のイベントにばらまく番ですなゆうのがこのばらまきの流れでして」

「そんな流れがありましたんか」

「もしも行政が単独でこのイベントを実施するのであれば行政の継続性という名のもとにばらまきの流れは問題なく継承されていたはずなんです」

「けど伊賀地域のイベントは官民合同ですからね」

「そう。民の視点や感覚が導入されるわけです」

「そしたらどないなりますねん」

「官においてはごく当たり前のことでも民の目で見直したらこんな事業がはたしてほんまに必要なんかという疑問が出てくるかもわかりません」

「必要やないという判断もあり得ますからね」

「不況が長引いて民が死ぬほどしんどい目ェしてるときに官が税金でこんなイベントやってええのかと」

「民だけやなしに官のほうかて財政難でふうふうゆうてますがな。このままでは全国いたるところで破綻する自治体が出てくるゆう話ですけど」

「ですから三重県がつづけてきたばらまきの連鎖を伊賀地域でばっさり断ち切ったらええんです」

「こんなイベントにはもう税金をつかいませんと」

「じゃーん」

「え」

「しょうもないことに税金つかうのはやめましょうキャンペーン」

「いやそれはもうわかりましたから」

「ところがそうしたごくまっとうな疑問を抱く人間がどこにもいなかったみたいなんです」

 ──なんて感じなわけでして、事業の本質に関する問題がまったく議論されることなく本日に至ってしまったのではないのかしら、と私は推測している次第です。これが私の事実誤認だとおっしゃるのであれば、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはどうぞご指摘くださいな。しかし考えてみれば私は去年6月からこの「じゃーん。しょうもないことに税金つかうのはやめましょうキャンペーン」を展開していることになり、長きにわたっているわりにはなんと実りのないキャンペーンかと顧みて愕然としてしまいますが、キャンペーンの詳細をご存じない方はお手数ながら私のサイトの下記のページでご確認ください。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/ED2/E08-26.html

 ついでにお知らせしておきますと、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業に当方のできる範囲内であたうかぎりの透明性をもたらすために開設した下記のページ、本日も更新いたしましたのでどうぞご覧ください。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/kurabiraki.html#anchorkura00

 これは「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき事業紹介【001】」と名づけたページなのですが、もしも自分が携わっている事業の情報をインターネット上に公開し、透明性を高めるとともにPRも進めたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、当方のサイトで【002】以降のページを提供いたします。お気軽にお申しつけください。当方のメールアドレスは下記のとおり。

stako@e-net.or.jp

 さるにても、∴切磋琢磨∴さんのご投稿はたいへん嬉しくありがたいものでした。今後ともよろしくお願いいたします。

 なんてこといいながら「江戸川乱歩著書目録 SPECIAL THANKS」、本日の増補分は次のみなさんとなりました。

 大熊宏俊 平山雄一 南陀楼綾繁 こま 藤原編集室 櫻井清彦 本多正一 清水信(敬称略)

 どうもありがとうございました。


●1月31日(土)

 1月26日付中日新聞の愛知県のほうの地方版に「小酒井不木の世界」展の記事が掲載されたようです。中日新聞オフィシャルサイトから一部引用しておきます。

探偵小説作家・小酒井不木の企画展

長男の妻が来場

 蟹江町出身の探偵小説作家、小酒井不木(ふぼく、一八九〇−一九二九年)の長男の妻美智子さん(80)=東京都大田区=が二十五日、企画展「小酒井不木の世界」(同町教委主催)が開かれている町産業文化会館を訪れた。

 不木は日本の探偵小説の草分けとして多くの業績を残した作家。今回の企画展では、直筆原稿、出版物、俳句の掛け軸などでその足跡を紹介しており、美智子さんが同町へ寄贈した不木の直筆書や肖像画なども展示されている。

http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20040126/lcl_____ach_____007.shtml

 小酒井美智子さんも八十歳におなりですか。律儀な方で、『江戸川乱歩著書目録』をお送りしたところ懇篤なお礼のお葉書を頂戴いたしました。「四月一日は不木没後七十五周年になります」とお書き添えいただいてあったのですが、そろそろ『江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』(仮題)のことでご挨拶にあがらなければなりません。

立てといっても立たないじょ

 しかし肝心の何があれだもんなー、とか思いながら本日も例の掲示板へ世直し行脚に赴きました。

投稿者:中 相作
投稿日:2004/01/31(Sat) 09:23 No.174
[166.2.215.220.ap.yournet.ne.jp]

タイトル:立て、立つんだハタ坊だじょー

 ●∴切磋琢磨∴様

 ご投稿ありがとうございます。ご自身の店舗経営最優先でよろしくお願いいたします。ところで、この長い屋号のお店の信頼を回復するのは至難のことではないでしょうか。最初から信頼なんてなかったのかもしれませんし。とにかくこのお店の経営者には、もうやめたら? とアドバイスしてさしあげたいような。

 とはいえ、せっかく「あしたのために」を引き合いに出していただいたのですから(丹下段平のとっつぁんもさぞや大喜びしていることでしょう)、関係各位にもう一度だけアドバイスをば。しかしいまとなっては、「きのうのために」のアドバイスにしかならないか。

 ●二〇〇四伊賀びと委員会の皆様

 いまやみなさんにできるのは、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の公開性を少しでも高めることしかありません。こんなのは私が以前からしつこく申しあげてきたことで、みなさんにもご理解いただいているだろうなとは思うのですが、それが委員会の活動に示されないのであれば理解できていないのと同じことです。

 公開性を高めるためには何をすればいいのか、10月31日付投稿の「あしたのために、その一」から引きますと──

 より詳細な事業実施計画案をオフィシャルサイトで公開するようアドバイスいたします。

 一事業に一ページをあててください。三百事業あるのなら三百ページが必要です。それぞれのページには、事業名、提案者名、要求予算額、獲得予算額、事業の内容(趣旨、目的、日程、会場、関係者名、その他いろいろ)と予算の内訳なんてところを記載して、予告、経過報告、終わったあとの評価も書き込みましょう。

 ──ということです。事務局の発表によれば事業数は百三十三ですから、一事業一ページで計百三十三ページをアップロードすればいいだけの話です。私のサイトの「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき事業紹介【001】」(アドレス下記)みたいなページが一挙に百三十三も閲覧できるようになるのですから、PRの役にも立つでしょう。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/kurabiraki.html

 私みたいに二〇〇四伊賀びと委員会とは無縁な人間でもこんなページを開設してるんですから、みなさんももう少し真剣になってくれんかね。さらには、外部から寄せられた意見や提案、事業実施後の感想や評価も記載すれば、私のサイトの「江戸川乱歩著書目録 SPECIAL THANKS」(アドレス下記)みたいな感じになって面白かろうと思われます(これは半分は『江戸川乱歩著書目録』の宣伝。買ってね)。

http://www.e-net.or.jp/user/stako/ED1/E01-pr2.html

 作業が大変だとおっしゃいますか。むろん掲示板管理人の方がすべてやるとなればすこぶる大変ですが、業者にアウトソーシングすれば済む話です。なにしろこの事業では予算総額三億円(正確には三億三千万ちょい)のうち広報費(広報・宣伝・記録費)がなんと一億円を占めてるわけですから、事業紹介ページ作成の費用など広報費からいくらでも捻出できるでしょう。とにかくせっかくのオフィシャルサイト、フルに活用しない手はありません。

 地元メディアもおおいに利用するように、とのアドバイスも以前投稿いたしましたが、地域雑誌「伊賀百筆」の特集の話はその後どうなっているのでしょうか。3月発行の第十三号で特集を組んでもらい、たとえば一ページ二事業ずつの割り当てですべての事業を紹介するようなことを考えてみてもいいのではないかと思います。というか、せめてそれくらいのことやってくれんかね。

 もちろんこの「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業には、28日付のご投稿で芭蕉さんのファンさんが「原点から、ずれている」と厳しく指摘していらっしゃるような本質的な問題があるのですが、それはいまさらどうすることもできません。みなさんに本質的な問題を考えろと申しあげるのは、犬に逆立ちしてみろというようなものでしょう(逆立ちできる犬もいるみたいですけど)。

 しかし私の「あしたのために」のアドバイスなら、みなさんが実行に移すことも充分に可能なはずです。ぜひご検討くださいな。というかですね、そろそろ誰かしかるべき人間がこの掲示板に投稿して、二〇〇四伊賀びと委員会がいまいったいどうなっているのか、何を考えているのか、何をやろうとしているのか、きちんと説明してくれたらありがたいわけですが。無理かな。

 以上、あしたのために番外篇、でした。

 立て、立つんだ、二〇〇四伊賀びと委員会。

 たぶん立てぬのであろうな。