きのうにつづいてまいりましょう。名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトのてんやわんや議事録2005年8月篇です。「名張まちなか再生プランの真実、ていうかインチキ」から転載。
■8月2日、名張まちなか再生委員会事務局から不肖サンデーに対し、
「現段階では乱歩に関して外部の人間の話を聴く考えはない」 |
という歴史拠点整備プロジェクトの回答が電話で伝えられました。
■8月2日、掲示板「人外境だより」に「新 怪人二十面相」から投稿がありました。一部引用。
■8月3日、「人外境だより」に「新 怪人二十面相」から投稿がありました。一部引用。
歴史や文化はこの域でないと語るなと
見受けられるような主、 |
同日、「怪人22面相」からも投稿がありました。
■8月4日、「人外境だより」に「怪人19面相」から投稿がありました。一部引用。
そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!
回りくどい難しい言い回しでわかりにくいことくどくどゆうな、ボケ! |
■8月8日、名張市役所の市議会特別委員会室で「名張市議会議員の先生方のための乱歩講座」を開いていただき、不肖サンデー僭越ながら講師を相務めました。出席は二十議員中十四議員。右のリンク先「人外境主人伝言2005年8月下旬」から引きますと、不肖サンデーこのように申しあげて講座を終えました。
「名張市はもう乱歩から手を引くべきであると思います」 |
■8月17日、名張まちなか再生委員会の役員会が開かれました。不肖サンデー事務局に対して委員会の協議内容を公表するように要請してあったのですが、右のリンク先「人外境主人伝言録2005年10月中旬」から引きますと、
委員会の審議のプロセスを公表するべきかどうか、公表するとすればどんな方法によるべきか、そういったことを事務局が役員に諮るには至らなかったとのことでした。理由は、事務局側の準備不足と、議題が多かったことによる時間不足だったそうです。 |
■8月29日、不肖サンデー名張市の生活環境部宛にメールを送信し、生活部長に「写したくなる町名張をつくる会」についての見解をお訊きしました。右のリンク先「人外境主人伝言2005年9月上旬」から一部引用。
今回の問題でとくに重要なのは、彼らの投稿内容が、彼らの活動そのものの愚劣さや欺瞞性を浮き彫りにしているのみならず、市民公益活動実践事業全体を貶める結果を招き、ひいては名張市のイメージまで悪化させてしまうのではないかと懸念されることです。この事業を手がける生活環境部の長という重職にお就きの貴職は、この件に関してどのような見解をお持ちでしょうか。また、何らかの措置をお考えでしょうか。 |
■8月30日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第三回会合が開かれました。名張市に対する公文書公開請求によって入手した議事録から転載。
(1)開催の目的と協議事項
1. 目的
整備に向けて、地区内の資源の確認と、活用できる細川邸や桝田医院等の確認、整備後の維持管理運営について協議する。
2. 協議事項
・対象地区のまちづくり資源(都市空間)の確認
・細川邸や桝田医院を整備する目的の再確認
・目的達成のための維持管理運営についての確認
(2)協議決定結果
1. 決定事項
・細川邸の川蔵は、川側からの景観を考えると残すべきであるが、補修費用と効果を考えて今後検討すべき。
・乱歩文学館的施設は市町村が運営するか、財団法人化している場合が多い。今後は乱歩文学館の運営方針もあわせて検討が必要。
・名張まちなか再生委員会で細川邸などの施設を管理するのは難しい。NPO なども含み公設民営を検討する別の組織づくりが必要である。
・細川邸と桝田医院第2病棟跡地活用施設を管理や事業収支も含め一体的に検討していく必要がある。
2. 課題その他
・市が管理しているまちなか再生費を、ゆめづくり交付金のような使い方で運用できないのか?
・事業の進捗が遅い。細川邸は老朽化して危険な状況である。早期に解体を願いたい。
・細川邸を管理運営するにあたっては、行政からのある程度の支援制度も検討願いたい。
・藤堂家邸なども含むまちなか全体の管理運営を一体的に検討すべき。名張地区まちづくり推進協議会の位置づけや TMO などの制度に関しても今後検討が必要。
・乱歩生家の長屋は三軒つながりであったので、一つは生家、一つは資料館、一つは憩いのスペースとして再生する案も乱歩蔵びらきの会で検討中である。 |
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2005年は7月につづいて8月もまた気のふれたような夏となりました。とくに笑えたのは「新 怪人二十面相」だの「怪人22面相」だの「怪人19面相」だのと名乗って掲示板「人外境だより」に噴飯ものの投稿をしてくださったあほのみなさんですけれど、あのみなさんはいまも元気にしていらっしゃるのでしょうか。それにしたってお里が知れるぞ。だいたいが、
「ようこそ からくりの町 なばりへ」
なんていってしまったら7月29日の歴史拠点整備プロジェクトの会合で、
──細川邸は、歴史資料館ではなく“(仮称)初瀬街道からくり館”を基本テーマとする。
と勝手に決めてしまった人たちのお仲間だということはすぐに知れますし、
「歴史や文化はこの域でないと語るなと 見受けられるような主」
なんていってしまったら手前どもは歴史や文化のことをよく存じませんので歴史拠点整備プロジェクトの協議が全然前に進みません、どうもいけませんやとみずから告白しているのとおなじではないか。きわめつけというべきは、
「そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!」
との宣言であって、あーあ、とうとうゆうてしまいやがったあのあほ、と歴史拠点整備プロジェクトの内部にもこの投稿に舌打ちした方がいらっしゃるのではないかと拝察された次第でしたが、ちょっとつっつかれただけでここまでうちつけに本音を吐露してしまうばかというのも珍しい。しかしプロジェクトにおける自身の役割に忠実であろうとしたがゆえの投稿であったのだと考えてみれば、ばかはばかなりに一生懸命であったのだなとそぞろあわれをおぼえぬでもありません。ま、いくら一生懸命になったところでばかはばかなんですけど。
そんなことはともかく、8月30日の第三回会合。協議がほんとに前に進んでおりません。「今後検討すべき」「検討が必要」「検討していく必要がある」。こんなことばっか話し合われていたみたいです。
つづいて9月。ほかの事項は省いて議事録の内容だけ転載。
■9月14日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第四回会合が開かれました。名張市に対する公文書公開請求によって入手した議事録から転載。
(1)開催の目的と協議事項
1. 目的
細川邸及び桝田医院第2病棟跡地活用施設に関して協議・検討し、方向を定める。
2. 協議事項
・まちなか再生プランの基本戦略(案)について
・細川邸・桝田医院第2病棟跡地活用施設の基本戦略(可能性のある導入機能(各邸の役割)、導入機能の枠組図)について
・整備イメージについて
(2)協議決定結果
1. 決定事項
・母屋や蔵の整備に加えて、新たに中庭を囲うような外カフェを作るのは面白い。二期工事になってもいいので、絵としては表現しておくべき。
・細川邸は、あくまでも公設民営によるまちなか再生の契機となることが前提である。行政として全く支援しないということではないが、基本は民営で検討する。
・(仮称)初瀬街道からくり館、(仮称)江戸川乱歩記念館の公設民営における民側の組織設立にむけた、研究会準備会のような組織が必要である。
2. 課題その他
・細川邸の井戸や土間、土蔵は活かすべきであるが、整備するにあたっては、まず何をやりたいか、継続するための戦略と運営主体を決めることが重要である。
・細川邸は、公設公営でなく、公設民営が基本である。だからまず運営主体を明確にすべき。
・細川邸は、地区のコミュニティを満足させる施設にするのか、経営の視点で整備するのかで大きく異なることになるが、みんなで参加できるまちづくりに資することが重要である。
・桝田医院第2病棟跡地については、生家の復元と展示室や子供たちが乱歩作品を読める場所を確保したい。
・桝田医院第2病棟跡地活用施設の整備方針は、本 PJ でも十分に協議してきていない。現在の案をたたき台にして、案を煮詰めていく必要がある。
・桝田医院第2病棟跡地活用施設に関しては、細川邸と同じ公設民営の視点でも性格は異なる。財源の問題も含めて運営の母体となる組織で具体的に検討していきたい。
・この PJ 委員は気楽なイメージで参画している。長い目で徐々に管理組織を立ち上げていくべきである。 |
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「この PJ 委員は気楽なイメージで参画している」などとほざいたのはどこのどいつか。どこのうすらばかか。税金の具体的なつかいみちを決める場に気楽なイメージで参画しておるというのかこのばかは。
いやまあそんなことはいいけど、
──細川邸は、あくまでも公設民営によるまちなか再生の契機となることが前提である。行政として全く支援しないということではないが、基本は民営で検討する。
とはどういうことでしょう。案じますに、8月30日の会合で課題とされていた「細川邸を管理運営するにあたっては、行政からのある程度の支援制度も検討願いたい」との要請を受けて行政サイドから伝えられた方針であると見るべきなのでしょうが、「基本は民営」などと断定する根拠はどこにあるのか。名張まちなか再生プランに、
──なお、歴史資料館の管理運営は民間が担う公設民営方式とします。
と記されている文言が唯一の根拠でしょう。しかもこの文言には「公設民営方式」とすべき理由や背景はいっさい記されておらず、「なお」という接続詞を使用してまるでついでに書いときますみたいな感じになっているのがずるいといえばとてもずるい。
10月を見てみましょう。10月13日、さる市民団体の手で近鉄名張駅東口にニューヨークの写真が掲げられたのですが──
同日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第五回会合が開かれました。名張市に対する公文書公開請求によって入手した議事録から転載。
(1)開催の目的と協議事項
1. 目的
名張まちなか再生委員会・再生整備プロジェクトにおけるこれまでの活動実績を確認するとともに、細川邸や桝田医院第2病棟跡地活用施設の整備方向に関して再確認する。
2. 協議事項
・名張まちなか再生委員会・再生整備プロジェクトにおけるこれまでの活動実績について
・細川邸や桝田医院第2病棟跡地活用施設の整備方向について
(2)協議決定結果
1. 決定事項
・細川邸整備後の維持管理方針に関しては、交流拠点整備 PJ との連携により、運営に関する実行委員会的組織の設置を検討していく。
・細川邸の改修費に関しては、地元住民による管理運営体制をふまえながら予算化を検討していく。
・細川邸の解体除却工事は、11月に業者が決まり、年内には解体除却工事に着工する予定である。
2. 課題その他
・桝田医院第2病棟跡地活用施設に関しては、方向として生家の復元と、資料館的な施設整備を行うこととなっているが、今後詳細は教育委員会や図書館関係者も加わり、専門組織で煮詰めていく必要がある。
・桝田医院第2病棟跡地活用施設に関しては、東京都豊島区の幻影城との関係にもこだわって検討していくべき。
・細川邸と桝田医院第2病棟跡地活用施設は一体的に検討するのが有効である。
・歴史拠点整備 PJ に関して施設の整備方向は概ねそろった。あとは管理運営面を検討していく必要がある。
・青蓮寺湖や赤目四十八滝への観光客が酒蔵の見学に来る際に、大型駐車場の有無の問い合わせがある。名張まちなか再生には駐車場の問題も今後検討する必要がある。 |
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相も変わらず「検討していく」だの「煮詰めていく必要がある」だの「検討していく必要がある」だのばっかです。プロジェクトのメンバー各位におかれましては何かを検討しなければならないということはさすがにご理解いただけているようであるけれど、いつまでたってもその検討がはじまりません。つまり検討する能力がないわけです。誰だこんなうすらばか集めてきたのは。名張市はこんな役立たずなみなさんにお集まりいただいていったい何をしたかったのでしょうか。
──桝田医院第2病棟跡地活用施設に関しては、方向として生家の復元と、資料館的な施設整備を行うこととなっているが、今後詳細は教育委員会や図書館関係者も加わり、専門組織で煮詰めていく必要がある。
といった課題にいたっては、自分たちは無能力だから専門組織をつくってくれないと話がいっこうに進まないと宣言しているようなものではありませんか。しっかりしろばーか。
11月。
■11月10日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第六回会合が開かれました。名張市に対する公文書公開請求によって入手した議事録から転載。
(1)開催の目的と協議事項
1. 目的
これまでの再生整備プロジェクトにおける活動実績をふまえ、その成果を共有するとともに、今後の活動方向に関して意見交換をする。
2. 協議事項
・細川邸と桝田医院第2病棟跡地活用施設について
・今後の再生整備プロジェクトの活動計画について
(2)協議決定結果
1. 決定事項
・細川邸や桝田医院第2病棟跡地活用施設はまちづくり交付金事業で整備していくことは決まっている。
2. 課題その他
・まちづくり交付金事業の残りの年度で、早く成果が目にみえるものとなるよう地元に事業計画を示してほしい。
・細川邸の整備費に関しては、行政側は費用対効果の話をせざるをえない状況もある。このため、民側において管理運営面の検討をお願いしたい。
・細川邸の解体除却工事受注業者も決まり、今後は管理運営面を検討していく必要があるが、歴史拠点整備 PJ ではこれ以上議論が難しい。
・(仮称)まちづくり研究会のような専門組織で管理運営面を検討していく必要がある。 |
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行政サイドの本音が語られました。
──細川邸の整備費に関しては、行政側は費用対効果の話をせざるをえない状況もある。このため、民側において管理運営面の検討をお願いしたい。
とはどういうことか。「行政側は費用対効果の話をせざるをえない状況もある」とはどういうことか。民間だって費用対効果の話はするわけである。ていうか、費用対効果の話なんてのはもともと民間のものであって、遅ればせながら費用対効果のことを行政が口にしだしたのはごく最近のことである。そして費用対効果を勘案した結果、名張まちなかから商業者がどんどんどんどん撤退していったのである。そんな不景気なまちなかで名張市は「民側において管理運営面の検討をお願いしたい」と虫のいいことをいってるわけね。細川邸を公設民営方式とやらで整備しなければならぬ理由を説明することなどいっさいせず、ただ行政には対面とか面子とかがありまして費用対効果の面でマイナス評価が出た日には誰から何をいわれるか、ですからハコだけは税金でちゃんと整備いたしますのであとは民間の努力でもってなんとかひとつまあ、なんてこといってるわけね。換言するならば、名張まちなかにどんな施設をつくってたとえば入場料を徴収してみたところで収支がつぐなうはずがない、という認識を名張市は示しているわけなのね。これってひどくね?
12月。
■12月11日、名張まちなか再生委員会歴史拠点整備プロジェクトの第七回会合が開かれました。名張市に対する公文書公開請求によって入手した議事録から転載。
(1)開催の目的と協議事項
1. 目的
細川邸の解体除却現場をみながら、川蔵の必要性等に関して協議するとともに、今後の協議・検討の進め方に関して意見交換する。
2. 協議事項
・細川邸解体除却現場の確認
・今後の進め方について意見交換
(2)協議決定結果
1. 決定事項
・プロジェクトとしては母屋を改修し蔵も残していく方向での結論を整理したが、川側の土蔵を含み細川邸整備の具体的な判断は、実際に細川邸を活用して事業を展開する(仮称)管理運営委員会的組織が検討していく必要がある。
2. 課題その他
・川蔵は景観的な意味からは残すべきであるが、使い方が決まっていないのに単に残すのはおかしい。
・細川邸の解体除却は12月22日が工期となっているが、蔵やアオギリなどの対処もあるため工期延長なども含めて検討している。
・現場にある自然石は活かすべきである。
・今後3年間の事業予算の具体案を提示すべきである。
・H16〜H20年度でまちなか再生は3億円程度に事業規模を絞り込んでいくこととしたが、予算ありきの議論ではなく、今後まちづくりにどう取り組んで行くのかが重要である。
・H21年度以降は国の事業メニューも検討しながら事業を継続していきたい。
・名張の観光地として赤目四十八滝と青蓮寺ぶどう園に加えて旧町内が重要な位置づけとなるはずである。その意味で細川邸の活用は重要である。 |
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自然石を活かすとかなんとかそんな細かいこという前にもっと検討しなければならぬことがあるだろうが、とも思われるのですが、検討能力皆無なんですから石のことを話題にするしかないのでしょう。石やーきいもー、でも売ってくっか?
顧みますれば細川邸を「(仮称)初瀬街道からくり館」にするとの方針が打ち出されたのはこの年7月29日の会合だったわけですが、12月にいたっても初瀬街道からくり館とやらに関する具体的な協議はまったく行われず、それどころか協議は完全に暗礁に乗りあげてしまって、こうなったら「(仮称)管理運営委員会的組織」みたいなのつくってもらってそこに丸投げするしかないじゃん、みたいな空気が支配的になっていたことがうかがえます。なんかもう怒る気にもなれんけど。
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