昭和5年 1930
1929 江戸川乱歩著書目録 乱歩文献データブック ▲江戸川乱歩年譜集成 1931
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12
孤島の鬼(13)
朝日新年号(2巻1号)1日
▼…暗中の水泳/絶望/復讐鬼/生地獄

蜘蛛男(6)
講談倶楽部新年号(20巻1号)1日
最後の一秒まで/幽霊部屋/魔術師の怪技/意外の人物

猟奇の果(1)
文芸倶楽部新年号(36巻1号)1日
12月まで十二回、7月から「白蝙蝠」と改題
はしがき/品川四郎熊娘の見世物に見とれること/科学雑誌社長スリを働くこと/青木、品川の両人場末の活動写真を見ること
年末より〔略〕一年程(探偵小説十年)
白蝙蝠
三百七十枚

1月
朝寝坊[一癖随筆]
講談雑誌新年号(16巻1号)1日

作者の言葉〔女妖〕
九州日報 30日

孤島の鬼(14/完結)
朝日2月号(2巻2号)1日
意外な人物/霊の導き/狂える悪魔/刑事来る/大団円

蜘蛛男(7)
講談倶楽部2月号(20巻2号)1日
畔柳博士の負傷/野崎青年の危難/桁はずれの悪計/ポスター美人の眼/滴る血潮/深夜の電話

猟奇の果(2)
文芸倶楽部2月号(36巻2号)1日
この世に二人の品川四郎が存在すること/愛之助不思議なポン引紳士にめぐり合うこと/平家建の家に二階座敷のあること/愛之助暗闇の密室にて奇妙な発見を為すこと

女妖
九州日報 1日→
合作(横溝正史と)。昭和4年5月から連載の翻訳「覆面の佳人」を改題、創作として発表。満州日報には1月28日から連載
8月まで百七十六回
雪中の惨劇/死人の横顔/古びたる肖像画/時計の中/富豪の秘密/奇怪の曲者/犯人は?/霧の運河/古塔の老婆/過去の影/打続く惨劇/恐怖の別荘/奔馬/黒い棘/疑問の家/袋の鼠/剥がれた仮面

2月
蜘蛛男(8)
講談倶楽部3月号(20巻3号)1日
失望した波越警部/異国風の怪人物/刑事部長の旧友/ズバ抜けた偽瞞/偽瞞の数々/蜘蛛男対明智小五郎

猟奇の果(3)
文芸倶楽部3月号(36巻3号)1日
愛之助、両品川の対面を企てること/両人奇怪なる曲馬を隙見すること/自動車内の曲者煙の如く消え失せること/品川四郎闇の公園にて媾曳すること

女妖
九州日報 

3月
蜘蛛男(9)
講談倶楽部4月号(20巻4号)1日
M銀行麹町支店/一足違いに/離れ業/骸骨の用途/死体の変装手術/二老人

猟奇の果(4)
文芸倶楽部4月号(36巻4号)1日
夕刊の写真に二人並んだ品川四郎のこと/青木品川の両人実物幻灯におびえること/持病の退屈がけし飛んでしまうこと

女妖
九州日報 

4月
夢野久作氏[猟奇文壇あらべすく]
猟奇4月号(3年3輯)1日

蜘蛛男(10)
講談倶楽部5月号(20巻5号)1日
格闘/通り魔/奇怪な情死/パノラマ人形/蠢く触手

猟奇の果(5)
文芸倶楽部5月号(36巻5号)1日
奇蹟のブローカーと自称する美青年のこと/血みどろの生首を弄ぶ男の事

女妖
九州日報 

5月
テトラガミイ
漫談5月号(1巻3号)1日
五・三・一六

エミール・ガボリオウ集
訳『首の綱』探偵小説全集第十八巻 春陽堂 15日
翻訳(代訳)
首の綱
エ・テ・ア・ホフマン集
翻訳(代訳)
アンドレ・ド・ロルド集
翻訳(代訳)
仮面城夜話

蜘蛛男(11/完結)
講談倶楽部6月号(20巻6号)1日
非常誘拐/悪魔の美術館/探偵人形/大団円

猟奇の果(6)
文芸倶楽部6月号(36巻6号)1日
愛之助己が妻を尾行して怪屋に至ること/愛之助遂いに殺人の大罪を犯すこと/殺人者自暴自棄の梯子酒を飲み廻ること/愛之助遂に大金を投じて奇蹟を買求めること

女妖
九州日報 

6月
作者の言葉〔魔術師〕
講談倶楽部6月号(20巻6号)1日

小酒井博士と探偵小説
少年冒険小説全集第三巻月報 平凡社 13日

魔術師(1)
講談倶楽部7月号(20巻7号)1日
昭和6年6月まで十一回
美しき友/早業!/幽霊通信/真赤な猫
昭和五年より六年に亘り〔略〕一年程(探偵小説十年)
五百枚

白蝙蝠(7)
文芸倶楽部7月号(36巻7号)1日
「猟奇の果」を改題し、連載を継続
奇怪、奇怪、第三の品川四郎のこと/小雀の青木芳江を一寸だめし五分だめしのこと/今様片手美人のこと/さて、名探偵明智小五郎登場のこと

女妖
九州日報 

7月
見えぬ兇器
大阪朝日新聞 3日

妖犬〔コナン・ドイル「バスカーヴィル家の犬」〕
『恐怖の谷・妖犬』世界探偵小説全集第一巻 平凡社 15日
翻訳(代訳=井上勝喜)
恐怖の谷〔コナン・ドイル〕(翻訳)
翻訳(代訳=井上勝喜)

魔術師(2)
講談倶楽部8月号(20巻8号)1日
無残絵/巨人の手型/獄門舟/窓なき部屋/肉仮面/水、水、水

白蝙蝠(8)
文芸倶楽部8月号(36巻8号)1日
マグネシウム/赤松警視総監/現場不在証明/白い蝙蝠

女妖(完結)
九州日報 →14日

8月
推讃の辞〔土師清二「血ろくろ伝奇」〕
キング8月号(6巻8号)1日
作者──江戸川乱歩氏曰く〔黄金仮面〕

補遺二冊発行に就て
小酒井不木全集ニュース3号 改造社 18日

黄金仮面(1)
キング9月号(6巻9号)1日
昭和6年10月まで十二回
金色の恐怖/大真珠/恐ろしき喜劇/黄金の守宮
昭和五年より六年に亘り〔略〕一年程(探偵小説十年)
四百二十八枚

魔術師(3)
講談倶楽部9月号(20巻9号)1日
[時計塔の巻]名探偵の溺死/怪文字/殺人第三/幽霊塔/断頭台

江川蘭子(1)
新青年9月号(11巻12号)1日
連作(2 横溝正史「絞首台」/3 甲賀三郎「波に躍る魔女」/4 大下宇陀児「砂丘の怪人」/5 夢野久作「悪魔以上」/6 森下雨村「天翔ける魔女」)
昭和6年2月まで六回
[発端]赤き泉/軽業師/眠り薬
三十枚

白蝙蝠(9)
文芸倶楽部9月号(36巻10号)1日
恐ろしき父/不可思議力/幽霊男

吸血鬼
報知新聞夕刊 27日→
昭和6年3月まで百三十八回
決闘/唇のない男/茂少年/悪魔の情熱/奇妙な客/妖術/名探偵/裸女群像/青白き触手/女探偵/お化人形/離れ業/飛ぶ悪魔/海火事/三つの歯型/意外な下手人/母と子/葬儀車/生き地獄/墓あばき/魔の部屋/一寸法師/井戸の底/三幕目/真犯人/最後の殺人/逃亡/執念
九月頃より翌六年に亘り六ヶ月程(探偵小説十年)
地獄の仮面
四百八十枚

9月
岩田準一君の挿絵
大衆文学月報9月号 平凡社 1日
昭和2年10月の同題作品と同文
江戸川乱歩略歴 乱歩記
昭和2年10月の同題作品に加筆
探偵作家一本参る話[大衆茶話] 乱歩
昭和2年10月の同題作品と同文

作者の言葉〔吸血鬼〕
報知新聞夕刊 26日

黄金仮面(2)
キング10月号(6巻10号)1日
大空の縊死体/怪しき声/美子姫/小美術館/浴場の怪人/A・Lの記号

魔術師(4)
講談倶楽部10月号(20巻10号)1日
[美人解体の巻]花園洋子/大魔術/麻の袋

白蝙蝠(10)
文芸倶楽部10月号(36巻11号)1日
名探偵誘拐事件/トランクの中の警視総監/二人令嬢

吸血鬼
報知新聞夕刊 

10月
無産階級の家庭[長篇寄稿家家庭アルバム]
キング10月号(6巻10号)1日

絹帽の男──ネイル・クリーム
文学風景10月特輯号(1巻6号)1日
代作(井上勝喜)。11月の『変態殺人篇』収録の同題作品を先行して掲載

序にかえて
『蜘蛛男』大日本雄弁会講談社 20日
大正14年10月の「映画の恐怖」に加筆し、改題

本当の面白さ──「身代り紋三」のこと
東京通信183号 23日

黄金仮面(3)
キング11月号(6巻11号)1日
意外! 意外!/鎧武者/奇妙な呼吸器/第二の殺人

魔術師(5)
講談倶楽部11月号(20巻11号)1日
[逃走奇術の巻]明智小五郎/屋根裏の捕物/五色の雪

白蝙蝠(11)
文芸倶楽部11月号(36巻12号)1日
乞食令嬢/麻酔剤/露顕/悪魔の製造工場

吸血鬼
報知新聞夕刊 

11月
著者曰く〔『蜘蛛男』広告〕
講談倶楽部11月号(20巻11号)1日

1頁自伝
モダン日本11月号(1巻2号)1日
江戸川乱歩小伝

変態殺人篇
『変態殺人篇』世界犯罪叢書第二巻 天人社 15日
代作(井上勝喜)
〔短篇集〕絹帽の男/美少女の妄想/寝台下の男/白眼鬼/夜の恐怖/悪夢/毒菓子/人間ゴリラ/セーヌ河の白骨/偽電/矮人/鬼女/二人大学生/屠殺者トロップマン/精力素/愛児殺し/白面の殺人鬼/臀肉切り事件/生疵に埋る女/湯帰りの惨劇

性慾の犯罪性
世界犯罪叢書第二巻月報 天人社 15日

「蛭川博士」
大衆文学月報 平凡社 ?日

刊行に際して
世界猟奇全集内容見本 平凡社 ──

黄金仮面(4)
キング12月号(6巻12号)1日
恐ろしき水罠/名探偵の腹痛/黄金仮面の恋/怪賊現わる

魔術師(6)
講談倶楽部12月号(20巻12号)1日
[殺人映画の巻]奇妙な取引/ダイヤモンド/殺人映画

白蝙蝠(12/完結)
文芸倶楽部12月号(36巻13号)1日
▼…人間改造術/大団円

吸血鬼
報知新聞夕刊 

12月
作者の言葉〔暗黒星雲→盲獣〕
朝日12月号(2巻12号)1日

「女」について
世界猟奇全集月報2号 平凡社 10日
同月の「序に代えて」を改題し、先行して掲載

序に代えて 訳者
訳『女怪』世界猟奇全集第三巻 平凡社 23日
女性について
女怪〔ゴーチエ「モーパン嬢」〕
翻訳(代訳)

掲載2000年5月18日 最終更新2006年 12月 19日 (火)