高倉谷〜高倉林道スキー '03.1
 '03の正月は、能郷白山から金草岳までのスキー縦走を試みたが、体力不足に加え、ビンディングの不調やら積雪状況の見込みが外れたことが重なって、完全な失敗山行になった。で、次回チャンスが巡ってくるまでに、冬の越美国境稜線をぼちぼちと調べることにした。といっても冬期のこの地域へのアプローチは、美濃側はもとより越前側も積雪通行止めの道路が多く難しくて、どこから手をつけるかおおいに迷う。
 まずは、計画の到達点としていた高倉峠付近の状況を調査する。ここなら瀬戸までの道路は除雪があるので安心だ。

 今年('03)の雪の状況であるが、1月上、中旬の降雪は少なく、高倉から峠へ向かう尾根ルートの積雪は思ったよりも遥かに少なかった。まだ1月下旬だというのにまるで春先なみの積雪。薮が充分埋まっておらず、スキーが潜る。登りの急な部分ではラッセルと薮漕ぎに苦しめられた。

 たどってみてわかったことは、高倉峠から越前側へ下るには、旧高倉峠越えの尾根道は傾斜がありすぎて、スキーの利用は現実的ではないこと。雪崩の心配があり、距離も長くなるが高倉林道を使う方が問題が少ないことだ。(1月19日たどる。瀬戸発9:15-高倉峠12:45--13:30-高倉林道経由瀬戸帰着15:45)

右又出合

1  高倉谷林道。比較的潜らず、快適なシール歩行

2  東高倉谷第一支流出合にある石積み堰堤の先の鉄橋を渡り、第二支流右岸の植林帯を15分ほど登る。薮で行き詰まった地点で第二支流を徒渉、左岸の尾根に取付く

3  渡渉地点を誤らず、ルート選定が適切であればスキーを脱がずに尾根の上へ出ることができるが、下部300mほどの傾斜はかなり急で、部分的にはブッシュを掴んでの階段登高を強いられる

4  標高800mくらいになると尾根の傾斜も緩み、雪もようやく締ってくる。しかし、断続的に急な部分もあり、気は抜けない。風あたりも強くなる

5 高倉峠から林道の滑降開始。出だし500mくらいは東高倉谷第二支流上部の急斜面に吸収されていて、デブリも目立つので、林道滑降の安心感はない。転倒すると谷底まで持って行かれそうな恐怖感を感じる。靴紐を締め直す。降雪直後の通過は危険

6 斜面の傾斜に慣れてくると、林道もよく滑るようになる。雪崩の心配も少なくなる

7 風吹谷出合の橋付近まで下ると、道を沢が横切る部分では、地面が露出し、雪は腐ってくる。林道の傾斜も緩くなり、ヒール解放して雪を蹴る

8 藤倉谷本流を見下ろすようになると、斜面上方に事業所のような建物があり、車が登ってきている。雪面が荒れてスキーを脱着させられる

9 芋ヶ平集落あとは一部地面が露出

10 芋ヶ平下流約3km地点付近のログハウスのある部分からは完全に除雪されている。スキー脱ぐ

:出発点、瀬戸の積雪状況。何と、下調べした先週よりも雪が減っている!

:たどりついた高倉峠

:高倉峠から美濃側。下山アプローチの手配ができるなら、一度スキーで越前から美濃への長旅をしてみたいものだ

:峠から越前側、田倉川、杣木俣、日野山