江美国境 三国スキー縦走
 奥美濃江美国境稜線を春用のショートスキーで楽しめないか、と入る。稜線を単に歩くだけのために、長いアプローチをするのはマッピラだ、なんて年甲斐もなく大口をたたいていた。期待は見事に裏切られ、雪が少なく、ヤブコギがほとんど、というお粗末。スキーには一月遅かったのである。(でも3月はナダレが怖いしなあ...)
右又出合 4.14 雨のち曇り
 広瀬発12時50分。川上を過ぎ、荒れた坂内林道へ入る。ダムを過ぎると林道は急傾斜の雪に埋まり、雪崩に気を配りながらのトラバースが続く。途中、大きなブロックに行く手を遮られ、山側の壁を巻かされる。大松尾谷出合でビバーク、17時30分。

4.15 曇りのち晴
 6時15分発。池ノ又林道へ入り、終点で谷へ下る。7時。雪渓は寸断され、渡渉と高巻きの繰り返し。8時、谷通しを断念し、右岸の尾根に向かって沢状の雪面を登る。尾根へ出ると谷の奥に夜叉壁が見える。緩やかな尾根をたどると、江美国境1200m峰着、9時40分。雲行きが不安なので夜叉ガ池往復をあきらめ、スキーをつけて南へ向かう。三国ガ岳10時45分。この先国境稜線はヤブが立ちはじめてスキー不可。時折現われる密薮に消耗させられ、行程がはかどらない。1050m三角点着、14時50分。ここからは地形が複雑で両斜面の沢を登降し、1000m分岐峰着、16時。江美国境と別れ、横山岳へ向かう稜線をとる。17時、ビバーク。

右又出合

4.16 晴
 出発7時15分。この稜線もヤブが多く、滑走不能。とくに横山岳への最後の登りは岩混じりの密薮で進めず、北面の急なルンゼへ横断する。小滝を越え、雪壁を100m右上し、東峰手前のピークに抜け出る。横山岳東峰、10時40分。下りは金居原尾根をとり、900m付近までスキー。尾根の下部で過って網谷右俣へ入り、連瀑帯の高巻きを強いられる。15m滝を最後に踏み跡が現われ、林道を経て杉野バス停着、13時50分。

池ノ又右岸の尾根を登る

林道から三峰頂上

左:薮が出た江美国境稜線

右:三国ガ岳頂上と薮山用ショートスキー