曽爾・紅ヶ岳西面無名ルンゼ
右又出合  室生火山群の山々のはずれに紅ヶ岳は位置するわけだが、比較的知られていないので、他に比べて静かな山歩きが楽しめる。山の西面には、小太郎や鎧岳と同じ、柱状節理の顕著な岩壁が特異な景観を見せる。

 このルンゼは、伊賀見の北はずれから見ると頂上の向かって左側、ブッシュまじりの壁にY字状にくいこみ、高距約250mくらいある。

 瓜ヶ久保集落からタコラ谷沿いの林道を行き、紅ヶ岳登山口から右手へ杉の植林地を抜け、広い伐採跡を横切る。壁に向かってブッシュのガレを登ると、ルンゼ最下段のF1 20m滝下着。取付き14時
(かなり正確にルンゼを目指して進まないと、壁下では場所がわからなくなる。またF1下、向かって左へ50mほど行くと、広い右斜上バンドがあり、これを辿って下部の2p目終了点付近へ出ることができる。)

1p目 滝は垂直で濡れているので10m右の凹角をブッシュを頼りに20m直上。
2p目 ブッシュのバンドを左へ横断し、巾3mのルンゼに入り込み、ホールドの豊富なルンゼを8m直登。
3p目 傾斜の落ちたナメを20m登り、F2に出る。
4p目 F2は7mほどだが、下部のホールドが細かいので、右手の薮の稜へ逃げ、細いブッシュを頼りに20m登ってルンゼに戻る。
5p目 F3 10mも下部が細かく、ロープを解いて右のブッシュの尾根を巻き、滝上で再びルンゼに戻る。
6p目 二条の細い水流をかける、巾広の草付き滝F4 15mは、左端の笹バンドを慎重に右斜上し、スベリ台のようなナメに戻る。
 このあとはロープを解いて、ナメを50m、続くガレを50mほど登ると、ヤブコギになり、さらに5分ほどの薮こぎであっけなく紅ヶ岳へ続く稜線に出た。16時10分
 下りは紅の北西の一般路を下降。
 岩場というより、ブッシュ登り主体であるが、下部3段の滝を直登するつもりで入るとおもしろいだろう。

(OB会のNと登る。1978.10.19)