曽爾・紅ヶ岳南西尾根

春一番の吹く日、ホームで遊ぶ

 靱帯のリハビリを兼ね、かねてから懸案だった紅ヶ岳のルートを見に行く。

 伊賀見の槻の木橋から紅ヶ岳を見ると、頂上直下から急な尾根状の斜面が見える。この部分だけ岩壁が切れていて、うまく植林帯を使えば頂上へ達する最短コースが設定できそうだ。
しかし、下部の斜面から尾根へ乗る直下に岩がありそうに見える。行けるかどうか、50%ほどの確率と見た。

 近場に行く時の常で朝寝坊。自宅出発は11時半ごろになってしまった。伊賀見から滝川林道に入り、桜松峠の下あたりのスペースに置車、12時。
しばらく林道を戻り、間伐した丸太が並べられた所から、仕事道を使って植林の中に入る。12時17分。
この地点から頂上までの水平距離が400m。標高差も400m弱なので、平均斜度は45度ということになる。
のっけから杉の幹に縋っての急登となる。なんという所に植林するんだ、なにもそこまで、という気がする。しかし、ジグザグに切られた仕事道に助けられ、植林帯上端までは苦労なく行ける。植林帯から上はナラなどの木がまばらな気持よい二次林となり、俄然ケモノ道が錯綜する。すまん、ちょっと通らせて下さい。シカの糞を踏まないようにしつつ、丸い尾根上を直登してゆくと、頂上から下ってくる尾根が見える。その手前に若干の段差があり、おおまかな岩場になっている。近付くと、ケモノたちが見事にバンドを利用してその岩場を越えているのがわかる。すまん、オレにも使わせてください。
 尾根の直下は笹薮が濃くなり、ケモノの背丈に屈んで進む。最後に2mほどの段差を越えると、最後の尾根に乗る。梢越しに見える辺りの景色で頂上が近いことを知る。薮の薄い右手斜面沿いに登ると、ぽっかり見なれた頂上に出た。13時10分。
 ごうごうと春一番の風が吹いている。取り付から53分、ゆっくり登ったが植林の仕事道のおかげで予想よりやや早く到達できた。
南西尾根ルート
植林の切れ目から南西壁の下部
取付き点
植林帯を抜け出すと自然林に
尾根の段差間にあるおおまかな岩場
春一番の吹く頂上
 下りは、南の桜松峠へ。置車地点へは、最低鞍部から200mほど登った地点、杉の木に白ペンキで手入れの記録が記された所から仕事道を伝う。最低鞍部から不用意に植林帯を下ると、岩壁に下降を阻まれる場合があるだろう。13時40分。
*最低鞍部まで、東北面飯垣内からニシウラ谷を経て林道が上がってきている。

仕事道もかなりの急斜面をジグザグに下ってゆくが、踏み外しさえしなければ、置車地点にピッタリ下ることができる。14時。

 三交バス槻の木橋から歩いたとしても、紅ヶ岳頂上へ至る最短コースである。('04.2.14歩く)

桜松峠への南尾根
滝川への下降路から紅南面
滝川林道へ下り着く