2007年8月上旬
1日 住民監査請求かましてきましたけど
2日 おかげさまで二周年
3日 二年前の予言の件ですが
4日 一網に解決できるのかな
5日 受理の通知が届きました
8日 夏休みにしようかなと考えたけど
9日 公文書公開請求ジャンキーさ
10日 なんつーか腹が立つほどわけわかんね
 ■8月1日(水)
住民監査請求かましてきましたけど 

 8月を迎えました。

 最近どうもたらたらしておりましたので、月が替わったらちっとは身を入れようと思っていたのですが、どうもよろしくありません。乱歩に関してはモチベーションというものがどっかへ行ってしまった感じです。住民監査請求などという不毛なことに憂き身をやつしておりますと、それはまあびっくりするくらいの徒労感や無力感、ややおおげさにいえば絶望感にうちひしがれてしまいそうになります。こんなことに時間と労力とられてるおれってばか? という気分になって、何をするのも億劫になる。

 ほんとにどうしてこんなことになったのか。名張まちなか再生プランの素案が発表されたとき以来、おれは名張市に対してパブリックコメントを提出し、名張まちなか再生委員会の事務局にも何度となく足を運んで助言忠言進言を行ってきたではないか。だいたいおれは不合理なことや理不尽なことはただの一度もいっておらんのだ。まっとうな市民のまっとうな意見に耳を傾けてさえいればこんな事態にはならなかったはずなのに、それをすべて無視したあげくとどのつまりが住民参加請求か。ばかだなあ名張市。

 いやいや、私の住民監査請求は7月30日に提出したというだけで、いまだ正式に受理されたわけではなく、監査委員事務局からの連絡を待っているところなのですが、それにしてもほんっといやになる。何から何まであほらしくなる。きょうもたらたらしてやろうっと。


 ■8月2日(木)
おかげさまで二周年 

 はよざまーッす。

 体育系クラブの朝練に元気よく顔を出した女子高生の挨拶を真似てみました。だからといってどうということもない。夏の一日が爽快になるなどということはない。なんとも調子が出ない。

 昔はこうではなかった。名張にはもっと活気があった。8月の2日ともなればそれはもうえらいもので、掲示板「人外境だより」あたりにも──

新 怪人二十面相   2005年 8月 2日(火) 14時20分  [219.106.180.232]

ようこそ
からくりの町 なばりへ
僕の計画は、非日常世界をここにつくることです。
スフィンクスも怪人二十面相も、これから出てくるものも
非日常世界です。
君がこの掲示板で他人を名指しで、傷つけ遊んでいますが
僕は、そういう弱いものイジメなる遊びはしない。
これからも、からくりの町 なばりを
楽しみにしておき給え。
           新 怪人二十面相

 こんなぐあいに夏祭りの狂騒を思わせる投稿があったものだ。あれからちょうど二年。わずか二年が経過しただけだというのに、この手のばかはすっかりなりを潜めてしまい、名張のまちもまたいっそうひっそりと静まり返ってしまった。「からくりの町 なばり」などというお題目はとうに忘れ去られている。

 ちなみに、2005年8月の掲示板「人外境だより」におけるすったもんだはこのページでお読みいただけます。

 しかし、しかし調子が出ない。ま、こういうときはあまり無理をしないことだ。


 ■8月3日(金)
二年前の予言の件ですが 

 本日はひさかたぶりで乱歩関連ニュースから。7月13日付伝言でお知らせしましたとおり、名古屋市にある「文化のみち二葉館」で「名古屋の探偵小説展」が開かれてます。中日新聞の7月31日付記事をどうぞ。

 記事を読むかぎりでは、

 ──乱歩が自筆で半生を記録した「貼雑(はりまぜ)年譜」の復刻版や、乱歩と不木の業績と、二人の交流を示す年表、井沢さんが江戸川乱歩賞を受賞した際に受けたシャーロック・ホームズ像の実物、生原稿など、数々の貴重な品が並ぶ。

 なんて感じですから、びっくりするほど充実した展示内容ではなさそうです。しかし郷土ゆかりの文学資料を保存展示するという目的を掲げて開館した施設なのですから、びっくりするほど充実させられるかどうかは別にして、あれこれ知恵をしぼり資料をかき集めて企画展を打ってゆかなければならないのであろうな。予算はけっして潤沢ではあるまい。たいへんだぞ。だから名張市に乱歩文学館なんかつくったらどんなたいへんなことになるのか、糸よりたやすく察しがつくというものではないか。

 そんなことにさえ思いをいたさず、ただ乱歩文学館乱歩文学館とうわっつらのことばかりさえずっていた関係各位はこの際ぜひ「名古屋の探偵小説展」に足を運んで展示を見学し、「文化のみち二葉館」のスタッフからおはなしをお聴きしてきてはいかがなものか。名古屋なんて遠いとおっしゃるのであれば、おとなり伊賀市の芭蕉翁記念館でもいいと思うぞ。

 とにかくそこらの不勉強無教養不見識無責任なうすらばかが一人前な顔して妄想ならべまくっているのが名張市というところなのであって、どーしよーもねーなー低能ども。二年前のてめーの姿ながめてあぶら汗でも流してみるか。

新 怪人二十面相   2005年 8月 3日(水) 11時18分  [219.106.181.254]

名張市市議会議員諸氏へ
歴史や文化はこの域でないと語るなと
見受けられるような主、
又 筆の力で他人様を平然と傷つけられるこころの主、
さらに、いささか古い話ではあるが
天王寺のカラオケの如き精神の主の話など
いらぬことで、それよりもササヤカニ生きている
一般庶民を助けてあげ給え。

新 怪人二十面相

 いきなり「名張市市議会議員諸氏へ」とありますのは、私が五日後の8月8日に「名張市議会議員の先生方のための乱歩講座」の講師を務めることになっていたからだと思われます。

怪人22面相   2005年 8月 3日(水) 14時53分  [220.215.0.39]

敬愛なる中様、独り善がりの一人遊びは楽しいですか?
お相手が必要でしたら、はせ参じたいと存じますのでお声かけください貴方を師とあがめる小市民です。
乱歩を顕彰してきた貴方が誰からも、お相手されない姿を不憫に思います、お気持ちお察しいたします。。。。。。


怪人22面相   2005年 8月 3日(水) 15時28分  [220.215.0.39]

敬愛なる乱歩先生様
人外境の大ファンです。
一人よがりの一人遊びは、楽しいでしょうね、誰にも相手にされないペーソスを感じます。
誰か僕を認めてよ....エーンエーン.....


怪人22面相   2005年 8月 3日(水) 15時36分  [220.215.0.39]

もう書き込みを閉鎖されたのですか?
いろいろお伝えしたいのですが。

 この怪人22面相の正体はすぐに察しがつきましたので、翌4日の投稿に「ご主人にもよしなにお伝えください」と記しておきましたところ、いっさいの音沙汰が途絶えてしまいました。

 かわって登場してきたのがあの伝説のうすらばかでした。

怪人19面相   2005年 8月 4日(木) 0時23分  [220.215.2.92]

猟奇作家ファンの方々には、はたまたSM小説をこよいなく愛される諸兄もよくお聞きください。中さんに忠告です。私はアナタにキチガイ呼ばわりされた一人です
まずあなたにその非礼に対する謝罪を求めます。
差別発言により個人を中傷し侮辱した貴様を絶対許しません。法的処置も辞しません、サイバーテロリストの貴様に屈することは致しませんので覚悟の程よろしくお願いいたしましてまずは、挨拶とさせていただきます。
また幼稚な書き込みとか云々申されてるお方様、中氏の言動行動をわかられて申されているのでしょうか?議員を冒涜し個人を誹謗し差別し、自らを肯定するためならば手段を選ばない彼の行動は異常なのですよ!いっときますがその書き込みは私ではございませんので誤解なされぬように。
不快な思いをしているのは私たちなのですよ、今まで黙っていましたが、新怪人20面相なる方の書き込みを見て黙っていられなくなりました。
馬鹿はほっとくつもりで見過ごしていましたがもう我慢なりません、、、、、、
『覚悟を決めて貴様を糾弾してやるので首を洗って待っていろ。自慰野郎』


怪人19面相   2005年 8月 4日(木) 20時 6分  [220.215.61.171]

勘違い馬鹿のお方、いずれ近いうちに会うたるで。
連絡したるからまっとれ。
県民の血税を搾取なさったごとき事業をなさったオマエ、図書館嘱託のいんちきおっさん。
いろいろ返事を書いて頂いて有難う。
そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!
回りくどい難しい言い回しでわかりにくいことくどくどゆうな、ボケ!

以上。

尚私は♂です。
商工会議所で会う理由もありません。
割と回りくどいのが嫌いな性格の人間です。
だいぶ我慢をしてメールを書いています。

推理作家の大家よくお考えあれ!!

 ばかがとうとう歌ってしまいました。正直なのはおおきに結構であるけれど、ここまで本音をさらしてしまうのはまずかろう。

 ──そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!

 うすらばかにとって乱歩とは何か。うすらばかにとって公益とは何か。本音をここまで白状してしまったんですから底抜けのばかとしかいいようがありませんけど、このあたり大河漫才「僕の住民監査請求」の第四部「零落篇」ではこんな感じにあしらっておきました。

「ですから名張市の市民公益活動実践事業なんかもね」
「市民からいろいろ事業プランを募集して毎年やってますけど」
「完全にプチ伊賀の蔵びらきですから」
「伊賀の蔵びらき事業の縮小版ですか」
「たとえば細川邸の裏にピラミッドとスフィンクスの看板を立てて喜んでる気のふれたようなあほがいましたけど」
「おととしの夏のことでしたか」
「名張市はあんなインチキ事業を税金でバックアップしてたわけですから」
「あれが公益活動実践事業やと主張されたらさすがに引いてしまいます」
「結局?新しい時代の公?の名のもとに公という概念が変質してさらにその公の断片化や私物化が進行してるわけです」
「公の私物化ですか」
「げんに細川邸はイベントとか飲食とかのための施設としてそこらのNPOに私物化されようとしてるんですから」
「かなりおかしな話になってます」

 まあこんなことはどうでもいいとして、自分でもさすがにまずいことを書き込んでしまったと思ったのか、怪人19面相の投稿は8月4日を最後にふっつりと消えてしまいました。

 私はそのあとも掲示板「人外境だより」で怪人19面相に呼びかけたのですが、このページをお読みいただければおわかりのとおり──

 あのうすらばかは二度と姿を見せませんでした。だから私は8月25日の投稿にこんな予言を記しておきました。

 つまり、いつかも明智小五郎のセリフをもじって伝言板に書いたけど、
 「いずれ君を捕らえる時には、名張エジプト化事件も、君が関係しているほかの事件も、すっかり一網に解決してしまうつもりだよ」
 と僕は考えているわけさ。
 今回の事件はおそらく、名張のまちで現在ひそかに進行しているある陰謀の一端だろうと、僕はそんなふうに睨んでいる。
 つまり、今回のところはひとまず休戦協定に持ち込んだとしても、僕は君を含めた関係者のみなさんと、いずれ一戦まじえることになるはずなのさ。

 それで二年が経過して、まさしく「すっかり一網に」という言葉のとおり、怪人19面相一味だけではなくて官民学のトライアングルを一網打尽にしてしまうことになったわけなのね。いやまだ住民監査請求が正式に受理されたわけではないのですから「すっかり一網に」とはいえないな。請求は受理されるのかな、却下されるのかな。いったいどうなってしまうのかな。


 ■8月4日(土)
一網に解決できるのかな 

 本日も乱歩関連ニュースから。

 三重県鳥羽市で乱歩の書簡が見つかったそうです。私はそんなことまったく知らなかったのですが、きのうの夕刻、某ローカルメディアからその乱歩書簡のことで名張市立図書館に問い合わせの電話が入ったのだとお思いください。

 「新聞でごらんになったと思いますけど江戸川乱歩の書簡が見つかりまして」

 いやごらんではないごらんではない。私はごらんになってなどおりませんでした。

 「どの新聞ですか」

 「毎日のきのうの夕刊ですが」

 名張市には統合版しかありませんから夕刊を読むことができません。それでだいたいの事情を教えてもらい、そのうえで書簡に関する見解を申し述べました。まあ要するに、たいして価値のある書簡ではないだろうという見解です。

 そのあと毎日新聞のオフィシャルサイトを調べてみたところ、「地域ニュース」ではなくて「社会」のカテゴリにこんな記事が。

 引用しときます。

江戸川乱歩:直筆の礼状見つかる 三重・鳥羽の妻の実家で
 名探偵明智小五郎や怪人二十面相を生み出した推理作家、江戸川乱歩(1894〜1965)の直筆の礼状が、三重県鳥羽市坂手町の坂手島の妻隆(りゅう)さんの実家で見つかった。長男の出征祝いに対する礼状で、乱歩の父親としての素顔がうかがえる。乱歩の直筆の礼状が見つかるのは珍しいという。

 礼状は、1943年12月、乱歩の本名平井太郎の名前で出されている。一人息子の隆太郎さんが海軍に入った際、妻の兄の村山恒吉さんから祝いを受け取り、礼状を書いた。京都府舞鶴市に赴任した隆太郎さんから「寒さは思ったほどではなく安心した」との報告があったことに触れている。

 むろん乱歩が書いた書簡であるというただそれだけでおおいに価値はあるのですが、この書簡によって乱歩の作家像に新たな照明があてられるとか秘められていた戦中の日常が明らかになるとか、そういったことはおそらくありません。ごく儀礼的な手紙だといっていいでしょう。そんなどうということのない書簡でさえも発見されたとなれば新聞記事になってしまうのですから乱歩というのはえらいものですけど、その乱歩をいったいどうするのかな名張市は。

 手許のスクラップによりますと、これは6月16日付中日新聞の伊賀版なのですが、伊賀市と名張市の定例会一般質問について報じる「議会だより」にこうあります。

 【名張市】15日再開。梶田淑子(共生)中川敬三(沖津藻)石井政(公明)の3氏が一般質問した。主な答弁は次の通り。
 ▽市が保管するミステリー図書や江戸川乱歩関連資料の展示場所 旧桝田医院第二病棟跡地は地域の生活の場であり難しいが、近くの初瀬街道沿いに展示する場所が必要と考える

 これがまあ、乱歩をいったいどうするのかな名張市は、みたいなことの一端が報じられた最新の新聞記事のひとつです。名張市というところではどいつもこいつもあったま腐りきっておりますから質問も質問なら答弁も答弁、てんこ盛りになったうすらばかがうわっつらのことだけあーでもないこーでもないと口走っているのだという嘆かわしい事実がこうしたベタ記事からも明瞭にうかがえる次第なのですが、しかしいったいどうするのかな名張市は。

 「近くの初瀬街道沿いに展示する場所が必要」とあるのはおそらく細川邸を想定した答弁だと思われるのですが、だいたいあの細川邸はどうなってしまうのか。現在ただいま監査委員事務局からの連絡待ちとなっている私の住民監査請求にはこんなことが記されていて──

 以上の理由によって、研究に対する対価の支払いが公金の不当な支出であることは明らかであり、当該契約によって名張市が 1,499,400 円の損害を被った事実には疑いを容れる余地がない。当該契約における名張市の責任者である名張市長によって損害全額が補填されることを求めるとともに、報告書に基づいて行われた細川邸整備の実施設計は無効であると判断されるため、細川邸の整備事業においてこの実施設計を無効化するための措置を求めるものである。

 要するに細川邸の実施設計は完全に無効なんだから、あの設計にもとづいて工事を発注したりなんかできるわけねーよなという寸法です。私の措置請求が認められれば細川邸の整備工事は一歩も前へ進まないことになり、名張旧町地区の再生をコミュニティイベントのレベルでしか考えることができなかった名張まちなか再生委員会の悪だくみは水泡に帰してしまいます。つまり私が二年前、掲示板「人外境だより」で怪人19面相君に、

 「いずれ君を捕らえる時には、名張エジプト化事件も、君が関係しているほかの事件も、すっかり一網に解決してしまうつもりだよ」

 と明智小五郎のせりふをパクリつつ伝えた約束がようやく帰結を見ることになるのですが、そんなことになったら「近くの初瀬街道沿いに展示する場所が必要」なんてうわっつらのことさえ口走れなくなってしまうぞ。さあどうするのかな名張市は。

 ていうか、どうするもこうするもありません。乱歩に関してなにごとかを考えるなんてことは名張市にはできません。乱歩に関してこれっぱかりの知識もありませんし、だいたいがものを考えるという習慣がありません。やる気がない、知恵がない、お金がない。名張市名物三重苦です。だからできないのなら何もしなければいいわけなんですが、あれはいったいどういう習性なのか、なーんにも考えられない人間にかぎって恰好をつけたがるものですからなにごとか考えているふりをする、あるいは考えようとしているふりをする。ばかがかっこつけてるからよけい泥沼にはまるのだということがまだわからんのか。

 というわけで、住民監査請求が一段落したらいよいよ──

 お世話になっております。単刀直入に申しあげます。以下に一点、質問を記します。ご多用中恐縮ですが、お答えをいただければ幸甚です。

 名張市教育委員会は市立図書館の運営における江戸川乱歩の扱いについて、構想や方向性のようなものをおもちなのでしょうか。おもちなのであれば、それを示していただきたく思います。また、これからお考えになるというのであればその時期はいつごろなのか、構想や方向性は存在しないというのであればその旨をお知らせいただきたく思います。

 私個人は、これまでに市立図書館が発行した江戸川乱歩リファレンスブックによって具体的に示しましたとおり、図書館が過去に収集した乱歩関連資料にもとづいて、全国を対象にしたサービスを提供することが望ましいと考えております。そのサービスはインターネットを活用して進めるべきであるとも愚考いたします。

 しかるに、2月1日に開かれた名張まちなか再生委員会の第一回乱歩関連施設整備事業検討委員会において、貴職は私の考えを必ずしもそのまま受け容れるとはかぎらないという旨のご発言をなさいました。正確なところは事務局による録音を聴いてみなければわかりませんが、とにかく貴職は、私が示した方向性を100%受け容れるかそうでないか、それはこれから考えることであるとおっしゃったように記憶しております。

 私にとってこれは驚くべきご発言で、名張まちなか再生プランには直接関係のないことですから委員会の席では何も申しあげませんでしたが、貴職にお訊きして確認したいことは少なからず存在いたします。しかし、いまはほかのことには触れません。ただひとつ、私の示したところをそのまま受け容れるにせよそうでないにせよ、名張市教育委員会が市立図書館の運営における乱歩の扱いをどのようにお考えなのか、あるいはお考えではないのか、その点に関して上記の一点をお訊きする次第です。

 お答えはメールでお願いできればと思います。また、お答えは当方のサイトで公開させていただきたく思っておりますが、もしも差し支えがある場合は非公開といたしますので、その旨お知らせくださいますようお願いいたします。

 年度末を迎えてお忙しいところ、勝手なお願いを申しあげて心苦しく思っております。よろしくお願い申しあげます。

2007/02/28

 このメールの件で名張市教育委員会に乗り込むことになると思います。それにしても2月28日に出したメールへの返事がいまだに届かんのか。こんなことでいいのか名張市教育委員会。いいわけねーよな名張市教育委員会。なーにやってんだ名張市教育委員会。ばかなのかこら名張市教育委員会。

 名張市教育委員会はあとでたっぷりいたぶってやるとして、監査委員事務局は何を手間取っているのかな。住民監査請求の必要書類を提出したのは7月30日月曜のことだというのに、しかも事前に未定稿の請求書を見てもらってあったというのに、いったいどうなるのかな私の住民監査請求は。


 ■8月5日(日)
受理の通知が届きました 

 いったいどうなるのかな私の住民監査請求は、とかいってたらきのう名張市役所の監査委員事務局から郵便物が届きました。

 開封してみると書類が四枚。

 うち一枚が名張市監査委員おふたかたの連名による8月2日付「措置請求書の受理について(通知)」。

 つまりこれ。

 本文は次のとおり。

 平成19年7月30日付けで地方自治法第242条第1項の規定に基づき提出された「名張市長に対する措置請求」については、所要の法定要件を具備していると認め、平成19年7月30日これを受理したので通知します。

 私の提出した7月30日付「名張市長に対する措置請求書」がこれ。

 文言その他を補正する必要はなかったようです。

 本文は次のとおり。

 名張市は平成18年9月26日、三重大学浦山研究室(以下「研究室」という)と委託研究「歴史的建造物改修に係る基本設計業務ならびに当該建造物を活用した管理運営モデルの開発、運営効果の測定に関する研究及び実践」(以下「研究」という)の契約を結び、翌19年3月31日に研究室の報告書「歴史・交流拠点としての旧細川邸改修に向けて」(以下「報告書」という)が提出されて契約が履行された。研究の対価として名張市から三重大学に1,499,400円が支払われたが、これは公金の不当な支出であると思量される。以下にその理由を述べる。

 1点目。細川邸の整備については、平成17年6月に発足した「名張まちなか再生委員会」(以下「委員会」という)が、名張市から委託を受けて検討を重ねてきた。委員会の18年度総会で「NPOなばり実行委員会」(以下「NPO」という)の設立が承認され、そののちに開かれた委員会の役員会で、細川邸に関する検討を委員会からNPOに付託することが決定されたが、この付託には合理的な理由を見出すことができない。いっぽうNPOの世話人会では、新たに「マネジメント委員会」を発足させ、研究室と「マネジメント委員会」が細川邸の具体的な改修計画を検討することの決定を見たが、この決定にも合理的な必然性は認められない。また、NPOによる決定には名張市の意向が反映されていないため、NPOが独自の判断で研究室への研究委託を行ったとしても、名張市にその対価の支払い義務が生じることはあり得ない。委員会からNPOへの付託の不当性とNPOによる決定の自立性とに照らして、名張市による研究対価の支払いが公金の不当な支出であることは明白である。

 2点目。報告書の内容については、平成17年3月策定の「名張まちなか再生プラン」に《細川邸を改修して歴史資料館とします》と明記されているにもかかわらず、《「名張まちなか再生プラン」において、旧細川邸を改修し、歴史・交流拠点として整備することが提案されている》とするなど事実に反する記述が散見され、研究の信頼性に疑問を抱かせる。また、報告書が提案する「イベント利用」「日常的利用」などは「歴史・交流拠点」の概念から逸脱しており、「歴史・交流拠点」という限定を除外して考慮した場合にも、細川邸を活用するにあたって有効な方途であるとはいいがたい。これらのことから、報告書は細川邸の整備を方向づけるうえで著しく妥当性を欠いていると結論せざるを得ず、ゆえに研究を公金の正当な使途として認めることは不可能である。なお、「名張まちなか再生プラン」を策定した名張地区既成市街地再生計画策定委員会の委員長、および平成18年度の委員会副委員長を務めたのがともに研究室の主宰者であり、その研究室とNPOによって研究の実施が決定されたうえ、契約が正式に締結される以前から研究室と「マネジメント委員会」によるワークショップが行われていたという一連の事実には、公平性と公正性の見地から納得しがたいものがあることを付記しておく。

 以上の理由によって、研究に対する対価の支払いが公金の不当な支出であることは明らかであり、当該契約によって名張市が1,499,400円の損害を被った事実には疑いを容れる余地がない。当該契約における名張市の責任者である名張市長によって損害全額が補?されることを求めるとともに、報告書に基づいて行われた細川邸整備の実施設計は無効であると判断されるため、細川邸の整備事業においてこの実施設計を無効化するための措置を求めるものである。

 以上、段落間に一行アキを設けて転載いたしました。

 おまけで提出した「提出書類一覧 付関連ウェブページ一覧」の内容がこれ。

証拠書類

 1 受託研究契約書 (5枚)
 2 請求書・支出命令書 (2枚)
 3 歴史交流拠点としての旧細川邸改修に向けて (137枚)

以上 

参考資料

 1 僕の住民監査請求 第一部 迷走篇 (8枚)
 2 僕の住民監査請求 第二部 惑乱篇 (8枚)
 3 僕の住民監査請求 第三部 猜疑篇 (8枚)
 4 僕の住民監査請求 第四部 零落篇 (8枚)

以上 

関連ウェブページ

 1 第1回名張地区既成市街地再生計画策定委員会
 2 名張まちなか再生プラン
 3 僕のパブリックコメント
 4 名張まちなか再生委員会規約
 5 平成18年度名張まちなか再生委員会総会資料
 6 名張まちなか再生プランの時点更新(再生プロジェクト更新調書)について
 7 歴史・文化・伝統行事・簗瀬水路などの資源を生かしたまちづくり −検証− 名張のまちなか再生は進んでいるのか?
 8 名張まちなか再生プランの真実、ていうかインチキ

以上 

 以上、関連ウェブページにはそれぞれ URL を記載してありましたが、ページ名にリンクを設定し、URL は省略して転載いたしました。

 参考資料として提出した「僕の住民監査請求」がこれ。

僕の住民監査請求(pdf)
第一部 迷走篇
第二部 惑乱篇
第三部 猜疑篇
第四部 零落篇

 フッタに「2007-7-30」という日付やタイトルの入っているのが決定稿ということになっとります。

 7月30日に提出した請求をその日のうちに受理していただけたのは、やはり谷崎忌のご利益というべきか。ぼつぼつと読み返している「細雪」はそろそろ終盤で、蒔岡家のこいさんが鯖ずしを食べて赤痢を発症したあたりです。

 で、郵送されてきた四枚の書類の残り三枚は、まず「受領書」。つまり措置請求受理通知をたしかに受領しましたという領収書みたいな書類で、署名捺印のうえ監査委員事務局に返送することになります。

 もう一枚は「名張市長に対する措置請求に伴う証拠の提出及び陳述の機会の付与について(通知)」。新たな証拠を提出するとか、あるいは口頭で説明するとか、こちらが希望すればそんな機会が設けられることになっていて、この通知によりますと8月9日の午後にその場を設定していただいてあるのですが、新証拠なんてありませんし陳述の必要もないように思われますので、これは水に流してしまいます。

 それで四枚目、「名張市長に対する措置請求に係る証拠の提出及び陳述の出席について(通知)」は、8月9日の陳述は欠席いたしますとの意思を記してやはり署名捺印のうえ返送することになります。

 まあそういったような次第です。


 ■8月8日(水)
夏休みにしようかなと考えたけど 

 名張市の監査委員おふたかたに住民監査請求を受理していただけましたので、あとは監査の結果が出るまで夏休みということにしようかなとも考えたのですが、地方自治法によれば監査結果が明らかにされるのは請求が受理された日から六十日以内、つまり今回の請求の場合は長ければほぼ9月いっぱいかかってしまうことになるわけで、夏休みとしてはいささか長きにすぎるみたい。

 とはいえ、こんな監査はごく簡単に終わってしまうのではないかしら、とも私には思われます。だって煎じ詰めていってしまえば、

 ──そこらの NPO が勝手に決めたことにどうして市民の税金つかってるわけ?

 これが私の主張なのである。とっても単純、いたって明快。そして私のこの主張は、ごく一般的な市民感覚とか住民感情に照らして考えれば、いやいや感覚とか感情といったレベルのみならず論理や合理を基準にして考えた場合でも、きわめて正当なものであると判断するしかないのではないか。地域の名門名張小学校のお子供衆だって私の述べるところに深くうなずいてくれるに相違ない。したがって監査の結果がもたらされるのにさほどの時間は要さぬであろうと思われるのだが、なにしろ初めてのことでもあり、とどのつまりいつのことになるのやら私にはさっぱりわからぬ。

 さるにても、住民監査請求を提出し、受理され、そのあと監査結果が出るまでの時間というのはなんとも悩ましいものである。それはまあこの名張市が人口何十万とか百何十万とかいう大都市であるのなら話は別である。あるいは人口八万五千の名張市においてであっても私がたとえば関西圏から桔梗が丘あたりに転入してきて大阪のほうにでも通勤しているニューカマーであるならばやはり話は別である。しかしそうではなく、私は名張に生まれ育ってげんに住まいし、市内には繋累もあればさまざまな関係性も存在している。ひと皮むくだけで村社会だの前近代だのがすぐ顔を出してくる狭い狭い地域社会で生きているのであり、何より名張市立図書館を接点として市行政と直接かかわっておるのである。

 そういう人間が住民監査請求をぶちかますというのは、やはりそれなりの覚悟を要することなのであって、むろん私にはことのなりゆきを純粋に面白がる気持ちもあるのだが、どうしてこんなばかげたことに時間と労力をそそがねばならぬのかと暗然たる気分で思い返してしまうことがないでもない。この住民監査請求によって私の人生に何かしらの変転がもたらされるという可能性は少なからずあり、しかしその変転は私にとってけっして望ましいものでないであろうことは想像にかたくない。かりに眼に見えるかたちの変転はなかったとしても、もとより私個人が得るものなどは何ひとつなく、狭い地域社会で白い眼で見られたり蛇蝎のごとく嫌われたり、その度合がいよいよ増してくるだけであろうということは百も承知の二百も合点。

 しかしもうほっとくわけにはいかんのである。官民双方のうすらばかがここまでインチキにインチキを重ねて税金の具体的なつかいみちを決めてることを、私はもう見すごしにはできんのである。しかもさらに難儀なことには、いつかも記したとおりこの住民監査請求はいわばサブであり、メインはあくまでも名張市は乱歩のことどうする気よ、ということなのである。

 いかんいかん。また腹が立ってきた。休憩休憩。本日はこれまで。


 ■8月9日(木)
公文書公開請求ジャンキーさ 

 さて、住民監査請求の件は一段落したことにして、名張市は乱歩のことをどうする気よ、というメインテーマを追究するべく、私はきのう名張市役所を訪れて公文書公開請求をかましてまいりました。

 私がはじめて公文書の公開を請求したのは今年4月のことでした。当時はさっぱり要領がわからなくて戸惑うことも多かったのですが、いまやすっかりベテランの域。行きつけの喫茶店に立ち寄る感覚で名張市役所一階の総合窓口センターを訪れ、スタッフに何も質問することなく公文書公開請求書をすらすら書きあげてさっと提出できるまでになりました。気分はもう公文書公開請求ジャンキーさ。

 きのう請求した公文書はこんなんでおました。

 ──名張市教育委員会の職掌内において、江戸川乱歩への言及があるすべての公文書

 話の流れをふり返っておきますと──

 お世話になっております。単刀直入に申しあげます。以下に一点、質問を記します。ご多用中恐縮ですが、お答えをいただければ幸甚です。

 名張市教育委員会は市立図書館の運営における江戸川乱歩の扱いについて、構想や方向性のようなものをおもちなのでしょうか。おもちなのであれば、それを示していただきたく思います。また、これからお考えになるというのであればその時期はいつごろなのか、構想や方向性は存在しないというのであればその旨をお知らせいただきたく思います。

 私個人は、これまでに市立図書館が発行した江戸川乱歩リファレンスブックによって具体的に示しましたとおり、図書館が過去に収集した乱歩関連資料にもとづいて、全国を対象にしたサービスを提供することが望ましいと考えております。そのサービスはインターネットを活用して進めるべきであるとも愚考いたします。

 しかるに、2月1日に開かれた名張まちなか再生委員会の第一回乱歩関連施設整備事業検討委員会において、貴職は私の考えを必ずしもそのまま受け容れるとはかぎらないという旨のご発言をなさいました。正確なところは事務局による録音を聴いてみなければわかりませんが、とにかく貴職は、私が示した方向性を100%受け容れるかそうでないか、それはこれから考えることであるとおっしゃったように記憶しております。

 私にとってこれは驚くべきご発言で、名張まちなか再生プランには直接関係のないことですから委員会の席では何も申しあげませんでしたが、貴職にお訊きして確認したいことは少なからず存在いたします。しかし、いまはほかのことには触れません。ただひとつ、私の示したところをそのまま受け容れるにせよそうでないにせよ、名張市教育委員会が市立図書館の運営における乱歩の扱いをどのようにお考えなのか、あるいはお考えではないのか、その点に関して上記の一点をお訊きする次第です。

 お答えはメールでお願いできればと思います。また、お答えは当方のサイトで公開させていただきたく思っておりますが、もしも差し支えがある場合は非公開といたしますので、その旨お知らせくださいますようお願いいたします。

 年度末を迎えてお忙しいところ、勝手なお願いを申しあげて心苦しく思っております。よろしくお願い申しあげます。

2007/02/28

 これが2月28日に名張市教育委員会の教育次長にお出ししたメールです。文面をお読みいただければおわかりのとおり、

 ──いいかこら教育次長だかなんだか知らんがろくに経緯や事情もわきまえぬ人間が横からしゃしゃり出てきて人に偉そうな説教かましてんじゃねーぞたこ。

 というフレーズでおなじみの教育次長が2月1日、私にとってはとても聞き捨てにならないお言葉を口になさったわけなのね。

 いいかこらろくに経緯や事情もわきまえていないというのなら耳の穴かっぽじってよっく聞け。名張市立図書館が乱歩に関して何をしたらいいのかよくわからないなどと情けないことほざくから私は慫慂をかたじけなくして図書館の嘱託を拝命したわけなのね。1995年の10月のことでしたけど。それで話はごく簡単。名張市立図書館というのは日本でただひとつ乱歩の著作や関連書籍を収集している図書館なんですから、収集資料にもとづいたサービスを進めればいいだけの話なのである。そのサービスの対象を名張市民に限定する必要などまったくないのである。だから私は乱歩の関連文献とか作品とか著書とかの目録をつくったわけなんですけど、するうちインターネットが急速に普及して、それならインターネットを利用しない手はありません。名張市立図書館が発行した江戸川乱歩リファレンスブックのデータをネット上で公開するべきだとごく当然のことを提案したところ、それをあっさり断りやがったのが名張市教育委員会のうすらばかどもだったわけなのね。それも一度ならず二度までも断りやがったわけなのね。ばかなのかこら名張市教育委員会の腐れ公務員ども。だから私は著作権法違反に問われるのを承知のうえで(つまり江戸川乱歩リファレンスブックの著作権は名張市立図書館に帰属してるわけなのね。それから目録にだって著作権はあるわけなのね)、こうやって自分でサイトつくってデータの公開を進めてきたわけなのね。

 ところが2月1日、

 ──いいかこら教育次長だかなんだか知らんがろくに経緯や事情もわきまえぬ人間が横からしゃしゃり出てきて人に偉そうな説教かましてんじゃねーぞたこ。

 というフレーズでおなじみの方がいったいなんとおっしゃったのか。上のメールから引きますと、

 ──貴職は私の考えを必ずしもそのまま受け容れるとはかぎらないという旨のご発言をなさいました。

 何をわけのわからんことおっしゃっているのやら。受け容れるも何も話はすっかり進んでおるのじゃ。名張市立図書館はとっくの昔に江戸川乱歩リファレンスブック三巻を刊行しており、そのデータは私のこのサイトで公開されており、いま現在もぼちぼちとメンテナンスが重ねられておるというのにどうよそれ。いまごろなーに脳天気なことを口走っていらっしゃるのかこの方は。

 しかしまあそれならそれでいいでしょう。私は自分の示した方向性が乱歩に関して名張市立図書館が提供するべきサービスの王道をゆくものであると信じて疑いませんけど、ほかの考え方を否定するつもりはありません。教育次長が、

 ──私が示した方向性を100%受け容れるかそうでないか、それはこれから考えることである

 とおっしゃるのならそれはそれで結構なことであり、しかしそれは本当か。本当なのか。そんなのはその場しのぎの先送りで弄した言辞ではないかいなと私は思いましたので、

 ──名張市教育委員会は市立図書館の運営における江戸川乱歩の扱いについて、構想や方向性のようなものをおもちなのでしょうか。

 とメールでお訊きした次第でした。それがどうした。まったく回答が寄せられないままきょうという日を迎えておるのじゃ。ですから私はきのうのこと、

 ──名張市教育委員会の職掌内において、江戸川乱歩への言及があるすべての公文書

 の公開を請求したわけなのね。

 で、請求書を提出したあと総合窓口センターのスタッフが名張市教育委員会の事務局へ電話で問い合わせてくれたその結果、名張市教育委員会にはそんな文書は一枚もないということが判明いたしました。これは早かったなあ。文字どおりの即答でした。私は名張市教育委員会がなんらかの質問に対してこれほど即座に、まさしく打てば響くように回答した例をほかに知りません。やればできるではないかいな。

 そんなことはともかくとしてこれでいったい何がわかったのかといいますと、少なくとも文書上では名張市教育委員会が乱歩に関して何かしらの協議検討を行ったことはいっさいないということです。つまり乱歩に関して何も考えてなんかいないということです。私がメールで送った、

 ──名張市教育委員会は市立図書館の運営における江戸川乱歩の扱いについて、構想や方向性のようなものをおもちなのでしょうか。おもちなのであれば、それを示していただきたく思います。また、これからお考えになるというのであればその時期はいつごろなのか、構想や方向性は存在しないというのであればその旨をお知らせいただきたく思います。

 という質問に即していうならば、そんな構想や方向性は毛筋ほども存在しないということが明々白々になったという寸法です。

 まあそんなことはとっくの昔から察しがついていたのですけれど、しかしちょっと困ったぞ、と私は思いました。名張市教育委員会には乱歩に関する言及のある公文書がただの一枚も存在していないのだという事実を証明するにはどうしたらいいのであろうか。その点を総合窓口センタースタッフに相談してみたところ、このまま公文書公開請求書を提出すれば公文書は「不存在」であるという返事が返ってくるとのことでしたので、ありがたくそのアドバイスにしたがっておくことにいたしました。

 私はこうしてまたひとつ、公文書公開請求の新たな知識を身につけて帰ってきたというわけです。気分はすっかり公文書公開請求ジャンキーさ。


 ■8月10日(金)
なんつーか腹が立つほどわけわかんね 

 名張市教育委員会が何かしら乱歩に関してまともに考えをめぐらせたことなんてただの一度もありません。これからだってないでしょう。少なくとも現時点で確認できる公文書には、乱歩のことを記したものがただの一枚も存在していません。私がおととい提出した公文書公開請求を受けて名張市教育委員会がそうした公文書の「不存在」を明らかにしてくれるまで断言することはできませんものの、そんなふうに思っといてまずまちがいはないであろう。

 だったらもうやめたら? というのが私の見解なわけです。したがいまして教育次長にお送りしたメールの第二便はこんな感じになっとりますけん。

 昨日は不躾にメールをお送りして失礼いたしました。勝手ながらご返事をお待ちしております。

 きのうの質問の補足として、私の考えを申し述べます。結論から記します。名張市立図書館は乱歩コーナーを閉鎖し、乱歩という作家から手を引くべきであると考えます。

 むろんきのうも記しましたとおり、私は名張市立図書館が収集資料にもとづき、乱歩に関して全国を対象に質の高いサービスを提供してゆくことを希望しております。五年、十年という長いスパンで将来を見通し、日本でただひとつ乱歩の関連資料を専門的に収集してきた図書館として、それにふさわしい運営をつづけてゆくことが望ましいと考えております。

 しかしながら、名張市の財政状況を別にして考えても、名張市立図書館にも名張市教育委員会にも、どうやらそんなつもりはないらしいというのが私の判断です。これは単なる実感で、具体的な根拠を明確に示すことはできかねるのですが、この判断はそれほど的はずれなものではないと確信いたします。しいていえば、お役所特有の責任回避体質がおのずからしからしむるところ、といったことになるでしょうか。

 もしも私の示した方向性が否定されてしまうのであれば、名張市立図書館はどうなるのか。私が嘱託を拝命する以前の、収集資料の活用を考える能力もなく、乱歩に関する専門知識をもったスタッフなどひとりも存在せず、したがって乱歩に関して何をすればいいのかすら判断できない図書館に逆戻りするだけです。そんなことになるくらいなら、いっそきれいに手を引いたほうが図書館自身が楽になることでしょう。

 私は2003年の10月22日、当時の教育長にお目にかかる機会を得ましたので、それは市長、教育委員長、図書館長もご同席の場でしたが、市立図書館が乱歩コーナーを閉鎖して乱歩とは無縁な図書館になるべきだと進言いたしましたところ、教育長からは「またあらためてみんなで検討してみましょう」とのお答えをいただきました。それ以降、検討の場などただの一度も設けられなかったことはいうまでもありませんが、一度でいいから本気になって乱歩のことを考えていただきたいというのが名張市教育委員会に対する私の願いです。

 そんな願いはとても聞き届けられぬものとは思いますが、せめて昨日のメールでお訊きしたこと──

 名張市教育委員会は市立図書館の運営における江戸川乱歩の扱いについて、構想や方向性のようなものをおもちなのでしょうか。おもちなのであれば、それを示していただきたく思います。また、これからお考えになるというのであればその時期はいつごろなのか、構想や方向性は存在しないというのであればその旨をお知らせいただきたく思います。

 この程度の質問ならばお答えをいただけるであろうと期待しております。勝手ながらご返事をお待ちしております。よろしくお願いいたします。

2007/03/01

 3月1日に送信した質問への回答が8月10日になってもまだ寄せられません。それが名張市教育委員会というところです。

 しかしなあ、これだけ書くのにたっぷり一時間もかかってしまったではないか。理由はむろん、文章を書いているうちに猛烈に腹が立ってきて寝ころんだり冷たいお茶を飲んだりして気分を静めなければならないからなのであるが、ここまで筆が停滞するのはじつに困ったものである。

 これから先の話の流れとしては、やや角度を変えて名張市オフィシャルサイトのこのページ──

 この「会議録」と題されたページには名張市都市計画審議会とか市政一新市民会議とか総合計画審議会とか市民公益活動促進検討委員会とか市民自治検討委員会とか人にやさしい移動手段検討委員会とか介護保険推進協議会とか名張市地域公共交通会議とか地域福祉計画策定委員会とか健康づくり推進協議会とかその他いろいろ、名張市が発足させた審議会協議会委員会のたぐいの議事録が掲載されているわけですが、なかのひとつに図書館協議会というのを見いだすことができます。

 それでもってこの図書館協議会における噴飯ものの協議検討を適当に叩いてやったそのあとは、8月4日付伝言に引いた中日新聞の記事を再度引用して──

 【名張市】15日再開。梶田淑子(共生)中川敬三(沖津藻)石井政(公明)の3氏が一般質問した。主な答弁は次の通り。
 ▽市が保管するミステリー図書や江戸川乱歩関連資料の展示場所 旧桝田医院第二病棟跡地は地域の生活の場であり難しいが、近くの初瀬街道沿いに展示する場所が必要と考える

 いったいどうよこれ、という方向に話を進める予定です。

 この名張市議会の一般質問における答弁では、お読みいただいたとおり「市が保管するミステリー図書や江戸川乱歩関連資料の展示場所」について「旧桝田医院第二病棟跡地は地域の生活の場であり難しいが、近くの初瀬街道沿いに展示する場所が必要と考える」との意向が示されてたんですけど、これって要するに名張市立図書館の乱歩コーナーは閉鎖してしまいますという宣言なわけです。「市が保管するミステリー図書や江戸川乱歩関連資料」ってのは現在ただいま図書館の乱歩コーナーに展示されてるわけですから、それを「旧桝田医院第二病棟跡地」の「近くの初瀬街道沿い」に展示するっつーのはすなわち図書館の乱歩コーナーを閉鎖するということなわけなのね。

 いったいどうよこれ。まったくわけわかんね。名張市教育委員会はわけわかってんの? というふうに話を進めるつもりなんですが、なんかほんとにわけわかんね。名張まちなか再生プランに関してもまさしくそうだったわけですけど、この名張市においては「考える」とか「決める」とかいった言葉の意味が一般社会とは大きく異なっているとしかいいようがなく、そもそも誰が何を考えて誰が何を決めてんだかさっぱりわかんないわけですねこの名張市では。

 ですから教育次長宛メールにも記してありましたとおり、

 ──名張市立図書館は乱歩コーナーを閉鎖し、乱歩という作家から手を引くべきであると考えます。

 というのが私の見解ではあるのですが、これはもちろん考えるべきことをちゃんと考え、決めるべきことをきっちり決めたその結果としてこういった結論にたどりつくべきだと私には判断されますということなのであって、ただの思いつきやその場しのぎでこんな結論をつかみ取るべきではまったくない。

 えーっと、まーた腹が立ってきましたのできょうはこれくらいにしときます。またあしたね。