人外境主人残日録 2009
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2009 平成21年
6月
6月14日(日)
カバー青仮面版『吸血鬼』があったとさ
6月19日(金)
コレクターの血が見事なまでに騒がない
6月21日(日)
学習誌の付録に掲載された乱歩作品の謎
▼5月23日(土)
人外境番犬の二回忌も過ぎた春の夕刻に
▼5月25日(月)
人間豹は幕末の京で最期を遂げるらしい
▼4月3日(金)
野村恒彦講演会「親友二人」のお知らせ
▼4月4日(土)
乱歩スレに謝意を表しつつラジオの話題
▼4月15日(水)
チューリップの町で僭越ながら後援です
▼4月20日(月)
江戸川乱歩賞はどうなったのでしょうか
▼3月1日(日)
誰だってデビューのときは新人であった
▼3月2日(月)
お勢の形相と格太郎の死相どっちが怖い
▼3月3日(火)
乱歩生誕地碑広場をご覧いただきますか
▼3月4日(水)
乱歩はミッドライフの危機に直面したか
▼3月6日(金)
少年読者の反応はどう熱狂的だったのか
▼3月7日(土)
都会の少年の懐かしい故郷における熱中
▼3月8日(日)
少年タイガーから少年探偵団シリーズへ
▼3月9日(月)
たぶんいやなやつだとお思いでしょうが
▼3月13日(金)
海野十三忌講演会と講師先生出版祝賀会
▼3月22日(日)
野村恒彦さん処女出版お祝いの会ご案内
▼3月23日(月)
神奈川近代文学館「大乱歩展」のご案内
▼2月1日(日)
松居竜五さんの講演会が徳島県で開かれます
▼2月3日(火)
節分の日に昨年末の落ち穂拾いをいたしました
▼2月8日(日)
八日えびすなので早々に失礼いたします
▼2月11日(水)
墓参はしませんでしたが散歩はしました
▼2月12日(木)
三島由紀夫の書斎における乱歩全集の謎
▼2月20日(金)
江戸川乱歩年譜集成おぼえがきアゲイン
▼2月23日(月)
フラグメントで再チャレンジしましたが
▼2月24日(火)
依頼されたのか希望したのかという問題
▼2月25日(水)
「少年倶楽部」は何度ベルを鳴らしたか
▼2月26日(木)
新機軸を求めた新編集長による白羽の矢
▼2月27日(金)
あれから十年かよ「二十面相は突然に」
▼2月28日(土)
二十面相ばかりか「妄想姉妹」も突然に
▼1月1日(木)
あけましておめでとうございます
▼1月4日(日)
もうへろへろでございます
▼1月5日(月)
いよいよわからなくなってきました
▼1月6日(火)
いったいどうなるのでしょうか
▼1月7日(水)
深い森のなかであてどなく
▼1月8日(木)
深い森のなかでついふらふらと
▼1月10日(土)
残日録にいたしました
▼1月21日(水)
エントリ中心主義はよかったのですが
▼1月22日(木)
「嗚呼、私の探偵は!」は嗚呼とっくの昔に
カバー青仮面版『吸血鬼』があったとさ
2009年6月14日(日)

 なんともよく理解できないもののひとつに Yahoo! オークションというやつがあるのですが、2ちゃんねる乱歩スレを閲覧していてこんなのが出品されていることを知りました。

 Yahoo! オークション:【カバー青仮面版】「吸血鬼」講談社・江戸川乱歩推理文庫 希少

 青仮面版のカバーに包まれた『吸血鬼』があるということはまったく知りませんでしたので、記録しておくために書影を無断転載いたします。あらかじめ出品者のかたのご寛恕をお願いしておく次第です。

 ついでですから出品者のかたのコメントもそのまま引用。

コレクターの皆様は御承知のとおり、本文庫は分類として仮面の色
を用い、創作を青仮面・少年ものを赤仮面・評論、研究を緑仮面と
定めました。しかし、当初刊行された「吸血鬼」は誤って【赤仮面】として世に出されました。
「吸血鬼」【青仮面版】は後日、版元である講談社が希望者に対して差替えを対応した、今日では極めて希少なものでもあります。

刷り直された【青仮面版】「吸血鬼」のカバーは
ISBN4-06-195212-9 C0193 P560E (1)
定価560円(本体544円)とあります。

本自体の奥付にある記載には
ISBN4-06-195212-9(0)と表示され、定価はカバーに表示されています。とのシール貼りがなされています。
(画像をご参照ください)

帯はありません。(そもそも「吸血鬼」の青帯が存在するかどうかは不明です。その存在をみたことがありません)

 残り時間四日にして、現在の価格は2,200円、しかもこの価格は「最低落札価格に達していません」とのことで、よく理解はできぬながらも最終的にいくらになるのかが気にかかります。



コレクターの血が見事なまでに騒がない
2009年6月19日(金)

 驚くなかれ Yahoo! オークションに出品されていた青仮面版カバーの『吸血鬼』、最低落札価格がなんと48,500円に設定されていて、実際の入札価格は最高で12,000円、したがって落札者なしという結果に終わってしまったみたいです。とんと見当もつかぬ世界だなあと思って感心していたら、今度はこんなのが眼につきました。

 Yahoo! オークション:旺文社中学三年時代1961付録「心理試験」ドイル「花婿失踪事件」

 記録のために無断転載。出品者のかたのご寛恕を冀う次第です。

 商品説明も無断転載。かさねがさね相済みません。

旺文社 中学時代三年生 昭和36年1961年8月号付録 中三グリーン文庫 中島河太郎解説 谷敏彦挿絵 コナン・ドイル「花婿失踪事件」乱歩「心理試験」併載。送料140円。

 昭和36年に中学三年生だったとしたら昭和21年あたりの生まれということになりますから、この付録を読み耽った中学生もいまや六十三歳前後か。なにやらうたた感慨に堪えぬ気がするなあとか思ってあっちこっち見ていたら、Yahoo! オークションにはこんなにたくさん乱歩の本が出品されておりました。感慨どころではないのではないか。

 Yahoo! オークション:江戸川乱歩

 出品物をさーっと打ち眺めてみたのですが、血が騒ぐといったことはまったくありませんでした。コレクターの血とかいうやつが、たぶん一滴も流れていないということでしょう。われながら見事なものだと思います。



学習誌の付録に掲載された乱歩作品の謎
2009年6月21日(日)

 こんなことばっかやっててなんだかばかみたいなんですけど、すっかりおなじみの Yahoo! オークション、本日の掘り出しものはこのあたり。

 Yahoo! オークション:江戸川乱歩◆幽霊塔◆探偵小説◇中学生新書初版黒岩涙香昭和31

 例によって記録。

 例のごとく商品説明。

江戸川乱歩の中学生新書版探偵小説『幽霊塔』 小学館・中学生の友 昭和31年4月号付録 本文84ページ 挿絵入り 状態は経年のヤケ・スレ・シミ等あります また、扉にオレ・極小さなキレあります 総体的にはまあまあのコンデションだと思います

 乱歩の著書ならたいていは目撃しているつもりなのですが、この手の付録はあまり眼にしたことがありませんのでつい気を惹かれてしまいます。学習誌の付録に掲載された乱歩作品がどれくらいあるのかはまったくの謎で、恥ずかしながらとんと見当もつきません。