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裁判 
その(1)裁判の争点  その(2)裁判は始まったものの  その(3)もう居直った! 当たって砕けろだ!
その(4)点が線に、線が面になる
 その(5)六箇条の実践 その(6)地元医師に意見書作成を依頼 
その(7)裁判所業を煮やし公の医療機関に鑑定を依頼
 その(8)裁判所と鑑定医が対立、被告弁護士も逆襲開始 
その(9)保険会社独自の意見書で反論
 その(10)判決か和解か、戦術の見直し その(11)和解、事実上の勝訴!

裁判  その(3)もう居直った! 当たって砕けろだ!

仕切り直し−−裸一貫で再スタート

白衣の天使も紳士も居ないわけではないけれど、まず居ないと考えた方が無難。弁護士も万能では無い。裁判官も同じ・・・この現実が身にしみる時が闘いの始まりです。勿論、お医者さん達、弁護士先生、判事の方々、それぞれお世話になりました。しかし、それも被害者とその家族が闘いの中心にならなければ何の助けも期待はできません。主役は被害者とその家族本人、舞台を盛り上げるのは自分自身なのです。そのことに気付いた時、私の中から不思議と力が湧いてきました。

 人間誰しも逆境に置かれてこそ本当の力が出ると言いますが、それは真実です。それまでの私は本当に甘ちゃんでした。今から振り返ると、返ってこの方が私にとって良かったと思います。順風満帆は反対に私をダメな人間にしたでしょう。

ブレーン現る−−裁判勝利の戦略はこれだ

 私にとって幸運だったのは、私の周囲にブレーンになってくれる方々が現れたことでした。現実を見据え、最善の方法を取ることができたのはその人達のお陰です。こう言っては語弊があるかもしれませんが、**先生とか、**師とか肩書きにつく人達は、確かに専門分野では非常に強いのかもしれませんが、私が思うに、どうも物事の道理に疎いところがある気がします。

 一方、私のブレーンになってくれた人達は先生でもなければ師でもありません。ごく普通のありふれた一般人です。どちらかというと毎日裸一貫、ビジネスの世界で闘っている人達といいましょうか。その方たちからのアドバイスで、私は今後の方針を次のように決めました。

1)脳外傷については医師も弁護士も判事も素人。かくなる上はその人達を啓蒙し脳外傷をしっかり理解してもらうようにする。

2)といっても皆一癖も二癖もある人達、くれぐれも見下げるような態度をしてはならない。奉りながら、自然に事を進めること。

3)そのためにはまず自分が脳外傷についての専門家になること。何も医者の国家試験に合格せよというのではない。必要にして十分な最先端の医学知識を得ること。そうすれば怠惰な医師よりも遙かに豊富な知識を備えることができる。

4)医師・弁護士・法廷の三者を円滑に結ぶのに文書を活用する。最新の知識を得たとしても、付け刃は付け刃、生兵法は怪我の元、文書で意思を伝えるようにする。

5)文書は誰にも理解できる平易なものにする。間違っても医師に患者の容態を伝えるのに医学用語を連発したり、弁護士や判事に法律用語を頻繁に用いたりしてはならない。 眠っているトラの尻尾を踏まぬよう、ご用心、ご用心。

6)脳外科・精神科・その他の科の医師達が勉強している医学書・論文をチェックしトレンドを知っておく。その上で、平易な文章で母の症状をそのトレンドに沿って記述する。そうすれば医師は容易に症状を理解するはず。


私はこのとき勝利を確信しました。学生時代勉強嫌いだった私ですが、不思議と医学書をあさるのが楽しく、深夜まで読みふけるようになりました。

その(4)へ続く