目次
[第一話] 江戸川乱歩評判記 中島河太郎
[第二話] 書簡 小酒井不木
[第三話] 日本探偵小説界寸評 国枝史郎
[第四話] 『心理試験』を読む 平林初之輔
[第五話] 乱歩氏の創作集 春田能為(甲賀三郎)
[第六話] 濫読者の手帳 三上於菟吉
[第七話] マイクロフォン 夢野久作
[第八話] 江戸川乱歩の持ち味 浜尾四郎
[第九話] 乱歩氏の懐し味 海野十三
[第十話] 禿山の一夜 小栗虫太郎
[第十一話] 献詞 天城一
[第十二話] 書簡 萩原朔太郎
[第十三話] 怪奇と推理の作家江戸川乱歩氏 T生
[第十四話] 薄暗い仕事場と赤い錦絵の蒐集 E・F・G
[第十五話] 一寸法師【七巻】
[第十六話] 乱夢譚 西秋生
[第十七話] 疑問の戦死者 江戸川乱歩
[第十八話] 未発表日記〔1949〜1992〕 中井英夫
[第十九話] 翳の祭典 乱歩と私 中井英夫
[第二十話] 語りの事故現場 高原英理
[第二十一話]  江戸川乱歩論序説 村山徳五郎
[第二十二話] 文芸五十年史 杉山平助
第二十三話] 江戸川乱歩氏と語る
[第二十四話] 川崎克と江戸川乱歩 江戸川乱歩一代記 旭堂南湖
[第二十五話] 
 人でなし倶楽部
[第二十六話] 
 八本正幸
番犬敬白 1999年10月21日

 「昔より百物語と云ふことをすれば、かならずその座に不思議なる事あるといへり」(『諸国百物語』序)と伝えられる百物語、江戸川乱歩を主題として催すことにいたしました。ここに「乱歩百物語」と題してお送りしますのは、いわぱネット版アンソロジー。乱歩について記された随筆、評論、小説、その他の文章を順次掲載してゆく趣向でございます。
 名張市立図書館刊『乱歩文献データブック』の巻頭に頂戴いたしました故中島河太郎先生の「江戸川乱歩評判記」で開幕を飾り、小酒井不木を筆頭に著作権切れとなった執筆者の文章を集めてとりあえず開設いたしましたが、以降の予定はきわめて曖昧模糊としております。
 新稿、旧稿を問わず、このページに玉稿をお寄せいただける方は、人外境主人宛お知らせいただければたいへん幸甚に存じます。とはいえ、掲載料や謝礼の類はいっさいお出しできませんので、あらかじめご寛恕を乞う次第です。
 それでは、「怪至る」べき百話目をめざして、どうぞごいっしょに。

【 凡例 】

 テキストは底本どおりとし、歴史的かなづかいのものはそれを踏襲したが、漢字は新字とした。JIS漢字にない場合は■で代用し、〔手偏+畜〕といった要領でその字の概略を示した。まことに見苦しい限りである。ルビも底本どおりとし、〔  〕で示したが、総ルビを踏襲することはしなかった。とくに戦前の雑誌などで、誤字とおぼしい用字、句読点の脱落などがある場合もそのままとし、必要に応じてアンダーラインでそれを示した。いわゆる「ママ」表記の代用である。傍点、くりかえし記号の一部など、ブラウザで再現しがたいものは割愛した。
 掲載は一人一話を基本とし、それ以外にとくに選定の基準は設けていないが、著作権切れの文章でも、現在の流布本で比較的容易に読み得るものは除外することにした。また、幻影城増刊号「江戸川乱歩の世界」、中島河太郎編『江戸川乱歩──評論と研究』『江戸川乱歩ワンダーランド』、新文芸読本『江戸川乱歩』、新保博久・山前譲編『乱歩』に収録された作品は除外した。とはいえ、「江戸川乱歩の世界」の刊行から四半世紀近く経過していることを考え合わせれば、こうした限定はむしろ不必要なのかもしれない。

掲載1999年10月21日